「コエンザイムQ10」は脂肪燃焼ダイエットに効く?

更新日:2017/08/21 公開日:2014/05/13

脂肪燃焼系サプリメント成分

コエンザイムQ10を配合しているサプリメントは薬局などで手に入ります。脂肪を燃焼させダイエットに良いと謳っているものもあるようですが、本当に効くのでしょうか。ドクター監修のもと、コエンザイムQ10の体内での働きや効果について解説します。

脂肪燃焼系ダイエット成分「コエンザイムQ10」

コエンザイムQ10は体内でどのような働きをしている?

運動には、無酸素運動と有酸素運動の2種類があります。無酸素運動は100m走などの短距離走や筋トレなど、瞬発力が必要な運動のことで、筋肉に貯めてある糖質(グルコース)を使って、酸素を使わずにエネルギーを発生させます。このエネルギー発生メカニズムのことを、専門的な言い方では「解糖系」といいます。

一方、有酸素運動はジョギングやサイクリングなど、長時間にわたり続ける運動のことで、グルコースだけではなく、脂質やタンパク質もエネルギー源となり、解糖系よりも効率よくエネルギーを発生させます。このとき酸素が必要となるので有酸素運動と呼ばれています。このエネルギー発生メカニズムのことを「クエン酸回路を介した酸化的リン酸経路」といいます。コエンザイムQ10はこの経路において重要な役割を持っている物質です。

これらのエネルギー産生経路は運動で筋肉が収縮するときだけでなく、心臓が鼓動を打ったり、肝臓が解毒をしたり、腎臓が尿をつくって老廃物を体外に排出したりといったように、体内のさまざまな細胞が働くためのエネルギー源となります。コエンザイムQ10は細胞内にあるエネルギー産生工場であるミトコンドリアにあり、糖質、脂質、タンパク質から合成された物質をうまくつかって、効率的にエネルギー源を作り出す手助けをしています。また、抗酸化作用も持っていると考えられています[1]。

コエンザイムQ10が足りなくなったら?

人コエンザイムQ10は細胞が効率よくエネルギーを生み出して活動するのに非常に重要な役割を持っていますので、体内で足りなくなることはめったにありません。不足したら体内で新たに作り出すこともできます。また、コエンザイムQ10は魚や肉、油脂などに多く含まれるため、通常の食生活であれば欠乏することはないと考えられますが、加齢とともに減っていくといわれています。非常にまれですが、コエンザイムQ10が欠乏した人は、体力低下、疲労感などを訴えるようです[1]。

コエンザイムQ10は脂肪燃焼ダイエットに効く?

コエンザイムQ10をサプリメントの形で摂取すれば、体内のコエンザイムQ10量を増やすことができる可能性があります[1]。コエンザイムQ10は脂質を原料としたエネルギー産生に重要な物質であることから、脂肪燃焼ダイエットへの効果が期待されていますが、今のところそれを示す証拠は不十分です。なお、コエンザイムQ10摂取と運動能力の関連をみた試験では、運動能力の向上は改善しなかったそうです[1]。

コエンザイムQ10の摂取による効果が示唆されているのは、コエンザイムQ10の欠乏症、ミトコンドリア病、加齢黄斑変性症、糖尿病性神経障害、心臓病、ハンチントン病、高血圧、片頭痛、パーキンソン病などです[1]。

コエンザイムQ10を補給する際の注意点

ちなみに、日本ではコエンザイムQ10がうっ血性心不全の治療薬(ユビデカレノン)として使われています。この用量は1日30mgです。副作用は胃の不快感、食欲低下、吐き気、下痢などがあります。

同じ成分が医薬品でもサプリメントでも売られている場合は、医薬品の用量を超えて摂取しないことが原則です。しかし、実際には1日30mgを超えるサプリメントが流通しています。これを受け、内閣府の食品安全委員会で検討したところ、安全な摂取上限量を設定することは困難であったそうです[2]。少なくとも、サプリメントの商品に記載されている推奨量を超えて多く摂取することはやめましょう。

また、コエンザイムQ10には血圧を下げる作用があるので、高血圧の薬との併用で血圧が下がりすぎてしまう可能性がありますので避けましょう。血液をさらさらにする薬であるワルファリンを飲んでいる人も、コエンザイムQ10の併用でこの薬の効果が弱まってしまう可能性があります[1]。

まとめ

コエンザイムQ10は脂肪などを燃焼させる有酸素運動で細胞がエネルギーを発生するために働く重要な物質です。そのために脂肪燃焼によるダイエット効果が期待されていましたが、現時点ではそのような効果を示す証拠はないようです。コエンザイムQ10は肉や魚、油脂などに多く含まれており、体内でも合成できるため、不足することはまれです。サプリメントとして摂る際には摂取量に気をつけましょう。高血圧などで薬を飲んでいる人は、サプリメントを飲む前に医師や薬剤師に相談しましょう。

参考文献

  1. [1]日本医師会ほか監.健康食品・サプリメント成分のすべて2017 第5版.同文書院.2017; 384-386
  2. [2]厚生労働省.コエンザイムQ10を含む食品の取扱いについて.(2006年8月23日)https://hfnet.nih.go.jp/usr/kiso/pdf/coq10070104.pdf(参照2017-08-21)

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