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乳児湿疹の原因と正しいケア方法|湿疹のタイプ別に見る赤ちゃんへの対処法

更新日:2018.04.24
公開日:2013.06.01
ドクター画像
この記事の監修者
千春皮フ科クリニック 院長 渡邊千春

乳児湿疹にはさまざまな種類・原因・症状があり、それぞれケア方法が異なります。ここでは、ドクター監修のもと、乳児湿疹の種類や症状、正しいケア方法について詳しく解説しています。

生後間もない乳児が泣いている

大人と比べると薄くバリア機能も弱い赤ちゃんの肌は、さまざまな肌トラブルが起こりやすい状態です。中でも、乳児湿疹あるいは乳児アトピーと呼ばれる湿疹にも、さまざまな種類・原因があり、多くの赤ちゃんが一度は経験します。

乳児湿疹はいつから?いつまで?

乳児の湿疹には、

  • 新生児ニキビ
  • おむつかぶれ
  • あせも
  • 乳児脂漏性湿疹
  • アトピー性皮膚炎
  • 食物アレルギー

などによる湿疹などがあります。生後2週間頃から現れやすくなりますが、多くの場合、1~2歳までには自然治癒します。

タイプ別で見る乳児湿疹の正しいケア方法

乳児に現れる湿疹にはさまざまなタイプがあり、症状からみて素人が判断するのは難しいため、少し様子を見ても改善しない、悪化するという場合は、医師に相談するのが賢明でしょう。ここでは、代表的な乳児湿疹の原因や正しいケア方法について見てみましょう。

白いぶつぶつが頬やあごなどに出る新生児ニキビ

特徴:生後3か月までには治ることが多い

生後1~2か月の間に、頬や前額、あごに

  • 面皰(めんぽう)
  • 丘疹(きゅうしん)
  • 膿胞(のうほう)

を生じます。面皰とは、ニキビの初期症状として現れ始める、白もしくは肌色の小さなぽつぽつです。適切なケアをすることで、生後3か月くらいまでには治ることが多いようです。

原因:皮脂分泌が多い新生児は皮脂がまたりやすい

母親からの性ホルモンの影響で、皮脂の過剰分泌、皮膚表面がぶつぶつとした「毛孔部角化症」が生じます。多くは放置していても2~3か月で自然に軽減しますが、皮脂分泌が多い新生児では、皮脂が毛穴に溜まりやくなり、新生児ニキビができる主な原因と考えられます。また、外部からの刺激や、赤ちゃん自身がかきむしったりすることで症状を悪化させてしまうケースもあります。

ケア方法:入浴時に余分な皮脂を落す

毎日の入浴時に、顔もしっかり洗い肌を清潔に保ちましょう。洗顔に関しては、赤ちゃん用の石けんや赤ちゃん用のボディソープの泡をたっぷりつけて、やさしく洗います。すすぎではお湯を含ませたガーゼでやさしく拭いて、余計な皮脂をしっかり落としましょう。ただし、肌をこすってしまうと傷つけてしまうので注意してください。

※新生児ニキビについて、『赤ちゃんにできる「新生児ニキビ」原因とケア方法』をご覧ください。

赤く腫れたりじくじくした湿疹が出る乳児脂漏性湿疹

特徴:皮脂腺の多い顔や耳の周りにできやすい

生後2~3か月頃までに、新生児ニキビと並んでもっとも多く見られます。皮脂線の多い顔面や頭部、耳の周りなどにできやすく、赤く腫れあがったり、じくじくしたものやかさぶた状のものなど、さまざまな湿疹が生じます。

原因:皮脂が毛穴に溜まって炎症を起こす

性ホルモンの影響により、過剰分泌された皮脂が肌表面や毛穴に溜まってしまうことが多く、これが主な原因と考えられます。他にも、外部からの刺激や汚れによって炎症を起こす場合や、赤ちゃんが触ったりひっかいたりすることで悪化することもあります。

ケア方法:シャンプーなどは刺激の少ないものを

入浴時にしっかり洗い肌を清潔に保ちましょう。かさぶたのようなものがへばりついて取れにくい場合は、入浴前にベビーオイルやオリーブオイルなどで患部をふやかしておくと、取れやすくなります。シャンプーやボディソープは刺激の少ないものを使い、泡立ててしっかり洗いましょう。その際、ゴシゴシ洗うのは控えましょう。

また、赤ちゃん自身が爪で患部を傷つけないよう、爪は丸く切りそろえ、掻きむしらないよう注意します。特に、肌に触れるものはこまめに交換し、清潔を保つ工夫をしてください。

※乳児脂漏性湿疹について、『乳児の「脂漏性湿疹」の原因とケア方法』をご覧ください。

ねんね期の赤ちゃんに多いあせも(汗疹)

特徴:首の周りや背中にあらわれかゆみをともなう

あせもは、新生児から生後2か月くらいまでのねんね期の赤ちゃんに見られることが多いようです。首の周りや背中など蒸れやすい部分にあせもができやすく、かゆみをともないます。場合によっては、爪でひっかいたときに黄色ブドウ球菌などに感染してしまい、膿がでてくるとびひの状態に悪化することもあります。

原因:赤ちゃんは体温が高く汗をかきやすい

赤ちゃんは大人と比べ、体温が高く、汗をかきやすい状態にあります。また、汗腺が未発達なため体温調節がしにくく、首周りや背中など蒸れやすい部分を中心にあせもができやすくなります。

ケア方法:汗をかいたらこまめに着替えを

毎日の入浴でキレイにすることと、汗をかいていたらこまめに着替えさせましょう。赤ちゃんの体温は大人より高めのため、厚着には注意しましょう。赤ちゃんが寝ているときは、布団をかけすぎていないか、寝起きには汗をぐっしょりかいていないか、こまめにチェックして清潔に保つようにしましょう。

※赤ちゃんのあせもについて、『乳児の「あせも(汗疹)」の原因とケア方法』をご覧ください。

顔や頭部などにかゆみが続くアトピー性皮膚炎

特徴:身体に広がりを見せて何か月も続く

顔面や頭部などにかゆみが続く赤い湿疹ができます。乳児脂漏性湿疹と症状が似ていますが、何度もくりかえすことが多いようです。首まわりやひざ裏など、他の部位に広がりを見せ、何か月も続くのが症状の特徴です。

原因:遺伝的にアトピー体質がある

赤ちゃんが、遺伝的にかゆみを起こしやすいとされるアトピー素因(体質)を持っていることが考えられます。アトピー素因とは、以下のようなものがあります。

  • 家族歴・既往歴(気管支喘息・アレルギー性鼻炎・結膜炎・アトピー性皮膚炎のうちいずれか、あるいは複数の疾患)
  • IgE抗体を産生しやすい素因をもった状態

これらを基礎として後天的にさまざまな刺激因子が作用して慢性の湿疹・皮膚炎を起します。

ケア方法:病院を受診する

アトピー性皮膚炎は皮膚科での治療や経過観察が必要です。アレルゲンが特定できない限りは、刺激を加えないように心がけ、常に清潔に保つケアをしましょう。日々の生活環境をふりかえり、どんなときにアトピーの症状が現れるのかを考え、悪化する原因を未然に防ぐことが大切です。病院でアレルギー検査を受けてアレルゲンが分かるケースもあります。

食物アレルギーによる湿疹

特徴:アレルゲンとなる食べ物でかゆみや発疹が出る

アレルゲンとなる食べ物を口にすることで現れる湿疹で、症状としては、皮膚のかゆみや、全身に赤い発疹ができることがあります。また、呼吸困難や下痢などの症状を引き起こす可能性もあります。赤ちゃんは大人に比べ、アレルゲンに対するバリア機能が弱いため、口にする食べ物については注意する必要があります。

原因:卵や牛乳、小麦などで多く見られる

何がアレルゲンとなるのかは個人差があります。牛乳や卵、小麦などの乳製品に比較的多く見られる傾向にあるようです。

ケア方法:アレルゲンを特定し、1歳まではその食べ物を控える

離乳食は生後5〜6か月くらいから赤ちゃんに食べさせるのがよいとされています。特定の食品を食べさせた後に皮膚のかゆみなどが出る場合は、小児科で相談してみましょう。

アレルゲンとなる食物が判明したら、消化器官が発達する1歳を過ぎるまでは、アレルゲンとなる食べ物を控えたほうがいいでしょう。ただし、原因食物でも症状が誘発されない「食べられる範囲」までは食べることができます。加熱・調理により症状なく食べられるものは除去せずに食べることで、耐性が獲得され、食物アレルギーの治癒につながります。しかし、予期せぬアレルギー反応を引き起こす可能性もあるため、必ず医師に相談してから行いましょう。

※湿疹や皮膚炎について、『湿疹・皮膚炎の種類』をご参照ください。

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