高い/低い中性脂肪を改善する方法

更新日:2018/02/23 公開日:2014/10/01

中性脂肪の治療方法

健康診断の結果、中性脂肪の値が高すぎたり低すぎたりして「要注意」や「異常」と判定されることがあります。その場合、改善する必要があるのか、どうやって改善すればいいのか、ドクター監修のもと解説します。

◎短くポイントをまとめると
中性脂肪が高い場合は、食事・運動による生活習慣の見直しと薬物療法により改善できる
中性脂肪が低い場合は、その原因となっている病気を突き止めて治療することで改善できる

健康診断の結果のイメージ画像

健康診断の結果、中性脂肪(トリグリセライドまたはトリグリセリド、略称はTG)の項目で「要注意」や「異常」と判定されることがあります。その場合、改善する必要があるのか、そうならどうやって改善すればいいのか、ドクター監修のもと解説します。

高い中性脂肪(150mg/dL以上)を改善する方法

中性脂肪の値が150mg/dL以上の場合、「高トリグリセライド血症」と判定されます。この状態では、将来の心臓病(心筋梗塞や狭心症などの冠動脈疾患)や脳梗塞などの命にかかわる重大な病気のリスクが高まることが、多くの研究で明らかになっています。

また、高トリグリセライド血症の人は肥満やメタボリックシンドローム※、コレステロール値の異常など、心臓病や脳梗塞などのリスクを上げてしまう要因が他にもあることが多いです。中性脂肪が高いということは、生活全体を見直す必要があるということを示す身体からのSOSだと受け取りましょう。

※メタボリックシンドローム:内臓に脂肪がたまることで代謝の働きが正常でなくなり、様々な病気(高血圧、糖尿病、心筋梗塞、脳梗塞など)が引き起こされる状態のこと。「代謝症候群」「内臓脂肪症候群」とも呼ばれる。

中性脂肪を下げる方法(1)食事療法

食物に含まれる脂質はほぼすべてが中性脂肪です。よって、食事から摂る脂肪を抑えることが、中性脂肪を下げることにつながります。また、糖質も中性脂肪を上げる原因になります。一見関係ないように思えますが、体内に摂り込まれた過剰な糖質は、エネルギー源として蓄えるために身体が中性脂肪に変換してしまいます。そのため、脂質のみならず糖質の過剰摂取を控えることが、高い中性脂肪の値を改善するために一番重要なことです。食生活の改善方法を下記にまとめます[1]。

  • 肉の脂身、乳製品、卵黄の摂取を控える
  • 菓子類、糖分を含む飲料の摂取を控える
  • 穀物(白米やパンなどの糖質)を食べ過ぎないようにする
  • 未精製穀類(玄米や全粒粉など)の摂取を増やす(ただし食べ過ぎはNG)
  • n-3系多価不飽和脂肪酸(EPA、DHA、α-リノレン酸など)を多く含む魚類(青魚)の摂取を増やす
  • 果物、海藻の摂取を増やす
  • アルコールの摂取を控える

アルコールには中性脂肪の増加を促進させる作用があり、アルコールを飲めば飲むほど、中性脂肪が上がってしまいます。血中の中性脂肪の値が高まるとともに、肝臓内に中性脂肪が蓄積して「脂肪肝」になってしまいます。

中性脂肪を下げるための食事では、脂質や糖質に加え、アルコールに対する節制も必要になります。

中性脂肪を下げる方法(2)運動療法

中性脂肪値が高くなるもうひとつの原因は、食事から摂ったエネルギーが消費されないことです。余分なエネルギーが中性脂肪となり、内臓脂肪や皮下脂肪として蓄積されるためです。余分なエネルギーを消費するためには、運動するしかありません。エネルギーを効率的に消費できる有酸素運動を行いましょう。中等度強度の運動を毎日30分以上行うことがすすめられています[1]。

  • 早歩き
  • ジョギング
  • 水泳
  • サイクリング
  • 社交ダンス
  • ベンチステップ運動

とはいえ、これらを毎日30分行うというのは、習慣化しないとなかなか続けられないものです。通勤時に一駅前で降りて早歩きする、エスカレーターを使わずに階段を昇る、買い物には車ではなく自転車で行く、というように、普段の行動を少し変えるだけでぐっと続けやすくなります。

中性脂肪を下げる方法(3)薬物療法

食事療法や運動療法をがんばっても中性脂肪の値が高いままの場合は、病院(一般内科、内分泌代謝内科、循環器科など)で薬物療法を行います(糖尿病や腎臓病などの持病をお持ちの方は早期から薬物療法が開始されることもあります)。脂質異常症で使われる薬剤はさまざまな種類がありますが、高トリグリセライド血症に対して一般的に使用されているのは下記の薬剤です[2]。

  • フィブラート系薬(主な商品名:ベザトール、トライコア、リポクリンなど)
  • ニコチン酸誘導体(ユベラN、ペリシット、コレキサミン)
  • 多価不飽和脂肪酸(エパデール、ロトリガなど)
  • スタチン(メバロチン、リポバス、ローコール、リピトール、リバロ、クレストールなど)
  • 小腸コレステロールトランスポーター阻害薬(ゼチーア)

人によって、高トリグリセライド血症だけ、コレステロールにも異常がある、副作用のリスクがあるなど、状況が異なります。医師がその人に合った薬を選びますので、指示通りに服用しましょう。なお、薬を飲んでいるからといって暴飲暴食をしては意味がありませんので、食事の改善や運動は続けていきましょう。

低い中性脂肪(29mg/dL以下)を改善する方法

ここからは、高トリグリセライド血症とは真逆の、「低トリグリセライド血症」について解説します。

どのくらい中性脂肪の値が低ければ低トリグリセライド血症か、というのは実は正式には決まっていません[3]。しかし、日本人間ドック学会では、中性脂肪値が29mg/dL以下だと「要注意」と判定されると記載しており[4]、このくらいが目安の値と考えていいでしょう。

中性脂肪が低いのは問題か?

低トリグリセライド血症の場合、中性脂肪の値そのものを問題視することはありません。本来、脂質が含まれる食事をすれば血中の中性脂肪の値は正常に保たれるはずなので、そうならないということは、何か別の原因があるかもしれません。低トリグリセライド血症を引き起こす病気として下記があげられます[3]。

  • 栄養障害
  • 吸収不良
  • 甲状腺機能亢進症
  • 肝硬変症
  • 無βリポタンパク血症、低βリポタンパク血症(ごくまれ) など

このように、中性脂肪値が29mg/dL以下の場合は、その原因を突き止めるための診察や検査が必要となります。一般内科や内分泌代謝科を受診し、原因に応じた治療を行うことで、中性脂肪値も改善することが期待できます。

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