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乾燥肌の化粧品の選び方(6)クリーム・オイル

更新日:2017.09.14
公開日:2013.12.12
ドクター画像
この記事の監修者
広尾プライム皮膚科 医師 吉澤智子

お肌の水分保持力が低下している乾燥肌にとって、化粧品の中でもクリームやオイル選びは重要です。「いくら保湿しても乾燥する」というのは、化粧品の選び方が間違っている可能性大。ここでは、ドクター監修の記事で、乾燥肌にとって正しいクリームやオイルの選び方を詳しく解説します。

スキンケアクリーム・オイルの役割

以前は、保湿といえば「化粧水で水分を与え、乳液やクリーム、オイルでフタ」という考え方が一般的でしたが、現在は「保湿成分を届ける」のが保湿です。

この観点から見た場合、クリームやオイルは、以下のような役割を担うことになります。

保湿成分入りの化粧水や美容液、乳液でしっかり保湿している場合

お肌の水分を保つ役割は、角質層に存在する細胞間脂質(セラミドなど)が80%NMF(天然保湿成分)が18%皮脂が2%程度を担っています。

化粧水や美容液、乳液で、必要な保湿成分をしっかりお肌に補っている場合、特に必要がなければ、クリームやオイルをつける必要はありません。

もし美容液や乳液で油分が少ないものを選んでいる場合は、必要に応じて皮脂の代替としてクリームやオイルをつけましょう。

化粧水や美容液、乳液は保湿目的ではないものを選んだ場合

化粧水や美容液、乳液を、美白など保湿以外の目的で選んだり、保湿でも水性の成分のみを補っている場合は、クリームやオイルで細胞間脂質や皮脂膜の役割を果たす成分を補うことをおすすめします。

上述の通り、お肌の保湿能力は、80%が細胞間脂質が担っており、皮脂は2%程度なので、乾燥が気になる場合は細胞間脂質の成分を補うようにしましょう。

細胞間脂質を補う成分入りクリーム・オイルの選び方

細胞間脂質の役割を担う保湿成分は、以下のような「水分を層の間にはさみ込む」タイプの成分です。

  • セラミド:細胞間脂質の40%を占める成分。保湿力が特に高く、乾燥がひどい場合はぜひ選びたい成分。
  • スフィンゴ脂質(スフィンゴリピッド)/ステアリン酸コレステロール/ステアリン酸コレステロール:セラミド以外の細胞間脂質の一種。セラミドより保湿力は弱いが、角質層内のその他の脂質との親和性が高い。
  • 水素添加大豆レシチン:大豆から抽出されるレシチンに、酸化防止のため水素を添加したもの。水素添加レシチンは水素添加していないレシチンの持つ特性を損なうことなく安定化されている。
  • リピジュア®:細胞膜を構成するリン酸脂質「ホスファチジルコリン」を研究して開発された保湿成分。洗い流しても保湿能力を発揮し、その保湿力はヒアルロン酸の約2倍と言われている。

セラミド入りクリームの選び方

「水分を層の間にはさみ込む」タイプの保湿成分の中でも、特にセラミドは高い保湿力があります。

セラミドは単体でお肌に塗っても角質層には上手く浸透しないため、乳液やクリーム状の化粧品が適しています。

乾燥肌の化粧品の選び方(4)美容液』や『乾燥肌の化粧品の選び方(5)乳液』にも記載していますが、セラミド配合クリームを選ぶ場合は、以下のような点に注意して選びましょう。

「ヒト型セラミド(バイオセラミド)」が配合されている

人間の角質層にあるセラミドと同じ化学構造を持つセラミドが「ヒト型セラミド(バイオセラミド)」です。酵母を利用して生成したもので、保湿力が高く、刺激が少ないのが特徴です。

化粧品の表示成分としては、「セラミド2」「セラミド3」のように、「セラミド」の後に番号がついた形で表示されています。

他にも、疑似セラミド(石油原料から化学合成したもの)や植物性セラミド(米ぬか油、小麦胚芽油などから抽出した植物由来のセラミド)を配合した化粧品も多くなっていますが、保湿力はヒト型セラミドに劣りますので、注意が必要です。

セラミド配合量

セラミドは比較的高価な成分のため、極端に安いものは微量しか含まれていない可能性があります。それなりの価格のもので、できるだけ配合量が明記されているものを選びましょう。配合量の記載がなければ、メーカーに問い合わせるのが確実です。

セラミド配合の化粧水や美容液について知りたい方は、「セラミド配合化粧水の正しい選び方・使い方」や「セラミド配合美容液の正しい選び方・使い方」をご覧ください。また、セラミドが皮膚内で果たす役割の詳細については、「セラミドの皮膚内での役割」をご参照ください。

皮脂膜の役割をするクリームやオイルの選び方

美容液や乳液で油分が入っているタイプのものを選んでいれば、特に皮脂膜の役割をするクリームやオイルを塗る必要はありません。

しかし、特に乾燥している箇所がある場合は、以下のような成分の「フタ」でお肌をカバーしましょう。

ワセリン

ワセリンは刺激がほぼなく、また角質層にほとんど浸透せず、角質層の上から皮膚をしっかりカバーしてくれます。

誰でも安心して使えるため、皮膚科の乾燥肌治療でも使われます。

乾燥がひどく、またお肌が敏感になっているようであれば、ワセリンで表面をカバーしてあげるとよいでしょう。

その他のオイル

私たちのお肌の表面を覆う皮脂膜は、汗と皮脂が混じり合ってできており、単なる油分ではありません。

オイルをつける場合は、皮脂に近い成分のものを選び、必要最低限の量をつけるようにしましょう。

乾燥肌の保湿クリーム・オイル選びの注意点

『乾燥肌の原因とは』に記載した通り、乾燥肌の最大の原因は、保湿不足ではなく、間違ったスキンケアによる「こすりすぎ」と「あらいすぎ」です。

また、食事や生活習慣など、あらゆる可能性が考えられます。

保湿力の強い化粧品をいくら使っても、上述のような問題があれば、お肌自体が乾燥しにくい健康な状態にはなりません。

保湿クリームやオイルのみに頼るのではなく、スキンケア(特にクレンジングと洗顔)や生活習慣を見直すようにしましょう。

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