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鍼灸院の歴史と医学的効果について

更新日:2017.02.09
公開日:2014.09.01
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この記事の監修者
医療法人聖光園 細野診療所 院長 細野孝郎

「鍼」「灸」はよく耳にするし、「鍼灸院」の看板もよく目にするけれど、その内容を詳しく知らない人は多いのでは。そこで、鍼灸や鍼灸院のことを正しく知っていただくために、鍼灸院についてドクター監修の記事で詳しくお伝えします。

鍼灸は昔から広く使われている療法ですが、実際に治療を受けたことがある人は、意外に少ないかもしれません。また、鍼灸についても知っているようで知らないことも多いのではないでしょうか。

そこでまず、鍼灸院についてご説明します。

鍼灸院とは?

鍼灸とは東洋医学のひとつで、脈診、腹診、舌診などで身体の状態を把握し、崩れてしまった身体のバランスを鍼や灸を使った施術で整え、機能の回復を図る治療法です。

具体的には、人の身体に約365以上あるといわれるツボに鍼や灸で刺激を与え、気の流れなどを整え、免疫力や自然治癒力を高めます。

その鍼灸の施術を、国家資格を持った鍼灸師(はり師、灸師)が鍼や灸を使って行う医療施設のことを、鍼灸院と言います。

何となく調子が悪いけれど病院に行っても悪いところは見つからないような、病気ではないけれど病気の一歩手前の「未病」と呼ばれる状態にも効果が期待できます。そのため生活習慣病が蔓延し高齢化が進む現代では、病気を未然に防ぐ療法として世界各国の医療関係者やWHO(世界保健機関)などが注目しています。

鍼灸の歴史

鍼灸の歴史は古く、古代中国が発祥といわれています。日本への伝来は飛鳥時代、中国の僧侶が仏典とともに鍼灸の医学書を持ち込んだことが始まりです。

その後、漢方とともに日本社会に広く浸透しており、江戸時代には鎖国の影響もあり、伝統医療として日本独自の進化を遂げました。そして幕末にオランダ医学(西洋医学)が伝来し、明治に入って欧米化政策が執られるまで、医学の主流となっていました。

西洋医学の台頭後も、民間医療として強く支持されていましたが、近年では大学や医療機関で科学的な実験や研究が行われ、少しずつ効果が科学的に実証されています。そして日本だけでなく、ヨーロッパやアメリカでも盛んになってきました。

鍼灸院のタイプ

ひとくちに鍼灸院と言っても、得意分野や考え方から、いくつかのタイプに分類できます。

伝統的・古典的な鍼灸

脈診や腹診などの伝統的な手法と、陰陽・五行など伝統的な東洋医学や鍼灸の理論から、身体の状態を分析して治療をするもの。

西洋医学的鍼灸

西洋医学的な知識を元に、身体の状態や症状を分析・治療する。得意分野は、外傷やスポーツなどで起きた運動器疾患。

専門型鍼灸

スポーツ選手特有のケガの治療や予防が主なスポーツ鍼灸、ダイエットや顔のリフトアップなど美容を目的とした美容鍼灸のように、特定の分野を専門に行なう。

また、鍼灸だけでなく、カイロプラクティックや整体などを行なうところもあります。

鍼灸院はこのようなときにおすすめです

鍼灸院で行われる「鍼治療」には、痛みを抑える効果が期待できます。鍼治療を行うと、その刺激によって脳に痛みを伝える神経をブロックするホルモンが分泌されるためです。

また、鍼にはセロトニンなどのリラックス効果をもたらすホルモンを分泌する効果があるといわれています。リラックスすることで自律神経のバランスが整うため、内臓機能の回復やストレス性の症状の回復にも役立ちます。

もちろん、筋肉のコリや張りを緩めることも得意としています。最近では、美肌効果やリフトアップ効果があると、美容分野でもとり入れられています。

鍼灸の効果はWHOで認められている

鍼灸の効果は、WHO(世界保健機構)でも高く評価されています。WHOは、関節炎・リウマチ・肩こり・頭痛・めまい・神経痛・喘息・低血圧・便秘・下痢・月経不順・鼻炎・眼精疲労など、運動器系や神経系、循環器系や呼吸器系、婦人系や内分泌系といった全身の各器官の疾患・不調に対して効果があると認めているのです。

開業するには国家資格が必要

鍼灸院を開業するには、厚生労働大臣が免許を発行する「はり師」「きゅう師」の国家資格が必要です。この資格を得るには、高度な専門知識と技術が必要なため、定められた大学や専門学校で専門課程を3年以上学び、国家試験に合格しなければなりません(詳しくは『鍼灸師の資格はどのような資格?』をご覧ください)。

解剖学、病理学、生理学、などの基礎医学を学び、鍼灸の専門的な技術を習得した国家資格をもつ施術者が治療を行なう鍼灸院。得意分野や特徴を調べて、自分の症状や目的に合わせて鍼灸院を選ぶようにしましょう。

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