水素に期待される糖尿病改善効果

更新日:2017/07/14 公開日:2014/10/01

水素水の効果・効能

近年、水素に期待される活性酸素除去作用による糖尿病治療が注目されています。ドクター監修の記事で、同時に他の疾患の治療にも繋がりうる、そのメカニズムについて学んでみましょう。

ヘルスケア大学参画ドクター

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厚生労働省の調査結果によれば、糖尿病が強く疑われる人口は950万人、糖尿病の可能性を否定できない糖尿病予備軍は1,100万人にも上ると言われています。糖尿病になれば、食事など日常生活の面で制限がかかってしまいます。

水素が糖尿病に効くメカニズム

糖尿病は、ホルモンの一種であるインスリンの分泌量が低下することで発症します。インスリンは血液中の糖(血糖)を体脂肪としてとり込み、血糖値を下げる働きをしますが、インスリンの分泌量が不十分だと、血糖値の調整が行われず、血糖値が高いままの状態となってしまいます。

このインスリンは、すい臓のβ細胞で生成され、血液中に分泌されます。このすい臓のβ細胞は酸化ストレス(活性酸素)に非常に弱いため、活性酸素の増加はすい臓のβ細胞の機能低下を引き起こし、インスリンの分泌量低下を招く可能性があります。

水素は活性酸素の除去作用が高いため、活性酸素を除去することで、すい臓のβ細胞の機能低下の予防・改善が期待できます。

糖尿病の治療の今

従来の糖尿病の治療は、血糖値のコントロールが重要視されており、薬によってすい臓のβ細胞を刺激してインスリンの分泌を促すことや、インスリンを注射などによって補う治療が主流でした。

しかし近年は、糖尿病は「すい臓のβ細胞の機能不全」であり、その機能不全が徐々に進行する「進行性β細胞不全」として捉えられるようになってきました。

そのため、できるだけすい臓のβ細胞への負担を減らし、すい臓のβ細胞を保護する治療の重要性と有効性が認識されるようになってきています。

糖尿病への効果とは?

すい臓のβ細胞は活性酸素に非常に弱いため、すい臓のβ細胞の負担を減らす方法の一つとして、水素による活性酸素の除去が注目されるようになってきています。

すい臓のβ細胞に限らず、私たちの細胞は、細胞膜(細胞と外界との境界面)が最も外側にあり、その内部にミトコンドリア(細胞が活動するエネルギー源を産生)やリボソーム(遺伝情報をもとにタンパク質合成)、細胞核(内部に遺伝情報を司るDNAが含まれる)などが存在します。

細胞膜は主に脂質でできていますが、この細胞膜の脂質が酸化すると、過酸化脂質となり、細胞機能に障害が発生します。細胞膜に過酸化脂質が生じると、それが細胞内のミトコンドリアなどにも障害をもたらす可能性があります。

水素は、細胞に対して上記のような悪影響を及ぼす活性酸素に対して反応し、活性酸素を除去する作用を持っていると考えられており[1]、近年、すい臓のβ細胞の機能不全を予防・改善する手段のひとつとして注目されるようになりました。

水素は補助としての効果が期待できる程度

あくまで糖尿病の予防・改善の基本は食事と運動療法です。水素によって活性酸素を除去しても、血糖値を上げる食事やアルコールなどによってすい臓に負担をかけては逆効果になる可能性が高いです。

しかし、活性酸素がすい臓のβ細胞の機能不全の一因であるという報告もあるため、補助手段として試してみるのは有効かもしれません。

実際、インスリン抵抗性の2型糖尿病患者を対象とした試験において、水素水の摂取によりLDLコレステロール値が減少するとともに、2型糖尿病を改善するホルモンであるアディポネクチン値が上昇したということ、また、一部の患者では血糖値が改善したという報告もあります[2]。

水素による糖尿病治療を試してみたい場合は、水素治療と糖尿病治療の両方に詳しいクリニックに相談し、医師の指示に従って実践するようにしてください。

おことわり

  1. 1.一部、「水素」が持つ効能・効果についても言及しております。文章中に明記しておりますが、混同しないようご注意ください。
  2. 2. 当コンテンツ内で言及している「水素水」は、2015年まで分子状水素医学シンポジウム(現・日本分子状水素医学生物学会)が定めていた最低基準(水素含有量0.08ppm以上)にあてはまるものです。なお、水素水の濃度の基準については、2017年3月現在、公的な定義等はありません。市場流通後における水素の含有量は販売元により異なると考えられますので、十分ご注意ください。

参考文献

  1. [1]Ohsawa I, et al. Hydrogen acts as a therapeutic antioxidant by selectively reducing cytotoxic oxygen
  2. radicals. Nat Med 2007; 13(6): 688-694
  3. [2]Kajiyama S, et al. Supplementation of hydrogen-rich water improves lipid and glucose metabolism in
  4. patients with type 2 diabetes or impaired glucose tolerance. Nutr Res 2008; 28(3): 137-143

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