爪水虫は塗り薬では治らないって本当?

更新日:2017/08/21 公開日:2014/10/01

爪・手・かかとの水虫

これまで「爪水虫は塗り薬では治らない」といわれていましたが、医学の進歩により新たな治療の選択肢が増えてきています。爪水虫に対して行われる治療法や、日常生活で気をつける点などをドクター監修のもと説明します。

松井潔先生

この記事の監修ドクター

松井クリニック院長
松井潔先生

爪水虫

爪水虫の正式名称は「爪白癬(つめはくせん)」といいます。皮膚糸状菌(ひふしじょうきん)という真菌(カビ)、いわゆる白癬菌が爪表面の傷口から入り込んだり、足の水虫(足白癬)が爪の方に伝わっていって増殖したりすることで起こります。

爪水虫はかゆくはないのですが、爪が白~黄色に濁って厚くなり、爪の下がボロボロになり、縦に黄白色のすじができることがあります。見た目だけの問題のように思えるのですが、爪が厚くなると、靴にあたって痛みが出たり、歩きにくくなったりします。また、水虫(白癬)の感染源になってしまいますので、なるべく治療をした方がよいでしょう[1]。

爪水虫の治療にはどのようなものがある?

爪水虫の種類や見つかった時期によっては、色が変わった部分を削り取り、塗り薬を塗っただけで治るケースもあります。しかし、それ以外の爪水虫については、原則として飲み薬を服用することになります[2]。

爪水虫の治療で使われる飲み薬とは?

爪水虫の治療で飲み薬が原則となっている理由は、従来の塗り薬では爪の奥まで薬の成分が浸透しづらかったからです。飲み薬であれば身体の内側から菌を取り除くことができます。

爪水虫で使われる飲み薬はラミシールとイトリゾールです。この2種類のどちらかを服用して爪水虫を治します。それぞれ特徴がある薬になりますので、どちらを服用して治療するかはドクターと相談したうえで決める必要があります。

治療期間に関してはどちらも同じになりますので、服用方法などの違いで見定めるとよいです。服用方法はラミシールに関しては毎日服用する必要があるのに対して、イトリゾールは1週間服用して3週間休むという特殊なサイクルになります。

服用方法が違うにも関わらず、どうして治療期間が同じなのかは爪の伸びる期間が関係しています。白癬菌に感染している爪が伸びきるまでは、治療は継続します。治療が終わるタイミングはきちんと感染した爪が伸びきるまでということになりますので、爪水虫の治療は最低でも6か月かかると覚えておいてください。

爪水虫の治療で使われる塗り薬とは

爪水虫では飲み薬が原則ですが、高齢者や合併症により複数の薬剤を服用している患者など、爪水虫の飲み薬を服用することができない方もいらっしゃいます。

そこで、薬の成分が爪に浸透するように工夫された爪水虫の塗り薬が開発されました。2014年にエフィナコナゾール、2016年にルリコナゾールの塗り薬が発売され、今までは爪水虫の治療が難しかった人への新たな治療の選択肢となっています。

日常生活で気をつけること

治療を行っている時にも、日常生活には気をつける必要があります。日常生活で白癬菌が増殖しやすい状況を作ってしまうと、スムーズに治療を進めることができませんし、他の人(特に家族)に白癬菌をうつしてしまう可能性もあります。ここでは、爪水虫がある人とその家族が日常生活で気をつけたいポイントをご紹介します[1]。

清潔にし、よく乾燥させておく

足を清潔に保つことが大事です。足が汚れたと感じるときは、タオルなどでこまめに足を拭きましょう。そして乾燥させることも大切です。足が蒸れている状態だと白癬菌が増殖しやすい環境を作ってしまうことになります。増殖させる環境を作らせないためにも、足はできるだけ乾燥させるようにしましょう。

靴はローテーションを組んで履く

靴に関しても毎日同じ靴を履くのではなく、毎日違う靴に履き替えるのが理想的です。できるのであれば、3足ほど用意しておきローテーションを組んで履くようにしましょう。

また、足を蒸らさないためには、靴や靴下を履かないようにするのが一番です。靴や靴下を履く場合は、 通気性のあるものを選び、長時間靴をはき続けないようにしましょう。サンダルのような風通しがよい靴を選んだり、時々脱いで風を通したりするようにしましょう。

バスマット、スリッパの共用はNG

爪水虫が怖いのは、周囲の人に白癬菌を感染させてしまう可能性があることです。周囲の人に迷惑をかけないためにも、バスマットやスリッパなどは別々の物を利用するようにしましょう。水虫の感染経路はスリッパやバスマットです。他の人に感染させないためにも別々のものを利用するのが好ましいです。タオルやマットなどは洗濯もしくは水拭きし、しっかりと乾燥させましょう。

まめに掃除をする

白癬菌はアカと一緒だと1年以上生き続けることができます。家具の下や階段、部屋の隅っこなどに、髪の毛やホコリ、アカなどがたまらないように掃除しましょう。畳の部屋では、掃除機をかけて水拭きすることでアカを除去し、風通しをよくして乾燥させましょう。

参考文献

  1. [1]日本皮膚科学会. 白癬(水虫・たむしなど)” 皮膚科Q&A. https://www.dermatol.or.jp/qa/qa10/q26.html(2017-07-19参照)
  2. [2]渡辺晋一ほか. 皮膚真菌症診断・治療ガイドライン, 日皮会誌 2009; 119(5): 851-862

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