妊娠中・妊婦の葉酸サプリメント

更新日:2016/12/09 公開日:2014/10/01

妊娠中の食事・栄養

最近は市販の葉酸サプリも各種登場していて、妊婦はもちろん、妊娠の前から積極的に摂取するよう推奨されています。妊娠中に食事だけでなく葉酸サプリメントが必要な理由について、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

矢追正幸先生

この記事の監修ドクター

矢追医院 院長
矢追正幸先生

妊娠中・妊婦の葉酸サプリメント

葉酸サプリメントは、妊婦はもちろん、妊娠前から摂取するのが良いとされています。葉酸を必要な量摂取するためには、サプリメントを活用することも大切です。

妊婦に必要な葉酸の摂取量とは

まだ妊娠に気がつかない方も多い妊娠7週目までのごく初期の段階に葉酸が不足すると、胎児に先天異常をもたらすリスクが高まると言われています。

厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」によると、1日に摂取したい葉酸の推奨量は、非妊時が240マイクログラム、妊娠時はその倍の480マイクログラムです。

葉酸にはDNAをもつ核酸の合成を助けたり、細胞の分裂・増殖を促す働きがあるので、活発に細胞分裂を繰り返して成長する胎児にとって不可欠な栄養素です。

胎児の脳や脊髄の基礎「神経管」が作られる妊娠7週目までは特に重要で、この時期に葉酸が不足すると、「神経管閉鎖障害」という「二分脊椎(歩行困難など)」や「無脳症(流産・死産)」のリスクが高まります。

厚生労働省では2000年から妊婦の葉酸摂取の重要性を呼びかけ、「妊娠の1ヶ月以上前から妊娠3ヶ月までの間は、食事で摂るほかに、サプリメントで1日400マイクログラムの葉酸摂取が望ましい」としています。

妊娠を計画している、または妊娠の可能性がある女性は、食事からの葉酸1日240マイクログラムにプラスしてサプリメントで1日400マイクログラムを摂るようにしましょう。

アメリカなどの先進諸国では日本よりも早くその重要性について通達を出していて、実際に妊婦が葉酸を摂取したことで二分脊椎のリスクが72%も低減したという実験結果も報告されています。

もともと日本では、欧米に比べ神経管閉鎖障害の発生率は低かったのですが、最近は増加の傾向にあります。

二分脊椎の発症率は、1980年には出生1万人あたり約2.2人でしたが、日本二分脊椎症協会によると、現在では出生1万人あたり約6人に増加しています。反対に、アメリカやイギリスなどでは葉酸摂取の働きかけによって大幅に減少し、今では日本の発生率を大きく下まわっています。

葉酸の摂取は食品とサプリメントで

前述の厚生労働省の通達ではサプリメントでの葉酸摂取を促していますが、なぜなのでしょうか。

葉酸は化学名を「プテロイルグルタミン酸」と言います。葉酸には2種類あり、食品中に含まれるのは、複数のグルタミン酸が結合した形の「ポリグルタミン酸型」がほとんどです。一方、サプリメントなどに添加されるのは、グルタミン酸がひとつ結合した形の「モノグルタミン酸型」です。

食品中の葉酸は熱に弱く水に溶けやすいため、調理によって失われる率が高くなります。さらに、経口摂取後は酵素によって消化され、モノグルタミン酸型に変化してから吸収されるという過程を経るため、生体内での吸収率は50%前後とされています。その点、サプリメントの葉酸は吸収率がよく、約85%と言われています。

このように毎日の食事だけで十分な葉酸を摂るのは難しいことから、厚生労働省では食事のほかに1日400マイクログラムをサプリメントで摂ることを推奨しているのです。

葉酸サプリメントの種類

日本で市販されている多くの葉酸サプリメントは、飲みやすい錠剤、またはカプセルがほとんどです。1粒(または2粒)にモノグルタミン酸型の葉酸を400μg含み、1日1粒(または2粒)飲めば必要量を得られるという商品が多くみられます。

また、商品によっては、「天然の葉酸」や「ほうれん草や酵母から抽出した葉酸」を使っているものがありますが、すべて「モノグルタミン酸型」の葉酸が使われています(国民生活センター調べ)。

日常生活で補えきれていないと感じる方、特に妊娠を計画している、もくは妊娠している方は、サプリメントなどで不足している葉酸を補うという方法も検討しましょう。

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