妊婦に必要な栄養素とは?

更新日:2016/12/09

妊娠中の食事・栄養

妊婦に必要な栄養素について、1日あたりの摂取量とその栄養素が母体や胎児に与える影響などについて、ドクター監修の記事で詳しく解説します。栄養バランスのとれた妊婦の食事のためのポイントもお伝えします。

矢追正幸先生

この記事の監修ドクター

矢追医院 院長
矢追正幸先生

妊娠中の食事は、妊婦の健康のみならず、おなかの中の赤ちゃんに大きな影響を与えます。日常の食生活では不足しがちな栄養素もありますので、妊婦に必要な栄養素をバランスよく積極的に摂取するようにしましょう。

妊娠中に必要な栄養素と、それぞれの働き

妊娠中に特に必要とされる栄養素について、その働きとともに詳しくみていきましょう。

<葉酸>

葉酸は、ほうれん草やブロッコリーなどの緑黄色野菜に多く含まれる水溶性ビタミンB群の一種です。細胞の生産に欠かせない栄養素で、胎児の脳の発育を助け、神経をつくる重要な働きをもちます。特に妊娠初期に必要とされ、不足すると「神経管閉鎖障害」という胎児の先天異常を発症するリスクが高くなります。

妊娠時は1日に400μg(非妊時の2倍)の摂取が必要といわれています。

<亜鉛>

体内にある300種類以上の酵素の成分である亜鉛は、細胞分裂を促して骨や皮膚の発育を促したり、免疫力を高めたりする働きがあります。不足すると、母体への免疫力低下やつわりの原因となるほか、胎児の成長にも影響を及ぼしかねません。妊娠時は1日に13mg(非妊時の1.3倍)の摂取が必要といわれています。

<鉄>

赤血球に含まれるヘモグロビンをつくる材料である鉄分。妊娠中は胎児に鉄分を取られるため、より多くの鉄分が必要になります。妊娠中の貧血はほとんどがこの鉄分が不足することで生じる鉄欠乏性貧血であり、「妊婦貧血」ともいいます。妊婦貧血になると、酸素を運ぶ役割のあるヘモグロビンが減少するため全身に酸素不足が生じ、動悸や息切れ、めまい、体のだるさなどの症状があらわれます。

さらに、胎児に十分な酸素が行き渡らなく、発育に影響が出ることもあります。妊娠時は1日に20mg(非妊時の1.7倍)の摂取が必要といわれています。

<カルシウム>

カルシウムは骨の生成に欠かせない栄養素です。妊娠中は、胎児の骨をつくるために大量のカルシウムが必要になります。カルシウムが不足して胎児に十分な量が行き渡らなくなると、母親の骨からカルシウムを補うこともあります。妊娠時は1日に900mg(非妊時の1.5倍)の摂取が必要といわれています。

<そのほか、マグネシウム、ビタミンB6、ビタミンB12、DHAなど> カルシウムの吸収に欠かせないマグネシウムとヘモグロビンの生成を促すビタミンB6やB12、脳の発達を高めるDHAも積極的に摂取しましょう。ビタミンB6は妊娠中毒症やつわり予防にもなるといわれています。

栄養を摂るための妊娠中の食事

30代女性の場合、1日に必要なエネルギーは、非妊時の生活活動強度Ⅰ(低い)が1500kcal・生活活動強度Ⅱ(やや低い)が1750 kcalとなっています。妊婦の場合はそれぞれプラス350kcal、授乳婦の場合はそれぞれプラス600kcalが必要です(第6次改訂 日本人の栄養所要量より)。

<妊娠中の食事は栄養バランスを考えて>

しかし、妊娠中は体重の増えすぎには注意が必要です。あくまでも、栄養バランスのとれた食事が基本になります。

・ご飯やパン、麺類などの「主食」でエネルギー補給を。ただし、体重の変化に注意しながら調節します。食物繊維やミネラルが豊富な玄米や全粒粉などもおすすめです。

・サラダやお浸し、酢の物などの「副菜」はたっぷりと。不足しがちなビタミンやミネラルを十分に摂るようにしましょう。

・体を作るタンパク質を補う「主菜」は、肉や魚、卵、大豆料理などをバランスよく、適量を摂るようにしましょう。

・間食には菓子類ではなく、カルシウムが豊富な牛乳や乳製品、ビタミンが豊富な果物類などを食べるようにしましょう。

母体の健康を正しく保つことがお腹の中の赤ちゃんにもいい影響を与えます。妊娠時には、普段以上に不足している栄養素を積極的にバランスよく摂取することを意識しましょう。

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