不妊の原因にも! 生理で貧血になるメカニズム

更新日:2017/05/16 公開日:2015/01/30

貧血の基礎知識

生理時に起こる貧血は「虚血性貧血」と呼ばれ、一般的な鉄不足とはタイプが異なります。「虚血性貧血」についての解説に加え鉄分不足が不妊を引き起こすメカニズムについて、ドクターによる監修のもと解説します。

ヘルスケア大学参画ドクター

この記事の監修ドクター


ヘルスケア大学参画ドクター

貧血になりやすい女性

生理中に貧血が起こるのは、経血が直接の原因と考えている人が多いのではないでしょうか? 実は、失血や鉄分不足とは違う、生理特有の貧血を起こすメカニズムがあるのです。また女性なら知っておきたい、貧血が不妊につながるメカニズムも紹介。同じ貧血症状でも原因はさまざまです。それらを理解した上で、適切な治療や処置をすることが大切です。

女性は貧血になりやすい

毎月の生理や出産時の出血、妊娠・授乳期には鉄の必要量が増えるなど、女性には貧血になりやすい条件がいくつも揃っています。特に妊娠中は、体内の鉄分が優先的に胎児や胎盤の維持に使われ、授乳期になると赤ちゃんに必要な鉄分は母乳から補給するようになるので、母体に鉄分が不足し、貧血を起こしやすくなります。また、若い女性に多く見られる無理なダイエットや偏食も、たんぱく質や鉄分、鉄分の吸収を助けるビタミンCを不足させ、貧血を助長させる原因として挙げられます。

成人女性は生理で毎月17mg、日々の排泄も合わせると月40mgもの鉄を失っています。失った鉄は食べ物から補うのですが、鉄は吸収されにくい栄養素なので、食事摂取基準では1日約10.5mgの摂取が必要とされています。これを食品に換算すると、生レバーの場合は約260g、ほうれん草の場合は約2束に相当します。

血液が子宮に集まることで起こる虚血性貧血

貧血の中で最も多く見られる症状は「鉄欠乏性貧血」ですが、生理中に起こる貧血は「虚血性貧血」に当てはまります。これは、本来脳に行くはずの血液が子宮に集まり、脳への血液供給量が局所的に少なくなるために起こる症状。生理の時に頭痛になりやすいのも、これが原因と言われています。

この虚血性貧血の症状は一時的で、生理が落ち着くと血流バランスが整うので症状は治まります。そのためあまり心配する必要はありませんが、もし慢性的に貧血が続くようであれば気を付けて。貧血を放っておくと、心筋梗塞などの重大な病気を引き起こす恐れがあるため、油断は禁物です。

鉄分不足は不妊の原因にも!

主に鉄分の不足で起こる貧血。貧血は生理不順を引き起こしやすくなり、生理不順が続くと不妊の原因になることもあります。鉄分不足になると、子宮を妊娠しやすい状態にする黄体ホルモンの分泌が低下し、不妊になりやすくなってしまうことも分かっています。また鉄分は、抗酸化酸素の働きにも欠かせません。抗酸化酸素は、卵子にダメージを与える活性酸素を消去する働きを担っています。