体の機能を支える大切な成分「コリン」

更新日:2017/05/25 公開日:2014/05/13

コリンの基礎知識

コリンは脳や神経、細胞の働きにかかわる成分として知られています。神経の働きに関係しているとも知られており、神経伝達物質である「アセチルコリン」の元になる物質です。ドクター監修のもと、コリンの体内での働きやサプリメントで摂取する際の注意点について解説します。

板東浩先生

この記事の監修ドクター

医師
板東浩先生

「コリン」は体のさまざまな機能に関係していると考えられています。

勘違いされる場合もありますが、ダイエット効果と関連して売られているフォルスコリンとコリンは、全くの別物です。間違えないようにしましょう。とはいえ、コリンは体の機能を支える大切な成分です。あらためて見ていきましょう。

コリンとは

コリンは、体の中でさまざまな化学変化をサポートする役割を果たしています。たとえば、肝臓の機能においては毒物やアルコールなどを分解する助けとなったり、脳の神経伝達物質であるアセチルコリンに変化したりして、神経の伝達を補助する働きをします。

コリンは体内で生成される物質で、成長の段階のある時期には食べ物から取らなくても十分という考え方が出ていますが、海外では1日の適正摂取量が存在しています。不足しないように、食べ物からとり入れることは有効です。

コリンが含まれる食物

コリンは、卵黄、レバー、小麦、胚芽米、緑黄色野菜、大豆、酵母などに含まれています。コリンが体内で正しく作用するためにはビタミンB12と葉酸、L-カルニチンが必要になります。

ダイエットとの関係はある?

脂肪燃焼の効果と関係して紹介されることのあるサプリメントのフォルスコリンは、似た名前であってもコリンとは別物です。

ただし、コリンは、糖質と脂質の代謝に関わっており、エネルギーを効率的に使うために必要であるのは確かです。直接代謝を上げる作用はありませんが、消化酵素や代謝酵素の補酵素として、糖質と脂質の代謝には欠かせない物質となっています。代謝を上げることは、ダイエットに取り組む上ではとても大切です。効率よく脂肪を燃やしてエネルギーを作っていくには、代謝が低いと対処できません。コリンを摂取することで、すぐやせるというわけではないため、日頃の食事や運動に気を付けることを意識しましょう。

コリンが不足すると、代謝に異常が出ることに加えて、DNAにも影響が及ぶ可能性を指摘する研究結果もあります。アメリカの2014年の研究報告によると、動物実験において、コリンの不足のために肝臓ガンの発生リスクが高まることが判明しています。同じ研究では、人間においても同じことが起こっている可能性があると指摘しているので、不足は見過ごせない問題といえる可能性もありそうです。

コリンの美容効果

コリンは生きていく上で欠かせない成分であるビタミンにも近い性質を持つと考えられてきました。そのため、「ビタミン様物質」とも呼ばれることがあり、ビタミンに似た働きを持っています。肝臓の保護、肝疾患の予防に効果があるほか、ナトリウムの排出を促進するため、むくみ予防にも効果が期待できます。

コリンを摂取する際の注意点

コリンを過剰に摂取した場合の副作用は今のところ確認されていません。しかし、サプリメントなどを利用して長期にわたり大量のコリンを摂取し続けると、コリンが分解されたときに発生する「魚くさい体臭」になることが心配されるようです。取り過ぎはなんでもよくありませんが、胃腸の不調や嘔吐(おうと)などの症状が現れることがあります。

ちなみに、コリンを大切な栄養素と位置付けているアメリカではコリンの適正摂取量が設定されています。14歳以上の男性で1日摂取量の目安は、男性は550mg、女性で400mgほどです。

コリンが豊富な食品はビタミンBも含んでおり、コリンが体の中で正しく作用するのに役立つため自然の食べ物から摂ると好ましいでしょう。サプリメントを利用するときにも、コリンがビタミンB12、葉酸、L-カルニチンなどと一緒に体の中で働いていることを知っていると、栄養の効果を正しく考えることができそうです。

参考文献

  1. [1]デニス・L・カスパーほか編 福井次矢ほか監修. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル 2017
  2. [2]Zeisel SH. Dietary choline deficiency causes DNA strand breaks and alters epigenetic marks on DNA and histones,Mutat Res 2012; 733(1-2): 34-38

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