便秘の原因(2)運動不足

更新日:2016/12/09

便秘の原因

運動は、腹筋強化だけではなく、消化器官をコントロールする自律神経を整える点でも便秘に大変効果があります。ここではドクター監修の記事で、運動が腸に与える影響や、運動と便秘の関連性などについて詳しく解説します。

川端愛子先生

この記事の監修ドクター

ララクリニック
川端愛子先生

運動不足は便秘に直結する

健康な心身を維持するためには、適度な運動が欠かせません。当然、便秘対策についても同様です。運動不足は便秘の大きな原因となります。

それではなぜ、運動不足が便秘に繋がるのでしょうか。

(1)腹筋が衰えると腸の蠕動(ぜんどう)運動を促進できない

運動不足による体への影響として一番に挙げられるのは、筋力の低下です。長期入院などで使う機会が減少していると、筋肉というものはあっさりと衰えてしまいます。

排便は赤ちゃんの頃から無意識に行ってきているものですし、自然に起こる現象です。そのため、あまり自覚していない人もいるかもしれませんが、排便のためにいきむ際、私たちは腹筋を使っています。

腹筋を使っていきむことで腹圧が上がり、大腸が刺激されます。そうすると蠕動(ぜんどう)運動が促進され、便が腸から肛門へと押し出されます。

また、普段の生活でも、腹筋など腸周りの筋肉を使うことで腸が刺激され、動きが活発になります。

腹筋が衰えると、このメカニズムが機能しなくなってしまい、腸の動きが鈍るため、便秘に繋がるのです。

(2)運動にはストレス解消や自律神経のバランスを整える効果がある

また、運動には精神の安定を図ったり、体のリズムを整えたりする効果があります。具体的には、胃腸の働きに大きな影響を与える副交感神経を活発にし、胃腸の動きを正常に保つのに役立ちます。

ハードな運動よりもウォーキングのような軽い運動の方が副交感神経を高めるので、便秘解消にはこういった穏やかな運動がおすすめです。

排泄は健康維持のベースともいうべき重要な生理機能ですから、心身のバランスが乱れていると排泄に影響が出るのは当然です。そして、便秘になることでまた心身のバランスが乱れるという悪循環にも陥りがちです。

運動不足と弛緩性(しかんせい)便秘

運動不足によって引き起こされやすいのは弛緩性(しかんせい)便秘と呼ばれるタイプの便秘です。

弛緩性(しかんせい)便秘は、いくつもある便秘の種類の中でも、最も一般的な便秘の種類です。「便秘」と呼ばれている現象の大半は、この弛緩性(しかんせい)便秘のことを指しています。

弛緩性(しかんせい)便秘の主な原因は、大腸が不活発になり、蠕動(ぜんどう)運動が正常に行われないことです。

上述の通り、蠕動(ぜんどう)運動を活発にするには、腹筋や副交感神経の働きが必要です。そのため、運動不足で腹筋が衰えたり、副交感神経の活性化が不十分だと、便秘になりやすくなります。

便秘が、寝たきりの生活を送る人や入院中の人のような、運動をしたくてもできない状況にある人に多いことも頷けるでしょう。

女性の場合は、ただでさえ男性に比べて筋肉の量が少なくなっています。その上運動不足まで重なっては、便を押し出すのはなおさら困難となります。

弛緩性(しかんせい)便秘の詳細は、『弛緩性便秘とその症状とは』ではより詳しく解説しています。

運動不足と痙攣性便秘

痙攣性便秘も運動不足の影響が出る可能性があります。

痙攣性便秘というのは、自律神経の乱れによって大腸の機能が正常に働かなくなり、引き起こされる便秘です。

運動不足は、上述の通り自律神経に不調を及ぼし、副交感神経の活性化を妨げます。

痙攣性便秘の場合は、市販の便秘薬や食物繊維の摂取などの対策が逆効果になることが多いので、運動をはじめとした、その他の解決策が重要です。

自律神経のコントロールが難しいのは、過度な運動をしてしまうと逆効果だという点でしょう。適度に、汗をじんわりとかく程度の運動を日常的に繰り返す必要があります。

また、運動はストレス解消にも繋がります。自律神経はストレスとも密接に関係しているため、この点からも便秘解消に効果があるといえます。

※痙攣性便秘秘の詳細は、『痙攣性便秘とその症状とは』ではより詳しく解説しています。

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