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ワキガ(腋臭)の原因や対策、海外との意識の違い

更新日:2018.01.12
公開日:2014.07.01
ドクター画像
この記事の監修者
すなおクリニック 院長 土屋沙緒

ワキガはツンと鼻につくようなにおいが特徴的ですが、なぜこのように独特なにおいが起こるのでしょうか?ドクター監修のもと、ワキガの原因について解説します。世界のワキガ事情についても触れていますので、ぜひ参考にしてください。

ワキガは「汗臭さ」とは大きく違い、ツンと鼻につくようなにおいが特徴です。その原因は汗にありますが、実は体内から出たばかりの汗に、においはないのです。ではワキガの人の汗は、なぜ独特なにおいになるのでしょうか?

ワキガ(腋臭)のにおいの原因とは

ワキガの主な原因は、アポクリン腺から出る汗にあります。汗そのものは無臭なのですが、アポクリン腺の汗に含まれる脂質やタンパク質、糖質、アンモニアなどの成分が皮膚表面に存在する常在菌により分解されることで、鼻につく独特のにおいが発生するのです。これに皮脂が混ざり合うと、においはさらに強くなります。

もうひとつの汗腺であるエクリン腺から出る汗は水と塩分でできているため無臭なのですが、ワキガ体質の場合は、これが蒸発するときにアポクリン腺から出る汗のにおいを一緒に拡散させてしまいます。そのため、身体全体がにおうように感じられてしまうのです。

さらにワキ毛は汗を留める役割をもつため、ワキの下の湿度が高まるとそこに溜まった汗に細菌が繁殖し、におい物質が増加してしまう場合もあります。

体質の遺伝によるもの

ワキガは、アポクリン腺から分泌される汗の多い体質(ワキガ体質)が原因となっています。この体質は遺伝しやすく、両親のどちらかがワキガ体質の場合は50%の確率で、両親がどちらもワキガ体質の場合は80%の確率で子供にワキガ体質が遺伝するといわれています。

ワキガの発症するタイミングには個人差があります。早ければ小学生くらいから発症する例もあります。一方で、性ホルモンに関係することから思春期ごろに症状が出てくることが多いともいわれています。精神的に不安定になりやすい思春期には、ワキガのにおいが原因でいじめ問題に発展する可能性や、においで悩むあまりに積極的になれなくなるといった可能性もあります。そのため、気になる場合は早めの検査がおすすめです。

生活習慣が関係することも

ワキガには、不規則な生活によるホルモンバランスの崩れやストレスなどのも生活習慣も関係してくるといわれています。また、普段からあまり運動する習慣がない場合、汗と一緒に老廃物も分泌され、体臭も強くなります。汗にはサラサラした汗とベタベタした汗の2種類がありますが、ベタベタした汗は水分以外のミネラルなどの成分も含んでおり、皮膚の雑菌も繁殖しやすい状態にするのです。

このことから、ワキガ体質の方には、早寝早起きや適度なストレス解消、適度な運動といった正しい生活習慣も心がけることをおすすめします。

世界と違う!?日本人のワキガに対する意識

ところで、世界にはどれぐらいワキガ体質の人がいるのでしょうか。

10人に1人(約10%)がワキガ体質の日本にくらべ、欧米では70~100%がワキガ体質と、かなり高い割合を占めます。(「ワキガ」ではなく「ワキガ体質」ですので、ご注意ください。)

少数派だからこそ、日本ではワキガが大きな悩みとなってしまいます。事実、多数派を占める欧米では、ワキガに悩む人はいないに等しいと言います。それでも、日本人の10人に1人はワキガ体質です。つまり約1千200万人がそうなのですから、「自分だけ」と悩まず、前向きに対策していきましょう。

意識の違いが治療や対策にも影響

日本は、世界でも稀にみる清潔好きな国です。それは、毎日お風呂に入るという習慣からもわかります。他国では平均して1週間に1回程度と言いますから、その多さは群を抜いていると言えるでしょう。

また欧米ではシャワーで身体を清潔にはするものの、体臭は香水と組み合わせて魅力のひとつとして演出するそうです。日本人は、体臭はもちろんにおいそのものに嫌悪感を示すため、におい嫌いな国としても有名です。

このように日本と欧米ではにおいに対する考えに大きな違いがあり、それがワキガに対する考え方にも表れています。たとえば治療ひとつをとっても、欧米ではワキガのにおいを「軽減」する方法が一般的なことに対し、日本は主に「においそのもの」を絶つアポクリン腺摘出手術を施します。

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