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アトピー肌の化粧品選び(2)石鹸

更新日:2018.05.28
公開日:2014.05.01
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この記事の監修者
有川スキンクリニック 院長 有川順子

ドクター監修の記事で、アトピー肌の洗顔剤や石鹸の選び方を詳しく説明します。敏感肌やアトピー性皮膚炎の皮膚に適している洗顔剤といえば、一般的には純石鹸が良いように言われていますが、必ずしも良いとはいえません。

アトピー肌に適した洗顔剤とは?

一般的によく知られているように、健全な肌は弱酸性のため、肌のph(ペーハー)に近い中性や弱酸性の洗顔剤が数多く売られています。しかし、中性や弱酸性の洗顔料であっても、合成界面活性剤が含まれたものが刺激になり、アトピーを悪化させることがあります。

アトピー肌の方にとっての洗顔料選びは、洗い上がりの使用感ではなく、アトピー性皮膚炎の症状や、角質層に与える影響を重視して選ぶことが必要です。それでは、アトピー肌の方が具体的にどのような洗顔料を選ぶべきか、ポイントを説明します。

あらゆる刺激物が症状悪化の引きがねに…

アトピー性皮膚炎の人は、皮膚のバリア機能が低下している状態なので、あらゆる刺激物が症状を悪化させる原因になります。主な刺激物とは、石鹸、洗剤、化粧品などに含まれる化学成分、添加物、乾燥、汗やアカ、汚れなどです。

また、疲れや緊張、悩みなどのストレスもアトピー性皮膚炎悪化の要因として考えられます。受験から解放されたと同時に症状が改善されたり、環境が変わることによる変化も見られます。逆に新しい環境による緊張が、アトピー性皮膚炎の再発を引き起こす場合もあるようです。

アトピー肌のおすすめの石鹸とは

石鹸の主成分は、「脂肪酸ナトリウム」や「脂肪酸カリウム」。脂肪酸ナトリウムなら固形、脂肪酸カリウムは液体石鹸となります。

無添加の石鹸にも色々と種類がありますが、アトピー肌のおすすめなのは、「コールドプロセス」という製法で作られた固形の石鹸です。

石鹸にこだわっている方であればご存知かと思いますが、石鹸の作り方には、石鹸の材料を高温で加熱して作る「ホットプロセス」と、低温で作る「コールドプロセス」があります。

コールドプロセスで作られた石鹸はホットプロセス製法では、抜けてしまうグリセリンなどの保湿成分を含み、洗浄力がマイルドなので、過度に皮脂やうるおいを奪ってしまうことがありません。

天然素材由来配合といっても、かつて問題になった加水分解コムギなど、食物由来の配合物はそれ自体がアレルゲンとなり、経皮的に感作される可能性があり、すべてが安全とは言えず、注意が必要です。

石鹸の使い方と入浴時の注意点

身体を洗うとき、「何を使うか」と同時に、「どのように使うか」もとても重要です。

いくら肌に負担の少ないコールド製法の無添加石鹸を使っても、ゴシゴシこすったり、熱めのお湯で洗い流すなどして角質層にダメージを与えては意味がありません。入浴の方法を間違えると、肌のバリア機能や水分保持力が低下し、乾燥やかゆみの原因となります。

次のような点に注意し、適切に身体を洗うようにしましょう。

  • 石鹸はしっかりと泡立てる
  • 手の平で優しく、泡を肌に乗せて転がすように洗う
  • お風呂やシャワーのお湯はぬるめに設定する
  • 顔や身体を拭く時は、やわらかいタオルで軽く押さえるようにする
  • お風呂から上がったら、すぐに保湿ケアをする

肌に負担の少ない石鹸を使い、優しく洗うことはとても重要ですが、汚れや汗、酸化した皮脂や保湿剤などが肌に残っていると、アトピー性皮膚炎を悪化させます。肌の状態を日々チェックし、適度な洗い方で顔や身体を清潔にし、きちんと保湿するようにしてください。

アトピー肌のボディソープ選び

一般的に市販されているボディソープの洗浄成分は、合成界面活性剤が使われているケースが多く、他にも香料や防腐剤などの添加物が含まれています。アトピー性皮膚炎の肌は、このようなボディソープを使用しても大丈夫なのでしょうか。

アトピー肌に適したボディソープとは

アトピー性皮膚炎を発症している肌は、角質層のバリア機能が低下していて非常にデリケートな状態です。そのため、一般的なボディソープだと、界面活性剤や添加物が刺激となり、アトピー性皮膚炎を悪化させる可能性があります。

アトピー肌の方は、肌に刺激となる可能性のある成分を含まない、無添加、無着色、無香料のボディソープを選ぶ必要があります。

ただし、ボトルのラベルやパッケージに無添加と表記されていても、市販のものは旧表示指定成分が添加されていないだけということもあるため注意が必要です。

そこでおすすめなのは、顔の洗顔時と同じく、無添加石鹸です。

過度な洗浄力は乾燥肌を招く

ただし、純石鹸は洗浄力が強く、肌のうるおいを保つうえで必要な皮脂や角質層の細胞間脂質(セラミドなど)までをも洗い流してしまう場合があります。

石鹸の洗浄力や泡立ちは、原料となる油脂や製法によって異なります。「純石鹸なら添加物が入っていないから安心」と思わず、自分に合った洗浄力の石鹸を選ばなければいけません。アトピー肌には、洗浄力がマイルドになるように工夫されている石鹸がおすすめです。

「低刺激」や「ベビー用」、「赤ちゃんにも使える」とパッケージに書いてある石鹸でも、実際は刺激が強いことがよくあります。購入したらまずは試しに手や首すじ、腕の内側を洗ってみて、洗いあがりがカサカサしないかを確認しましょう。これがもっとも簡単に低刺激の石鹸を見極める方法です。

以上がアトピー肌の方が洗顔料を選ぶ際のポイントです。これらを踏まえたうえで、肌質やアトピーの状態に合った石鹸を選ぶようにしましょう。

また、正しく石鹸を選んでいても、使い方を間違えてしまうとアトピーを悪化させてしまうことがあります『アトピー肌の正しいクレンジング・洗顔方法』を参考に、正しくクレンジングや洗顔をするようにしてください。

りんく

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