やけどは初めの適切な応急処置が肝心

更新日:2017/10/26 公開日:2014/04/30

物理・化学的皮膚障害

熱湯や炎に触れてしまいやけどをすると、本人だけでなく周囲の方も慌ててしまいがちです。しかし、やけどは初めの適切な応急処置が肝心です。やけどの症状や特徴、適切な応急処置の方法について、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

やけど(熱傷)の種類

やけど(熱傷:ねっしょう)の原因は、さまざまなものがあります。一般的には、熱湯や油、炎に触れることによって起こります。ほかにも、カイロやホットカーペットなどの比較的低温のものであっても、長時間触れることで、低温熱傷と呼ばれるやけどが起こります。また、職業の関係などで化学薬品を使う人では、酸やアルカリなどに触れてやけどが起こることもあります。これは、化学熱傷と呼ばれています。さらに、電流によるやけど、放射線を浴びた時に生じるやけどなども存在しています[1]。

やけどの深さ

やけどは、皮膚に達している深さで分類されています。

1度熱傷

やけどの影響が皮膚の表面にとどまる、軽度なやけどです。表皮がヒリヒリして赤くなります。日焼けによって、肌の表面がひりひりと痛むようなケースも当てはまります。ほとんどの場合は自然治癒し、跡も残りません。色素沈着もありません。

浅達性2度熱傷

「せんたつせいにどねっしょう」と呼びます。皮膚の表面の下にある、真皮の浅い層まで影響が及んだやけどです。強い痛みがあり、赤く腫れ、水ぶくれが生じます。ほとんどの場合は、かさぶたになって、治っていきます。

深達性2度熱傷

「しんたつせいにどねっしょう」と呼び、真皮深層まで損傷が及んだ状態です。浅達性同様に赤く腫れ、水ぶくれができて、皮膚がはがれて潰瘍になります。水ぶくれの下の皮膚が白く変色していきます。やけど跡が残りやすいのが特徴です。

3度熱傷

皮下脂肪まで影響が及んだやけどです。皮膚全ての層に損傷が及びます。感覚が失われるため痛みは感じません。水ぶくれもできず肌の表面が壊滅しています。やけど跡がハッキリ残り、赤く盛り上がってしまうこともあります。さらに機能障害もともないます[2][3][4]。

適切な応急処置の方法

どんなケースでも熱源を絶ち、冷やすことが重要です。火災のようなケースで服に火が残っている場合は火を消します。立つのではなく、転がって消火します。転がることで、熱を発散させられるからです[5]。

痛みが治まるよう冷やし続け、自己判断で軟膏や消毒薬を使用しないようにします。その後の治療に障害が出てしまう可能性があるためです[4]。

一般的には、医療機関では、初めの7日~10日の間は毎日受診するよう勧められています。1度や2度の程度の軽いものは、その後2~3日ごとの診察を受けることになります。2度で程度の重いものや3度の場合には入院をして、1~2カ月以上の入院と外来通院が必要になる場合もあります[4]。やけどの程度によっても変わるため、それぞれ医療機関で確認します。

やけどが軽傷の場合

やけどの範囲が狭いときには、ただちに冷たい水で冷やすことが大切です。水道水などの流水や洗面器に貯めた冷水に患部を当てて、痛みがなくなるまで冷やします。最低でも15分から30分は冷やし、指先や脚のやけどの場合は1時間くらいにするのが好ましいと考えられています[4]。もしも衣服の下をやけどした場合は無理に脱がさず、衣服の上からそのまま冷やすことが大切です。皮膚が衣服に貼りついていることがあるためです。患部が腫れることがあるので、腕時計やアクセサリーを着けていたら、すぐに外しましょう。

やけどの範囲が狭く、しかも浅い場合には外来通院による治療となります。目安とされるのは、2度熱傷で体の体表面積の15%未満、3度熱傷で体の面積の2%未満です。

やけどが中等度の場合

やけどの範囲が広く、しかも深い倍には入院による治療となる場合もあります。目安とされるのは、2度熱傷で体の体表面積の15%~30%、3度熱傷で体の面積の2%~10%。顔や手、股を含まない場合です。

やけどの範囲が広い場合

体の表面にしめるやけどの面積が広い場合には、浴室のシャワーで冷やします。流水をかけながら、5分から30分の間で、低体温にならないように気をつけて冷やします。意識障害や不整脈のような体調にも気を配るようにします。このときには、救急センターでの集中治療が必要となることもあるので、119番で救急車を呼ぶことも考えます。

目安とされているのは、体表面の30%以上が2度以上の熱傷、あるいは10%以上が3度以上の熱傷場合、顔や手、股などの特殊な場所の熱傷、気道熱傷、化学熱傷、電気による電撃症の場合です[5]。

参考文献

  1. [1]デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル 2016; 166e
  2. [2]MedlinePlus. "Burns" NIH. https://medlineplus.gov/burns.html (参照2017-10-16)
  3. [3]DermNet NZ. "Thermal burns" New Zealand Dermatological Society. https://www.dermnetnz.org/topics/thermal-burns (参照2017-10-16)
  4. [4]熱傷(やけど)に関する簡単な知識. "概略と応急処置" 日本熱傷学会. http://www.jsbi-burn.org/ippan/chishiki/outline.html (参照2017-10-16)
  5. [5]皮膚Q&A. "やけど" 日本皮膚科学会. https://www.dermatol.or.jp/qa/qa8/q05.html (参照2017-10-16)

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