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アトピー肌の化粧品選び(9)日焼け止め

更新日:2016.12.09
公開日:2014.05.01
ドクター画像
この記事の監修者
赤坂ビューティークリニック 院長 青山秀和

ドクター監修の記事で、アトピー肌の日焼け止め選びについて解説します。紫外線カットはアトピー肌に大変重要なこと。しかし、日焼け止めが刺激となり、アトピーを悪化させてしまうことがあるので注意が必要です。

紫外線はアトピー性皮膚炎の悪化因子

アトピー肌でなくとも、紫外線は皮膚に大きなダメージを与え、シミやシワ、たるみなど、あらゆる肌トラブルの原因となります。

アトピー性皮膚炎においても、紫外線はアトピーの悪化因子の1つです。

そのため、アトピー肌はしっかりとUV対策を行うべきですが、日焼け止めクリームなどに含まれる界面活性剤や添加物などが原因となりアトピーが悪化してしまう可能性があります。

そのため、アトピー肌の方は、そのような余分なものが含まれるクリームやジェル状ではなく、無添加のパウダーファンデーションを日焼け止めとして使用することをおすすめします。身体は、長袖の衣類やアームカバーなどで日焼け対策を行えば、界面活性剤が含まれる日焼け止めを使用する必要はなくなります。

日焼け止めとして使うパウダーファンデーションの条件

アトピー性皮膚炎の肌は、バリア機能が低下しておりアレルギーや接触性皮膚炎を起こしやすい状態となっています。そのため、最も大切なことは、「刺激となる成分がなるべく含まれていないものを選ぶ」ということです。顔の日焼け止めとしてパウダーファンデーションを使用する場合は、次のポイントに注意して選びましょう。

(1)紫外線吸収剤ではなく紫外線錯乱剤を使用

紫外線をカットする成分には、「紫外線吸収剤」と「紫外線錯乱剤」の2種類があります。

・紫外線散乱剤:肌の表面で紫外線を反射させて紫外線をブロック。成分としては、酸化チタンや酸化亜鉛が一般的。

・紫外線吸収剤:紫外線を吸収することにより紫外線をブロック。成分では「メトキシケイヒ酸」等が有名。

紫外線吸収剤は紫外線をブロックする効果が高く、使用感や塗った後の仕上がりの自然さでは圧倒的に紫外線錯乱剤を上回ります。しかし、肌への刺激が強く、接触性皮膚炎やアレルギーの原因となることがあるのです。

そのため、アトピー肌の方は、肌への影響が比較的少ない「紫外線錯乱剤」によって紫外線をカットするファンデーションを使うようにしましょう。

(2)ナノ粒子不使用

紫外線錯乱剤のみを使用していれば安心かというと、そうではありません。紫外線錯乱剤は、紫外線を反射させてカットする性質上、肌に塗ると、どうしても白浮きしがちです。

それを解決するために、「ナノ化」という、粒子をナノレベルまで細かくする技術が使われている製品が増えています。ナノ化した紫外線錯乱剤は、粒子が小さいため皮膚に吸収されやすくなります。

さらに、紫外線錯乱剤は、紫外線にあたると有害な活性酸素を発生させる性質があり、ナノ化したものは、肌を酸化させる力が強くなってしまいます。

紫外線吸収剤と比較すると低刺激とはいえ、肌にとっては紫外線錯乱剤自体も異物。かつ活性酸素も発生させるため、アトピー性皮膚炎の方はナノ化された紫外線錯乱剤が配合された日焼け止めは避けておいた方が無難です。

(3)コーティング剤の安全性が高いこと

紫外線錯乱剤である酸化チタンや酸化亜鉛は、紫外線にあたると活性酸素が発生するため、酸化チタンや酸化亜鉛をコーティングして配合している商品が多くなっています。

しかし、そのコーティング剤やコーティング技術はメーカーによって大きく異なります。その品質が悪いものを使用すると、コーティング剤がはがれ、金属アレルギーの原因となったり、活性酸素によって肌が刺激を受けることになります。

コーティング剤は、シリコンオイルや、無機物では水酸化アルミニウムやシリカ(ケイ素)が一般的です。

シリコンでコーティングされたものは、普通の石鹸などでは洗い落としが難しく、アルミニウムだと金属アレルギーの可能性がありますので、安全性を考えると、シリカ(ケイ素)でコーティングされたものを選ぶのが安心です。

(4)香料や防腐剤、界面活性剤などの添加物が最小限

日焼け止めに限ったことではありませんが、肌の刺激となりうる成分が少ないものを選びましょう。添加物ではなくとも、油分の多い日焼け止めを使用することでナノ化した紫外線錯乱剤が皮膚に侵入しやすくなりますので、油分のなるべく少ないものを選ぶことをおすすめします。

アトピー肌のための日焼け止め選びの注意点

日焼け止めには注意すべきポイントがたくさんあります。添加物や紫外線吸収剤が配合されているかどうかは、成分表示を見れば判断がつきます。

しかし、ナノ化された紫外線錯乱剤の使用や、コーティング剤やコーティング技術については表示義務がないため、成分表示から判断することはできません。

そのため、きちんと情報を開示しているメーカーや、問い合わせたら回答してくれるメーカーの日焼け止めを選ぶようにしましょう。

アトピー性皮膚炎が悪化している場合

アトピー性皮膚炎の状態が悪く、少しの刺激にも敏感になっているときは、日焼け止めを使ったUV対策は避けたほうがよいでしょう。顔にはミネラルファンデーションやフェイスパウダー、身体には長袖の衣服での紫外線対策をおすすめします。

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