妊娠中・妊婦の摂るべき飲み物・避けるべき飲み物

更新日:2017/10/26 公開日:2014/10/01

妊娠中の食事・栄養

妊婦の飲み物について、ドクター監修の記事で詳しくお伝えします。アルコールをはじめ、牛乳やコーヒー、紅茶、ハーブティー、炭酸飲料、栄養ドリンク、青汁などが、妊婦や胎児へ与える影響について解説します。

妊娠中は食事だけでなく、飲み物にも気を配りましょう。胎児の健康を守るために、避けるべき飲み物もあります。詳しく解説していきます。

妊婦が摂るとよい飲み物

乳製品(牛乳・ヨーグルトドリンク・乳酸飲料など)

乳製品には三大栄養素(タンパク質・糖質・炭水化物)がバランス良く含まれ、ミネラルやビタミンも豊富です。特に、妊娠中に不足しがちなカルシウムを補う役割も果たしてくれます。ヨーグルトドリンクや乳酸飲料に含まれるビフィズス菌は、妊娠中に起こりやすい便秘解消にも役立ちます。

「妊娠中に牛乳や卵を摂取すると、赤ちゃんがアレルギーになる」と心配される方もいます。しかし、厚生労働科学研究班の「食物アレルギーの診療の手引き2014」においては、「妊娠中、授乳中にアレルギー疾患発症予防のための食物制限を行うことは十分な根拠がないため通常勧められていない」と説明しています[1]。

アレルギーを心配して、行き過ぎた食事制限をすることは、胎児に必要な栄養素が十分に摂れなくなるリスクにつながる恐れがあります。妊娠中や授乳中は、カルシウムの流出が続く時期となるので、カルシウムを乳製品などから摂取することは大切です。2015年版の「日本人の食事摂取基準」も見てみると、妊娠や授乳をする年齢層でのカルシウム摂取推奨量は650mg/日で、妊娠中や授乳中は、実際の摂取量は同程度と考えられています[2][3]。これは、牛乳600mlほどに相当しますが、ほかの食品からもカルシウムは摂ることができるため、医療機関で相談しながら、十分な栄養摂取を考えるとよいでしょう。

麦茶・そば茶

カフェインレスで糖分も入っていない麦茶やそば茶は、妊婦の水分補給におすすめです。ただし、大麦やそばアレルギーを持っている方は避けてください。

妊婦が避けるべき飲み物

アルコール

妊娠中にアルコールを大量に摂取していると、胎児の目頭のいわゆる蒙古ひだや耳の低形成、小頭症などの見られる「胎児性アルコール症候群」を引き起こす可能性があります[4]。

胎児性アルコール症候群の発症を考えるときには、安全なアルコール量という目安は存在しません。アルコール量が増えるほど、有害であると認識するとよいでしょう。妊娠中に摂取したアルコールは、胎盤から胎児に運ばれてしまいます。授乳中も母乳を通して胎児がアルコールを吸収するため、卒乳までは基本的に禁酒しましょう[5]。

では、ノンアルコール飲料はどうでしょうか。大手ビールメーカーでは、「アルコール分0.00%」の商品について、妊婦が摂取しても問題ないものもあると記載しています[6]。

カフェイン(コーヒー、紅茶、緑茶など)

カフェインを摂りすぎると、胎児の低体重の原因となり、結果として流産を引き起こす場合もあり得ます。カフェインは1日200mg(妊娠中のカフェイン摂取量の上限)までの制限があるので、守るようにしましょう[7][8]。

【1杯(200ml程度)に含まれるカフェインの量】

  • コーヒー:約100~140mg
  • 紅茶:約75mg
  • 煎茶・烏龍茶:約40mg
  • 玉露:約320mg
  • コーラ:40mg
  • エナジードリンク(250ml):約80mg

妊婦は注意が必要な飲み物

  • ハーブティー:ノンカフェインで身体に有益な成分も含まれていますが、妊娠中にハーブティーを飲むときには、医師や専門家の指示を仰ぐとよいでしょう[9]。
  • 炭酸飲料:炭酸水そのものに問題はありませんが、糖分が多く含まれた飲み物は、摂り過ぎに注意が必要です。
  • 栄養ドリンク:配合されている成分によっては、よくない影響を与える可能性があるので、「妊娠・授乳期」でも飲んで問題ないか確認してください。ただし、過剰摂取は厳禁です。カフェインが大量に含まれているものもあります。
  • 青汁:青汁にはビタミンAやカリウム、葉酸などの栄養素がたっぷりと含まれています。ただし、ビタミンAは摂りすぎると胎児に影響を及ぼす可能性があるため、ほかに飲んでいるサプリメントや食事も含めて1日の摂取量の上限を超えないようにしましょう。

参考文献

  1. [1]海老澤元宏ほか. 食物アレルギーの診療の手引き2014. 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等克服研究事業難治性疾患等実用化研究事業 2014
  2. [2]厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2015年版. 厚生労働省 2015
  3. [3]中村丁次編著. 栄養食事療法必携 第3版. 医歯薬出版 2005; 272-276
  4. [4]デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学 第5版. メディカル・サイエンス・インターナショナル 2016; 2788
  5. [5]MedlinePlus. "Fetal alcohol syndrome" NIH. https://medlineplus.gov/ency/article/000911.htm (参照2017-10-17)
  6. [6]ノンアルコール商品についてのFAQ. "妊娠中や授乳期に飲用しても大丈夫?" アサヒビール. http://www.asahibeer.co.jp/non-alcohol/faq/ (参照2017-10-17)
  7. [7]choices. "Should I limit caffeine during pregnancy?" NHS. http://www.nhs.uk/chq/Pages/limit-caffeine-during-pregnancy.aspx (参照2017-10-17)
  8. [8]コーヒー図書館. "カフェイン" 全日本コーヒー協会. http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/library/caffeine (参照2017-10-17)
  9. [9]choices. "Foods to avoid in pregnancy" NHS. http://www.nhs.uk/conditions/pregnancy-and-baby/pages/foods-to-avoid-pregnant.aspx (参照2017-10-17)

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