妊娠検査薬のメカニズムと正しい使い方

更新日:2016/12/15 公開日:2015/01/30

妊娠検査薬

妊娠したかどうかを調べることのできる妊娠検査薬。近年では、多くの人が病院で調べてもらう前に使用しています。ここでは、ドクター監修のもと、妊娠検査薬の仕組みや精度、正しい使い方や検査できる時期などについて解説します。

ヘルスケア大学参画ドクター

この記事の監修ドクター


ヘルスケア大学参画ドクター

妊娠が発覚して一喜一憂する主人公…TVドラマや映画のワンシーンで見かけることがある妊娠検査薬。ですが、実際の日常生活にはあまり頻繁に登場するものではないので妊娠するまでよく知らなかった方という方も多いでしょう。

ここでは、妊娠検査薬のメカニズムと正しい使い方について紹介します。

こんな場合は妊娠しているかも?妊娠超初期症状をセルフチェック

代表的な妊娠超初期症状としては、以下のようなものがあります。

・基礎体温が高いまま下がらない

・体がだるい

・強い眠気

・乳房の変化(張る、敏感になる、痛みを感じる)

・イライラしやすくなる、涙もろくなる

・トイレが近くなる

・便秘もしくは下痢になる

・吐き気を感じる

・頭痛がする

・においに敏感になる

・下腹部が痛む

これらの症状が引き起こされるのは、妊娠を継続するために必要なプロゲステロン(黄体ホルモン)が増加することが原因です。しかし、これらは実は生理前の症状に非常によく似ています。そのため、これらの症状に思い当たることがあっても、妊娠しているかどうかの判断をゆだねる材料としては弱いと言えます。

どうやって判定するの?妊娠検査薬のメカニズムについて

女性の体内では、妊娠すると胎盤の一部から妊娠を示すホルモン(hCG:ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)が分泌されます。hCGホルモンは、受精卵が卵管を通って子宮に着床してから徐々に分泌され、数日経つと尿の中に出るようになります。妊娠検査薬は、このhCGホルモンがどのくらい尿に含まれているかを調べ、妊娠しているかどうか判定します。

検査薬の精度はどれくらい?

市販されている妊娠検査薬は、ほとんどが99%以上という高い精度を持っています。

ただし、以下の場合によっては正確に判定できないこともあります。

生理予定日を勘違いして使用した

手順を説明書通りに行わなかった

ひどくにごっており、異物や血が混じっている尿を使用した

妊娠検査薬の正確な判定には、正しい時期に取扱い説明書通りの方法で、にごりのない尿を使用することが大切です。

妊娠検査薬の正しい使い方

市販されている多くの妊娠検査薬は、生理予定日の約1週間後から検査可能となっています。これは、それ以前に検査をすると尿内に排出されるhCGホルモンが判定可能な量に達していない可能性があるためです。妊娠検査薬は、尿の採取部分がスティック状になっているので、採取部分に直接、尿をかけるか、あらかじめコップにとった尿の中に浸しましょう。検査薬を水平な場所に置いて数分待つと、妊娠反応の有無がわかります。

正常妊娠でない場合でも陽性反応が出るときがある?

以下のような場合は、陽性反応が出ることがあります。

・子宮外妊娠

受精卵が子宮ではなく卵巣や卵管、周辺の筋肉などに着床してしまうことで起ります。子宮外妊娠に気づかず放置すると、受精卵が着床した組織が破裂し、大出血につながる恐れがあります。

・流産

妊娠が継続できなくなった状態を流産と言いますが、流産していても子宮の中に胎盤などが残っていると、妊娠検査薬で陽性反応が出る場合があります。

・胞状奇胎

胎盤を作る絨毛組織の一部が粒状になって増殖してしまう異常妊娠のことです。この場合、胎児は育つことができないため、掻爬(そうは)して病巣を取り除く必要があります。

この他、性腺刺激ホルモン剤の投与を受けている場合や、極度の糖尿などの場合でも陽性反応が出る場合があります。

本当は妊娠しているのに、「陰性」と判定されていることも

以下のような場合、実際は妊娠していても、結果が陰性となることがあります。

・生理の周期が不規則

・生理予定日の日数計算を間違えていた

・フライング検査だった(生理予定日の1週間より前だった)

・採尿の前、大量に水分を摂取していた(尿中のhCG濃度が薄まっていた)

・異常妊娠(子宮外妊娠など)をしている

・胎児異常(胎内死亡、稽留流産など)の場合

・胞状奇胎など、何らか理由で大量のhCGが分泌されている

精度が高い妊娠検査薬とはいえ、さまざまな原因によって陰性か陽性かが逆になってしまうことがあります。たとえ最初の検査で陰性結果が出ても、数日経つと陽性になるような場合もありますので、周期通りに生理が始まらないような時は、再検査をしてみてください。

すぐ知りたい方には、早期妊娠検査薬がおすすめ

通常の妊娠検査薬では、妊娠を示すhCG(ヒト絨毛性性腺刺激ホルモン)の尿中濃度が一定量にならないと妊娠したかどうかを判別できません。つまり、これより前に使用しても、検出できるホルモン量が少ないため、結果に信用がおけないということです。それでも、少しでも早く精度の高い結果を得たい場合は、「早期妊娠検査薬」を使います。

早期妊娠検査薬は、hCGホルモンに対する感度が高いため、標準タイプの検査薬より1週間早い「生理開始予定日」から使用可能です。標準タイプの妊娠検査薬の判定可能なhCGホルモン濃度が50mIU/mLであるのに対し、早期妊娠検査薬は25mIU/mLとなっています。

陽性反応が出たら、すみやかに病院へ

着床正常な妊娠とは、超音波で子宮の中に胎児の袋(胎嚢)を確認し、心拍が確認された状態を指します。病院に行って超音波で調べてもらわないと、正常な妊娠かどうかはわかりません。また、たまに妊娠ではなく病気が発見されるケースもあります。検査薬で陽性が出たら、できるだけ早く産婦人科を受診しましょう。

妊娠が判明したら、まず葉酸を摂取

葉酸は妊娠初期に不足すると、胎児に神経管閉鎖障害が起こるリスクが高まります。そのため、厚生労働省では妊婦が1日に摂取するべき葉酸の量について目安を定めています。

妊婦に必要な葉酸の摂取量

妊婦が1日に摂取したい葉酸の推奨量は「480μg」です。非妊時の場合は240μgですから、通常の2倍もの葉酸が必要ということになります。(※μg=マイクログラム)

遺伝子情報をもつDNAで構成された核酸の合成を助け、細胞の分裂や増殖を促す作用がある葉酸は、胎児が成長するために欠かせない栄養素です。特に、胎児の脳や脊髄の基礎となる神経管が作られる妊娠7週目までに重要な役割を果たし、この時期に不足すると、先天異常(神経管閉鎖障害)を起こすことがあります。

胎児は受胎直後から活発に細胞分裂を進め、妊娠2か月目(4~7週目)には脳や脊髄の神経細胞の約8割が作られます。そのため、厚生労働省では「妊娠する1か月以上前から妊娠3か月まではしっかり摂取するのが望ましい」としています。

妊娠を希望している方や妊娠の可能性のある方は、普段から葉酸の積極的な摂取を心がけておきましょう。

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