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プラセンタのサプリメントに副作用はある?

更新日:2018.01.19
公開日:2014.06.01
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この記事の監修者
スキンクリニック藤枝 小野 健太郎

数多くの製品が販売されブームとなっているプラセンタ(胎盤エキス)のサプリメントですが、安全性についてはどうなのでしょうか?プラセンタサプリの副作用と危険性について、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。

美容などの面で注目され、プラセンタのサプリメントは数多く販売されています。しかし、プラセンタのサプリメントにもよる副作用があるのでは、と心配されている方も多いのではないでしょうか。

市販されているプラセンタのサプリメントと、医薬品として医療の現場で使用される注射薬のプラセンタには違いがあります。本記事では、主にプラセンタのサプリメントについて安全性や副作用の心配について解説しますが、まずは市販のサプリメントと医薬品のプラセンタの違いから解説します。

市販のプラセンタサプリメントと医薬品のプラセンタの違い

経口摂取できるプラセンタ(胎盤エキス)製品としては、一般に市販されているサプリメント(健康食品)があります。

医療機関では、人の胎盤から抽出した「ヒトプラセンタ」の注射薬が使われることがほとんどです。ヒトプラセンタは、医療機関でしか使用が認められていないため、サプリメントには使用されません。

市販のサプリメントに含まれるプラセンタの原料は、ほとんどが豚由来の「ブタプラセンタ」ですが、最近は馬由来の「ウマプラセンタ」を使った商品も増えています。また、以前は牛由来のプラセンタもありましたが、狂牛病の流行以来、現在まで使われていません。

プラセンタサプリメントの安全性は?

医療機関で処方される「ヒトプラセンタ」の注射薬は、国内の病院において正常分娩で出産した人間の胎盤を使い、厚生労働省認可のもと、ごく限られた製薬メーカーの厳重な管理下で生産されています。アレルギー反応を除く重大な副作用の報告は、今まで一度もありません。

では、市販のサプリメント場合はどうなのでしょうか。

ブタやウマの胎盤は、十分な健康管理・衛生管理体制を持つ農場から仕入れられ、どのメーカーもかなり厳しい自社基準を設けて感染症などの有無を検査しています。熱による不活化工程を経て、高い品質・安全性の製品が作られています。

なかでも「SPFプラセンタ」は安心度が高いといわれています。これは、日本SPF豚協会が認定する特別な管理体制の農場で育てられた、「特定の病原体や寄生虫を持たないクリーンなSPF 豚」の胎盤を使ったものを指します。

原料が衛生的であれば滅菌処理などの工程を省くことができるため、製造過程で失われてしまう有効成分が少ないというメリットがあるそうです。

一方のウマはブタよりも体温が高いため、寄生虫などのリスクが少ないこと。特に競走馬の血統を持つサラブレッドは、徹底した管理下で育てられているため、安全性が高いとも考えることができます。

プラセンタサプリメントに副作用はある?

プラセンタのサプリメントを飲むことによる「副作用」は、厳密にはないと言えます。なぜなら、「副作用」とは医薬品に使われる言葉だからです。プラセンタに限らず、サプリメントは「食品」に位置付けられます。美容医療などで使用される医薬品のプラセンタの場合は副作用が考えられますが、サプリメントの場合は副作用という言葉自体が適さないのです。

ただし、食品と言っても身体に影響が出る可能性はあります。言ってみればこれが医薬品の場合の「副作用」にあたるものと言えるでしょう。

プラセンタサプリを摂取し始めた時期は、生理の時期が早まったり出血量が多くなったりすることがあるといわれています。また、下痢・軟便などの消化器症状が起こる場合もまれにあるそうです。しかし、これらは服用を続けていく中で自然と収まっていくとされています。

そのほか、健康食品の安全性について調査・研究する「独立法人国立健康・栄養研究所」によると、以下のようなアレルギーの事例があげられています。

プラセンタによるアレルギーの事例1

小児ぜんそくとアトピー性皮膚炎の既往歴がある日本人男性(22歳)がプラセンタエキスを含む製品を摂取したところ、掻痒性皮疹(そうようせいひしん=かゆみをともなう湿疹のこと)が出現。

プラセンタエキスのスクラッチテスト(皮膚の反応により抗原に対応するIgE抗体の有無を見る検査)および内服誘発試験(アレルゲンを経口摂取することでアレルゲンを特定する検査)が陽性であったため、プラセンタエキスを含む健康食品により増悪した成人型アトピー性皮膚炎と診断されました。

プラセンタによるアレルギーの事例2

日本人女性(41歳)がプラセンタエキスを20mg×2回/日、10日間摂取したところ、眼瞼に紅斑(赤くなった状態)が出現。さらに、プラセンタエキス摂取量を40mg×2回/日に増量しプラセンタエキスを含む美容液を外用したところ、全身の紅斑と下腿の浮腫(ふしゅ=むくみのこと)が出現。

5か月後に摂取と外用を中止したところ、症状が軽快。パッチテストでプラセンタエキスが陽性であったため、プラセンタエキスによる接触皮膚炎と診断されました。

プラセンタにはタンパク質やアミノ酸が豊富に含まれているため、食品と同様にアレルギー反応がでることがあります。アレルギー体質の方は原材料の確認と医師の指導を受けることが重要です。

また、薬剤性肝障害を起こした事例もあるため、ほかの薬の服用などで肝機能が弱っている可能性がある場合は、医師に相談したうえで服用を検討するなどの注意が必要です。

プラセンタのサプリメントで太るの?

「プラセンタは太る」などの口コミを聞いたことがある方もいるかもしれません。結論から言うと、プラセンタの摂取自体で太る可能性は非常に低いと考えられます。

なぜならば、プラセンタは、栄養素は豊富ですが、そのカロリーは低い成分だからです。サプリメントとしても、1回10kcal前後の低カロリーのものが多くなっています。また、脂肪を蓄積するといった作用も認められていません。

そのほかに、プラセンタにピルのような作用があって太るという口コミもあるようですが、これは間違いです。ピルには、エストロゲンとプロゲステロンという2種類の女性ホルモンが含まれていますが、プラセンタにはホルモンが含まれていません。

※プラセンタで太るかどうかに関しては、『プラセンタは太るって本当?』でより詳しく解説しています。あわせてご覧ください。

まとめ

市販されているプラセンタのサプリメントは、サプリメントであってもメーカーの厳しい自社基準のもと検査され、安全性や品質に配慮した製品が作られています。また、一般的にいわれることのある「プラセンタは太る」という口コミも、プラセンタ自体で太ることはないと言えます。

ただし、他の食品と同じくアレルギー反応を起こす可能性は考えられるため、アレルギー体質の方は気をつけましょう。

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