高血圧の人の食事(1)食事・食べ物の選び方のポイント

更新日:2017/05/17 公開日:2014/12/26

高血圧の予防・改善方法

高血圧の方は、食事や生活習慣の見直しが必須となります。高血圧の状態が続くと、さまざまな病気を引き起こす可能性が高まるため、早いうちから対策するようにしましょう。高血圧を改善、予防するための食事療法について、ドクター監修の記事でご紹介します。

高血圧を改善するには、普段の食事内容や生活習慣の見直しが必要となります。まずは、高血圧にならないための食生活について把握しましょう。

高血圧を予防・改善する食事療法とは?

高血圧を予防・改善するには、次にあげる点に配慮した食生活を送ることが重要です。

(1)適正体重を維持する

糖質過多、カロリーオーバーは、体重の増加につながります。肥満は、塩化ナトリウムの摂りすぎと同じくらい血圧を上げる原因になります。高血圧の人の中には、減量しただけで血圧が下がったという人もいるほどです。糖質過多にならない生活を心がけ、適正体重を維持するようにしましょう。適正体重については『BMI(肥満指数)の計算方法』をご覧ください。

(2)精製された塩分を摂りすぎない

精製された塩、つまり塩化ナトリウム(NaCl)の摂りすぎは血圧が上がる原因となるため、常に摂りすぎないようにすることが大切です。ただし、天然の塩には血圧を下げるマグネシウムも入っています。塩を使う場合は、なるべく精製されていないものを選んで使うようにしましょう。加工食品に含まれる食塩も合わせて、一日6gが摂取の目安です[1, 2]。

(3)飲酒は控えめにする

飲み過ぎは肝臓の負担になるだけでなく、血圧を上昇させ、脳卒中、心房細動などの発症リスクを高めることが知られています。ガイドラインでは、エタノール換算で男性20~30mL/日以下、女性10~20mL/日以下の節酒がすすめられています。男性では日本酒で1合[180ml]程度、ビールなら中瓶1本[500ml]程度で、女性はその半分程度の量にあたります[2]。

高血圧予防のために摂りたい食べ物

高血圧の予防や改善につながる食材を覚えて、食卓に積極的にとり入れるのも効果的です。以下に、代表的なものを紹介します。

タンパク質を多く含む食べ物

タンパク質を含む食材には、肉や魚、卵、大豆製品、牛乳などがあります。しかし、バターや肉の脂身などに含まれる動物性脂肪は、血液中のコレステロールを増やす働きがあります。一方、いわしやさんまなどに含まれる魚油や植物性脂肪などには血液中のコレステロールを減らす働きがあります[1]。肉だけではなく、魚や豆腐もバランスよく摂取しましょう。特に高血圧の予防や改善に効果がある成分としては、DHAとEPAが有名です。DHAとEPAには、血管壁を柔らかくする働きがあります。これにより血管壁が拡張しやすくなることで、血液がスムーズに流れ、血圧を下げることができるといわれています。また、抗炎症作用も併せもっています。

植物性栄養成分を含む食べ物

高血圧の予防に役立つ食品を摂取することも大切です。野菜や果物に含まれ、抗酸化作用のあるポリフェノールや、同じく抗酸化作用のあるカロテノイドは機能性成分と呼ばれています。緑黄色野菜には栄養が豊富というイメージがありますが、実際、黄色や赤色の色素は抗酸化作用のあるカロテノイドです。トマト、にんじん、ほうれんそう、かぼちゃなどを積極的に摂取するとよいでしょう[3]。

カリウムを含む食べ物

カリウムには、体内で不要になった水分や塩分を腎臓から排出させる働きがあります。腎臓の働きが低下してしまうと、体内に余分な塩分が残り、血圧が上がってしまいます。りんごやバナナ、ほうれん草、アボカド、パセリは、カリウムが多く含まれる食材としてよく知られています。しかし、腎臓の機能が低下している人は、摂り過ぎに注意しましょう。

血圧を下げるために知っておきたい調理ポイント

高血圧の予防と改善のためには、塩化ナトリウムを減らすことが基本です。なるべく少なくて済むように、出汁を濃い目にとる、お酢や柑橘類、スパイスなどで味にバリエーションをつけるなど、味付けを工夫してみましょう。また、加工食品はなるべく少なめにすることをおすすめします。また、塩を使うのであれば、マグネシウムなどを含む天然の塩を使いたいものです。

いつもの調理方法を少し変えるだけでも、おいしく減塩することができます。ぜひ、試してみてください。

参考文献

  1. [1]東京都病院経営本部. “食事療法のすすめ方 高血圧の食事” 東京都病院経営本部. http://www.byouin.metro.tokyo.jp/eiyou/kouketsuatsu.html(参照2017-05-16)
  2. [2]日本高血圧学会. “高血圧治療ガイドライン2014 電子版” 日本高血圧学会. http://www.jpnsh.jp/data/jsh2014/jsh2014v1_1.pdf(参照2017-05-16)
  3. [3]独立行政法人 農畜産業振興機構. “野菜の機能性成分” 独立行政法人 農畜産業振興機構. https://www.alic.go.jp/content/000087181.pdf(参照2017-05-16)
  4. [4]大日本住友製薬. “高血圧予防-カリウム摂取” 健康情報サイト. http://kanja.ds-pharma.jp/health/ketsuatsu/complete/lifecustom/lc04.html (参照2017-05-16)

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