高血圧の原因(5)遺伝

更新日:2017/11/10 公開日:2014/12/26

高血圧の原因

2010年のデータによると、30歳以上の日本人男性の60%、女性の45%が高血圧とされています。これだけ多くの人が患う高血圧は、遺伝するものなのでしょうか?ドクター監修の記事にて、高血圧と遺伝の関係性について解説します。

板東浩先生

この記事の監修ドクター

医師
板東浩先生

高血圧には、大きく分けて「本態性高血圧(ほんたいせいこうけつあつ)」と「二次性高血圧」があります。明らかな原因がない高血圧を、一次性高血圧または本態性高血圧としますが、高血圧患者の8割以上がこちらに分類するとされています。一方、高血圧を引き起こす病気にかかっているのが明らかな場合は、二次性高血圧に分類されます。

本態性高血圧は、各人の親から受け継ぐ異なった遺伝要因と、生活環境から生まれる要因により引き起こされる多因子遺伝病であるとされています。高血圧と遺伝の関係について、詳しく解説します[1][2]。

高血圧には遺伝子も関係している?

高血圧は、さまざまな生活習慣が複雑にからみあって発症するとされます。親から受け継いだと明らかに特定できる遺伝子については分かっていません。遺伝的な要因による影響は30%~70%と考えられています[1]。

血圧を上昇させる遺伝子「アンジオテンシノーゲン」とは?

すべての遺伝情報を対象とした研究でも、高血圧の決定的な遺伝子は特定できていません。複数の遺伝子の影響を受けているものと考えられています。例えば、「アンジオテンシノーゲン」と呼ばれる遺伝子に変異がある人は、食塩に反応して血圧が上がりやすいといったことも分かっています「3」。ほかにもATP2B1遺伝子といった高血圧につながる遺伝子が徐々に見つかってきています[1]。

高血圧の予防には生活習慣改善が重要

高血圧と遺伝の関係については解明されつつあることもあります。家族に高血圧患者がいる場合は、遺伝子の影響は30%~70%と考えられていますので、体質的に高血圧になりやすい可能性があります[1]。

普段から血圧を測っておくと、高血圧によるなんらかの疾患が発症した場合の、早期発見につながります。収縮期血圧140㎜Hg以上、拡張期血圧90㎜Hg以上の、どちらか一方でも当てはまれば高血圧ということになります。血圧の測定値は、人によっては医師の前だと緊張して普段とは違う値が出ることがあります。そのため、家庭で測定した血圧(家庭血圧)を常に記録しておき、異常が見られたらすぐに医療機関に相談することをおすすめします[1]。

医師の適切なアドバイスのもと、生活習慣の改善と投薬治療を進めることが大切です。塩分を

1日6g以下に抑えるほか、体重をBMI25未満に下げるといった減量も有効です。毎日30分を目標として運動に取り組むこともよいでしょう。飲酒や喫煙も行います。

※収縮期血圧と拡張期血圧について、詳しくは『高血圧・血圧が高い時の症状と対策』をご覧ください。

参考文献

  1. [1]日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会. 高血圧ガイドライン2014. 日本高血圧学会. 2014.
  2. [2]デニス・L・カスパーほか編. ハリソン内科学.第5版,福井次矢ほか監修. メディカル・サイエンス・インターナショナル. 2016; 1658-1673.
  3. [3]MedlinePlus. “High blood pressure” NIH. https://medlineplus.gov/ency/article/000468.htm(参照2017-10-27)
  4. [4]Katsuya T , et al. Salt sensitivity of Japanese from the viewpoint of gene polymorphism. Hypertens Res. 2003; 26(7): 521-5.

今すぐ読みたい