どのくらい危ない?あなたの肝臓数値(肝機能数値)

更新日:2016/12/09 公開日:2014/08/01

肝臓と脂肪肝の基礎知識

肝障害は自覚しづらく、放っておかれてしまうことも多いのが現状です。取り返しのつかないところまで病状が進む前に、定期的に検査を受けましょう。ここではドクター監修のもと、肝臓数値の見方をご紹介します。

肝臓

肝臓は、500種類以上の仕事を黙々とこなしています。主な働きとして、体内に入ってきた栄養素を身体が吸収しやすいように化学変化させたり、毒性のモノが入ってきた時に解毒しています。

再生能力や障害に強い上、病状が悪化してもあまり痛みを訴えないことから「沈黙の臓器」と呼ばれています。しかし、そんな肝臓に甘えて酷使し気付いた時には回復できないところまで傷ついてしまっているケースも少なくありません。

そのため臓器の中でも特に肝臓に関しては定期的に診断を受け、「数値」で状態を把握することが大切。血液検査などでいろいろな項目を目にしますが、肝臓については、どの数値を注意してみたらいいのでしょうか。気を付けるべき数値をご紹介します。

「ALT(=GPT)」と「AST(=GOT)」

(1)「ALT(=GPT)」と「AST(=GOT)」の働き

ALT(GPT)とAST(GOT)は、主に肝臓の中にある肝細胞で働いている酵素です。これらは身体に入ってきた栄養素をアミノ酸に変換して、身体を動かすエネルギーを作りだしています。

肝臓が正常な働きをしている間は、このALT(GPT)とAST(GOT)も正常に活動してエネルギー代謝を続けられます。しかし、そこに何らかの障害(アルコールや過食、ウイルスなど)を受けると肝細胞が傷ついて、ALT(GPT)とAST(GOT)が血液中に流れ出すのです。その流れ出し数値を把握することが大切です。

(2)基準値は30IU/L以下

血液検査を受けることで、ALTとASTがどのくらい血液中に流れ出しているかを数値で見ることができます。本来は臓器に留まっているALT(GPT)やAST(GOT)ですが、細胞にトラブルがあると血液中に流れ出します。この流れ出す量は肝細胞がどのぐらいダメージを受けているかの指標になり、数値が高いほど肝細胞へのダメージが高くなります。

この流れ出す量が基準値である30IU/Lを下回れば、ALT(GPT)とAST(GOT)に関しては問題ないとみていいでしょう。基準値を上回った時は、注意が必要です。50IU/Lを越えていると脂肪肝などなんらかの障害が起こっている可能性が高く、100IU/L以上だとウイルス性肝炎や肝硬変の疑いがあります。ただしAST(GOT)は肝臓以外の臓器にも存在するため、ASTだけが高い場合は、肝臓以外の臓器に異常があることが考えられます。

アルコール性肝障害の判断は「γ-GTP(ガンマ・ジーティーピー)」

(1)γ-GTPの働き

γ-GTP(ガンマ・ジーティーピー)は肝臓や腎臓などでつくられる酵素で、ALT(GPT)とAST(GOT)と同じようにエネルギーの代謝を助け、タンパク質の分解や合成をする酵素です。主に肝細胞や胆管細胞、腎臓で働いていますが、大量のアルコールが肝臓に入ってくると、その処理に追われてγ-GTPの量も増えてしまいます。増えてしまったγ-GTPは血液中に漏れ出すため、肝臓が弱まるとこの数値が高くなります。

(2)γ-GTPは50IU/L以下が理想

γ-GTPは肝障害の中でも、アルコール性の脂肪肝・肝炎に反応しやすいのが特徴です。ALT(GPT)とAST(GOT)の検査と一緒に行い、γ-GTPの値が他の値より高いとアルコール性脂肪肝などの疑いが強いでしょう。

基準値は50IU/L以下が理想です。この数値が100IU/Lなら脂肪肝、200以上IU/Lならアルコール性肝炎・肝硬変まで進行している可能性が出てきます。全くお酒を飲まない人でもγ-GTPは高くなることがあり、胆道系の病気などでも高くなりますので注意しましょう。

以上、代表的な3つの数値を紹介しましたが、検査ではその他にも「胆汁うっ滞」という胆汁の流れが悪くなっていないかをみる「ALP(基準値100~325IU/L)」や、ウイルス性肝炎・肝がんなどを調べる「血小板(基準値14万~34万/μL)」などがあります。

基準値を大幅に越えていても、自覚症状に現れないことが多々ありますので気を付けてください。食欲不振や吐き気、手のひらが黄色いなどといった症状が続いた時は肝機能障害のサインかもしれません。その場合はすぐに、ドクターの診察を受けましょう。