ものもらい(霰粒腫・麦粒腫)の原因と予防法

更新日:2016/12/15 公開日:2015/02/03

ものもらいの原因と症状

まぶたにかゆみや痛みを感じる「ものもらい」(霰粒腫・麦粒腫)。突然発症することが多い目の病気ですが、どんなことが原因で起こるのでしょうか? ここでは、発症の原因と日常生活の中でできる予防法についてドクターが解説します。

ものもらいの種類

「ものもらい」とは、まぶたの脂や汗を出す分泌腺に細菌が感染したり、脂肪が詰まることで起こる、急性の炎症のことです。まぶたの一部が赤く腫れ上がり、まばたきをしたり指で押したりした際、痛みをともなうのが一般的です。患部が広がるとまぶた全体が腫れ、痛みだけでなく、目やにが出たり、目が赤くなったり、かゆみが出たり、目がゴロゴロするなどの症状も見られます。

一般的には「ものもらい」と呼んでいますが、実は「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」と「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」という2種類の病気を合わせた総称になり、それぞれ、原因や症状、治療法も異なります。

脂肪が詰まる「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」

まつげの生え際には、目を保護するための脂を分泌する「マイボーム腺」という器官があります。「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」は、このマイボーム腺に脂肪が詰まることが原因で、まぶたが腫れたり、しこりができる病気です。

霰粒腫自体は無菌性の炎症なので、腫れてしこりができるだけなら痛みはさほどありませんが、そこに細菌が感染して悪化すると、患部が化膿して赤く腫れ、痛みをともなうこともあります。腫れて痛い場合は脂肪が自然に吸収される場合もありますが、痛くないからと放置してしまうと、かえって悪化してポリープ状の肉芽(イボのように硬くなった組織)になり、なかなか吸収されずに残ってしまうこともあります。

雑菌に感染する「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」

脂肪が溜まる「霰粒腫」と異なり、まぶたの表面についている細菌が、まぶたの分泌腺や毛穴に入り込み、感染して化膿したり膿が溜まるものが「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」です。はじめは痛かゆい感じが続きますが、次第にまぶたが赤く腫れあがり、まばたきをしたときなどに痛みを感じるケースが一般的です。目が充血し、ゴロゴロするといった症状が出ることもあります。

「麦粒腫」の中でも、まぶたの外側の皮膚面にできる「外麦粒腫」と、まぶたの内側(結膜面)にできる「内麦粒腫」に分類されます。両方とも、患部に膿をもった点(膿点)ができますが、それが破れて膿が出ると、徐々に治癒へ向かっていきます。

「霰粒腫」と「麦粒腫」の見極めが大切

ものもらいと言っても、「霰粒腫」と「麦粒腫」でそれぞれ多少治癒方法が異なるため、どちらかの判断がつかない場合は、ドクターによる診断が必要です。

どちらもまずは、抗菌剤や抗炎症剤の点眼を処方します。「霰粒腫」が大きく硬くなってしまったら、切開し周囲の袋ごと切除します。「麦粒腫」が大きく膿んで来たら、針で穿刺し、排膿すれば治癒が早まります。どちらであっても、大きくなったり痛みが増してくるようであれば眼科を受診しましょう。

ものもらいになる原因とは?

ものもらいとは「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」と「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」という2つの病気を総称したものです。両方とも、まぶたにかゆみや痛みをともなうなど症状はよく似ていますが、原因は異なります。

(1)「霰粒腫」ができる原因

まつげの生え際には、目を保護するために脂を分泌する「マイボーム腺」という器官があります。このマイボーム腺に脂肪が詰まることが原因で炎症し、まぶたが腫れたり、しこりができる病気が 「霰粒腫」です。

(2)「麦粒腫」ができる原因

「麦粒腫」は、まぶたの表面についている細菌が、まぶたの分泌腺や毛穴などに入ってしまうことで、菌に感染して発症します。症状がひどくなると、化膿してしまうことも。その中でもまぶたの外側にあたる皮膚面にできる「外麦粒腫」と、まぶたの内側(結膜面)にできる「内麦粒腫」に分類されます。

ものもらいの悪化を防ぐには

眼帯は不要

そもそも眼帯とは、眼病の時に異物から眼を守るために用いるもの。目にあてた清潔なガーゼや布を固定するため、ゴムを耳にかけます。ものもらいになった際、眼帯をしている方がいるようですが、眼帯は「あえてしなくてもよい」どころか、さらに悪化させてしまう可能性があるため、眼帯をせずに治療することをおすすめします。

なぜなら、眼帯をすることで、目のまわりに細菌が繁殖しやすくなり、細菌が住みやすい環境を作ってしまうのです。また、ものもらいは他人に移ることはないため、第三者への配慮も必要ありません。

コンタクトレンズの使用は控える

ものもらいを発症し、赤く腫れ上がる原因は「細菌」の仕業。具体的には「黄色ブドウ球菌」と呼ばれる菌で、その黄色ブドウ球菌が異常繁殖してしまうのが、ものもらいの原因です。ソフトコンタクトレンズは水分を含んでいるため、細菌にとってみればスポンジのような存在。菌が繁殖しやすい場所になってしまうのです。ソフトコンタクトレンズの装着は、菌に「もっと繁殖しろ」と繁殖を推進しているようなもので、治りにくくなるだけでなく、さらに症状が悪化してしまいます。

逆に、ハードコンタクトレンズは水分が含まれていないため、細菌が繁殖しずらく短時間ならよいといわれる場合もありますが、清潔を保つことが大前提です。

ものもらいを予防するために

「ものもらい」を発症しないためには、日常生活の中で、目やその周辺を清潔に保つことがとても大切です。

(1)目の周りをいつも清潔に保つ

まつげの根元は、もともと雑菌がたまりやすい場所です。汚れた手指やタオルなどで目をこすると、そこから細菌が入り込んでしまいます。目の周りはいつも清潔に保つようにしましょう。

(2)コンタクトレンズは清潔に管理する

コンタクトレンズを使用する方は、コンタクトレンズに雑菌が付着しないよう、清潔に管理してください。コンタクトレンズの使用期限を守らなかったり、ケアを怠ると、レンズを介して細菌が目に入り込んでしまいます。

(3)入浴はシャワーだけでなく、湯船に浸かる

シャワーだけで済ませてしまうと、まぶたが温まらず、マイボーム腺の出口がつまり気味になってしまいます。40度前後の湯船に10~15分程度つかり、体もまぶたもしっかり温めてあげましょう。

(4)前髪は目にかからないようにする

前髪が目にかかる長さだと、菌が髪からまぶたに付いてしまうケースがあります。前髪は切る・止めるなどして、目やまぶたにかからないようにしておくことが予防になります。

(5)女性の場合はアイメイクに注意する

女性の場合、化粧がマイボーム腺に入り込み、腺の入口を塞いでしまうことがあります。濃いアイラインは避け、しっかりとメイク落とすよう心がけ、目に負担がかからないようにしましょう。

(6)炎症を悪化させる食品に注意する

刺激の強い食べ物や、エビ・カニなどの甲殻類、アルコール類は、ものもらいの炎症を悪化させる傾向があります。目に違和感を覚えるときは、控えめにしましょう。

ものもらいの原因と予防についてまとめ

症状が軽い場合、市販の目薬で治療をすることもできます。腫れがひどかったり、治りにくい場合、早く治したい、また、ひどく腫れる危険があるときは、早めに眼科を受診し、薬(点眼・内服・眼軟膏)の処方を受けてください。