口内炎の原因と治し方・予防法

更新日:2017/05/29 公開日:2014/04/30

口内炎の治し方・治療方法

口内炎はただ痛いだけではなく、憂鬱な気分にさせると共に食欲不振、味覚が鈍くなるなど、あらゆる症状が現れ精神的にも苦しいものです。この記事では口内炎が起きる原因や、未然に防ぐ方法、発症時の対処法をドクター監修のもと解説します。

青山芳博先生

この記事の監修ドクター

歯科室 青山 院長
青山芳博先生

口内炎

口内炎とは

口内炎とは、口腔内の粘膜に病変がおこり、炎症をともなっている状態のことをいいます。口の中が赤くなったり、熱を帯びたり、腫れたり、痛みが出たりします。軽い口内炎はごく一般的なものです。痛みをともなう場合も多く、食事や歯磨きなどで患部に刺激が与えられると、さらに強い痛みを感じます。

口内炎が起きる原因

ひとことで口腔炎といっても原因はさまざまです。口の中に起きた感染やできもの、かぶれといった一般的なものから、自己免疫疾患や遺伝などのまれなものまで考えられます[1]。傷や栄養不足、精神的なストレスの他に、義歯や金属冠による口腔内への刺激や食事から受ける刺激などが発生リスクを高める場合があります。中でも身近な原因について見てみましょう。

口腔内の傷からの発症

歯で思わず噛んでしまったり、虫歯や歯が欠けて鋭利となった箇所が口腔内に傷を作ったり、煎餅や天ぷらの衣など硬い物を食べることで口腔内の粘膜が傷つき炎症を起こすなど、多くの要因があります。

栄養不足からの発症

食生活の偏りが主な原因ですが、そのなかでもビタミンB群(ビタミンB 8種類)の不足が大きな要因となります。

ストレスからの発症

過労や精神的ストレスが原因となる場合があります。

病気の部分症状としての発症

胃腸障害の部分症状として発症したり、女性では妊娠や月経の異常にともなう内分泌異常が要因となって発症したりすることがあります。

口内炎の粘膜の状態による種類

口内炎と総称して呼ぶことが多いですが、粘膜の状態によって、種類が分かれています。

カタル性口内炎

口内炎の中でも、ごく軽度な症状として現れます。痛みはそれほど強くないものの、粘膜が赤く腫れ熱く感じ、口腔内の所々に赤い斑点を発生させるのが特徴です。唾液の分泌量の減少や水分不足が原因で細菌が繁殖し、発症します。すっぱいものや刺激の強い飲食物を口に含むと、しみるように痛むことも少なくありません。

義歯や金属冠などの口腔内刺激によって起こることもあります。

アフタ性口内炎

口腔粘膜に、アフタと呼ばれる白い米粒大の潰瘍性病変が発症するものです。病変は5~6mm以下で、多数できる場合もあります。病変の縁にはっきりとした赤い輪をともなっており、触れると痛みます。

潰瘍性口内炎

口腔内のいろいろな部位に潰瘍が生じるもので、強い痛みをともないます。会話や食事が苦痛になり、時として発熱するのが特徴です。

壊疽性口内炎

口腔内の組織を腐敗させてしまうおそろしい口内炎で、もっとも注意が必要です。まれに肺炎や麻疹など身体の免疫力が低い時にも発症するといわれています。

栄養状態と衛生状態が極端に悪い発展途上地域に見られる病気のため、日本では発症・治療のケースが少ないのが現状です。

感染症のほか原因による口内炎の違い

ウイルス性口内炎

手足口病や帯状疱疹ウイルスにかかることで、口腔内に潰瘍や水疱が発生します。

単純ヘルペスウイルス性のものは、ヘルペス性口内炎と呼ばれることもあります。子どもに多く発症し、病変が白くなり発熱や痛みが発生します。

カンジダ性口内炎

カンジダというカビが原因となる口内炎です。カンジダは口腔内の常在菌のひとつですが、口腔粘膜の抵抗力が低下していると増殖し、口腔内に病変が発症します。

口腔粘膜の表面に乳白色の膜が形成され、外的刺激によって膜がはがれると、その下の粘膜面が現れます。粘膜面は赤くなってざらざらしており、食事のときにしみることがあります。

アレルギー性口内炎

アレルギー反応として、口腔内に境界がはっきりした鮮やかな紅斑ができるものです。多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)の病状のひとつとして発症する場合があります。

ニコチン性口内炎

長期間、タバコを吸う人に発症しやすいとされている口内炎です。口腔内粘膜や舌に白い斑点ができたり、小唾液腺(しょうだえきせん)が赤く腫れたりします。

自覚症状がない場合が多いですが、食事のときに患部がしみるように痛むことがあります。

口内炎の治療法

口内炎治療では多くの場合、うがいを頻繁に行い、口腔内を清潔に保つようにします。そのほか原因によって異なるアプローチをとっていきます。その一部をご紹介します。

義歯や金属冠が原因となっているカタル性口内炎

義歯や金属冠が原因となっている場合は、刺激を取り除きます。

アレルギー性口内炎

アレルギー反応として口内炎が発症しているので、原因(ウイルス、最近、薬物など)を取り除く治療を行います。

患部のかゆみが強いときは、副腎皮質ホルモン軟膏を塗布したり、重症の場合はステロイド剤を服用したりします。

ニコチン性口内炎

喫煙が原因となっているので、禁煙またはタバコの本数を減らすことで数週間~数ヶ月で改善するとされています。

口内炎の予防法

口内炎は身体の不調を伝える重要なシグナルです。気づいてあげることも重要な対処法となります。

(1)生活習慣の改善

過労や過度なストレスを溜め続けていると、栄養の消費も激しく吸収も難しくなります。バランスの摂れた食事と十分な睡眠は口内炎から身を守ります。

食事だけでは十分な栄養を摂取できない場合は、ビタミンBやCの入ったサプリメントを服用して補うとよいでしょう。また刺激物となる喫煙やアルコールも控えることで、治癒を促進します。

(2)細菌の繁殖を防ぐ

口腔内には常に多くの細菌が棲んでいます。歯磨きをしっかり行い、手洗いやうがいを怠らないことで細菌の繁殖を未然に防ぎ、口内炎の発症リスクを抑えられます。

しかし口内炎があると、歯を磨くことが困難になります。そのようなときは口内炎付近の歯磨きは避け、入念にうがいをしましょう。

参考文献

  1. [1]デニス・L・カスパーほか編 福井次矢ほか監修. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル 2017

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