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シミへの対処法

更新日:2016.12.09
公開日:2013.02.20
ドクター画像
この記事の監修者
銀座ケイスキンクリニック 院長 慶田朋子

アンチエイジングを気にする人の、一番の悩みであるシミが出来るメカニズムと対処法・治療法について、ドクターが解説しています


図1 ある日鏡を覗いて気づくシミ……、とても憂鬱になりますが、そんなシミでも対処法はあります。

自分では万全に紫外線対策を取っているつもりでも、いつの間にか顔にポツンと茶色のシミを見つけた時のショック。ある程度の年齢の女性なら多くの方が経験されていると思います。一度出来てしまうと、なかなかやっかいなもの。予防するのにこしたことはありませんが、出来てしまったシミをきれいにする方法はあるのでしょうか。

まず、なぜシミができるのか、そのメカニズムを見てみましょう。

シミができるメカニズム


図2 メラノサイトの指令によりメラニンが作り出されます

シミのもととなっているものは、メラニンと呼ばれる色素成分です。過度の紫外線を浴びると、表皮にある角化細胞(ケラチノサイト)が、肌の内部を守ろうとして表皮最下層の基底層にある色素細胞(メラノサイト)にメラニンを造るように指令を出します。

肌のターンオーバーが正常であれば、シミのもとであるメラニン色素は体外へ排出されますが、そのバランスが乱れると、メラニンの排出が滞ってしまい、それがシミになってしまいます。

美白化粧品でシミにアプローチ


図3 たくさんある美白化粧品の実力は?

さて、できてしまったシミへの対処法としてまず考えられるのが美白作用のある化粧品。どのような成分がどのように肌に効くのか見てみましょう。

厚生労働省が認めた美白成分を使用した美白化粧品の基本的な目的は「メラニン色素生成を抑えることにより日焼けによるシミ・そばかすを防ぐ」にあります。最近は、新しい美白成分や高濃度のものなどが使われた美白化粧品が出てきています。1年を通して美白ケアを忘れないようにしましょう。

厚生労働省が認めている美白成分

カモミラET ハーブのカモミールに含まれる成分で、抗炎症作用もある
トラネキサム酸 本来抗炎症剤として使われていたが、美白成分として開発
t.AMCHA
(シクロアミノ酸誘導体)
メラニンの生成を抑えシミ・ソバカスを防ぐ「美白」と「肌あれ防止」の双方の効果があると認定され、厚生労働省は「美白成分」として、医薬部外品の新規有効成分として承認
アルブチン 苔桃から抽出された成分。
コウジ酸 みそやしょうゆなど、麹菌由来の成分。
エラグ酸 いちご由来の成分。
ルシノール 北欧のもみの木に含まれる成分をもとに作られた成分。ルシノールは、商標名で、「化学名は4-n-ブチルレゾルシノール」。
ビタミンC誘導体 リン酸ビタミンCなど、ビタミンCを肌に吸収しやすい形に変えたもの。抗酸化作用もあり、アンチエイジングやニキビの炎症を抑えるのにも役立つ。
プラセンタエキス 豚の胎盤から抽出された成分。
リノール酸 サフラワー油などの植物から抽出。
4MSK 慢性的なターンオーバーの不調に着目して、研究開発された成分

その他の美白成分

油溶性甘草エキス
(グラブリジン)
甘草から抽出。消炎作用もあるので、かぶれにくく、肌の弱い人でも比較的使いやすい。

美白化粧品には、医薬部外品指定の成分が含まれているものと、そうでないものがありますが、必ずしも医薬部外品のほうが効くというものではありません。

クリニック処方の外用剤

美白化粧品は、「メラニン色素生成を抑えることにより日焼けによるシミ・そばかすを防ぐ」という「防ぐこと」から一歩出ることができないのですが、クリニック処方の外用剤であれば、「お肌の漂白剤」と呼ばれるような「シミを薄くすること、取ること」を目的に作られていますから、美白化粧品を使ってはみたけれど、今一つ効果がないという方は、クリニックで薬を出してもらうのも一案です。

クリニックが処方するハイドロキノンとレチノイン酸

ハイドロキノン チロシナーゼの活性を強力に抑制し、メラニン形成をブロックします。
レチノイン酸 ターンオーバーが亢進し、表皮がはがれ落ちます。また、表皮基底層でのメラニンを減少させます。血流を上げて代謝を高めます。

表皮細胞に作用して、肌のターンオーバーを高め、たまったメラニンを押し上げて、排出する治療法です。このときに強力な美白作用のあるハイドロキノンを併用することで、シミが漂白されます。

また、ピーリング剤が含まれたグリコール酸ローションを使用することで、表皮のターンオーバーを亢進しますし、同時にメラニン形成をブロックするので、外用剤を塗布する前にグリコール酸ローションを使用するとより効果的です。

ただし、レチノイン酸は、作用機序(薬物が生体に作用するメカニズム)から外用部が赤ちゃんのように血流が良くなって赤くほてり、薄く角質がはがれる作用があり、使用頻度や使用範囲を調整する必要があります。また通常、ハイドロキノンだけでは赤くなったりはしないのですが、時々かぶれるという方がいます。どちらの場合も処方時に医師からの説明をよく聞き、何かあった場合には、すぐに医師に相談してください。

ピーリングで肌のターンオーバーを促す

ターンオーバーが乱れるなどが原因で、メラニン色素が排出されずにとどまっている肌に、ピーリングを行うと、ターンオーバーを適切に刺激することによってメラニン色素を排出するスピードがアップすることになります。シミの原因である古い角質を剥離する事で角質に沈着したメラニンを取り除きます。

市販のピーリング剤としては、ピーリング石鹸をはじめ、ジェル、ローションなどがあり、自宅でも行うことができます。またクリニックで行う場合は、特殊な薬品を使用するケミカルピーリング、レーザーを使用するものなど数種類のピーリング方法があります。

ケミカルピーリングの剥離深度は、4段階に分類され、必要な肌の深さによってその段階を選ぶようになっています。日本人のシミ治療であれば、レベル1の最浅層ピールで行うことがほとんどです。


図4 ビーリングの剥離深度

クリニックで処方される美白のための内服薬

シミ治療は、内からと外から両方のアプローチが必要です。外用薬を塗布するのと同時に、内服薬の服用によって、より早い改善が期待できます。

ビタミンC
(シナール)
ビタミンEとの相乗効果が高く、抗酸化作用がある。
トラネキサム酸
(トランサミン)
抗プラスミン作用(プラスミンがシミを作る指令を伝える経路をブロック)がある。
ビタミンE
(ユベラ)
ビタミンCとの相乗効果が高く、抗酸化作用がある
L-システイン
(ハイチオール)
ビタミンCとの相乗効果が高く、メラニン形成をブロック、ターンオーバーを亢進する。

市販薬のトランシーノには、シナールとトランサミンが入っています。

美容医療でのシミ治療

美白化粧品での日頃のケア、クリニック処方の外用剤や内服薬で治療を行っても、なかなか改善がみられない場合、美容医療の力を借りるというのも一案です。

レーザーや医療用パルスライトでのシミ治療

レーザーや医療用パルスライトをシミの部分に照射すると、その光がメラニン色素に吸収されて熱が発生します。この熱がメラニン、つまりシミを破壊します。破壊されたシミのメラニンは、皮膚の中で老廃物として排出されます。高出力で部分的に照射すると、シミの部分が1週間程度薄いかさぶたになります。これが自然に剥がれ落ちると、シミが薄くなった新しいお肌が現れます。同時にクリニックが処方するハイドロキノンとレチノイン酸を塗ることで、シミの再発を予防します。

美白化粧品も高機能化していますし、クリニックで扱う技術も日々進歩しています。それでもシミ治療は、長期戦。シミは予防するのが一番であることを覚えておいてください。

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