ものもらい(霰粒腫・麦粒腫)の感染について

更新日:2017/03/06 公開日:2015/02/03

ものもらいの原因と症状

ものもらいと聞くと、誰かからうつるものという印象がありますが、実際のところはどうなのでしょうか。また、感染や発症を防ぐために日常生活の中では、何に注意すればよいのでしょうか。ドクター監修の記事で、詳しく解説します。

別名「めばちこ」とも呼ばれるものもらいには、脂肪が詰まる「霰粒腫(さんりゅうしゅ)」とマイボーム腺以外の分泌線に雑菌が感染しておこる「麦粒腫(ばくりゅうしゅ)」の2つのタイプがあります。

ものもらいとは

「霰粒腫」を発症した場合、まつげの生え際にある「マイボーム腺」に脂肪が詰まることによって、白いできものや腫れが起こります。炎症をともなわない場合には痛みを感じることはありませんが、細菌感染した場合には徐々に化膿し、痛みをともなうことがあります。

対して、炎症をともなう場合には、脂肪が自然に吸収されることもあります。しかし、症状が悪化してくると、カプセルのような膜に脂肪が包まれてしまうことがあります。このような場合には、手術で切開する必要が出てくるケースもあります。

マイボーム腺以外の分泌腺に雑菌が感染する「麦粒腫」は、まぶたも赤く腫れあがる、まばたきをするだけでも痛みを感じるなどの症状がみられます。このタイプのものもらいを発症した場合には、点眼薬などによる治療が必要となります。

ものもらいはうつるの?

雑菌による炎症や、脂肪の固まりが原因である「ものもらい」は、伝染性ではないため、人から人へうつることはありません。ものもらいという病名からか、伝染するイメージを持たれることがあります。しかし、原因となっているのは、誰の肌にも存在する可能性のある細菌が、なんらかのきっかけで分泌腺の出口からまぶたに入り込み、炎症を起こしてしまうものなのです。

家族や親しい方がものもらいになったからと、あまり神経質になる必要はありません。

うつるとされているのは、「はやり目」と呼ばれるウイルス性の結膜炎です。「はやり目」と違い「ものもらい」は、通常の体力がある場合にはうつることは考え難いとされています。

うつる可能性があるのは「はやり目」

俗に「はやり目」と呼ばれる目の病気には、「流行性角結膜炎」「咽頭結膜熱(プール熱)」「急性出血性結膜炎」の3つがあげられます。

手を介して感染する「流行性角結膜炎」と、小児が主に感染する「咽頭結膜熱(プール熱)」は、風邪を引きおこすウイルスの一種といわれる「アデノウイルス」が感染して起こる結膜炎です。さらに、激しい出血症状をともなう「急性出血性結膜炎」は「エンテロウイルス」の感染が原因です。

これらは感染力がかなり強く、結膜炎にかかった目を触った手で他の人の目を触れば、ほぼ100%の確率で感染するともいわれていますし、タオルなどを介して触れても感染する可能性が非常に高いものです。

結膜だけでなく、角膜(黒目)にも炎症が広がると、角膜の一番表層の細胞層が傷ついたり、淡く濁ったりすることもあり、治療が遅れると角膜に瘢痕(はんこん)が残ることもあります。

「はやり目」にかかった場合は、点眼加療と併行して、ほかの人にうつさないためにも、学校や会社は休んで安静にしてください。家族が発症した場合には、患者以外の人も石けんで丁寧に手を洗い、タオルも別にし、蛇口の取っ手は熱湯消毒をするなど予防をしてください。患者専用の使い捨てペーパータオルやティッシュペーパーを用意するようにしましょう。

また、入浴は避け、症状が軽くなってきた場合でも、最後に入るようにしてください。

流行性角結膜炎の治療法

ウイルスに有効な医薬品がないため、栄養補給を十分に行い、休息をとってウイルスへの抵抗力を高めることが大切です。また、二次感染を防ぐために抗菌点眼をしたり、低濃度のステロイド点眼をしたりすることで炎症を抑える治療を行います。

また、非常に感染力が強いため、完治するまでの出席や出勤は禁止されています。特に、医療関係者や学校、幼稚園、保育園、飲食関係、老人ホームなどの関係者は注意しましょう。

咽頭結膜熱(プール熱)の治療法

流行性角結膜炎と同様に、ウイルスに有効な医薬品がないため、自然治癒を待つしかありません。咽頭結膜炎の場合は発熱をともなうため、脱水を防ぐための水分補給が大切です。口あたりのよい電解質を含む飲料がおすすめです。

咽頭結膜熱は学校保健法で「第二種伝染病」に指定されています。そのため、発熱や眼球結膜の充血、のどの痛みなどといった諸症状がなくなってから2日間経過するまでは、出席停止となりますので注意しましょう。

急性出血性結膜炎の治療法

こちらの場合にも有効な点眼薬はありませんが、ウイルスに感染して弱った目に細菌などによる二次感染が起こらないよう、抗生物質と抗炎症薬の点眼を行います。治療には1~3週間ほどかかりますが、十分な休養を取ることが大切です。また、他人にうつしてしまわないよう、注意しましょう。