歯周病の原因「歯周病菌」の種類と殺菌・除菌方法

更新日:2016/12/15

歯周病(歯槽膿漏・歯肉炎)の原因と症状

歯周病は、歯の周りについたプラークやバイオフィルムに潜む歯周病菌に感染することで起こる感染症です。今回は、歯周病菌の種類や、それを取り除く方法を、ドクター監修のもとご紹介します。

歯周病の基礎知識

まずは、歯周病の基礎知識について、ご紹介します。

歯周病とはどんな病気か

「歯周病」とは、歯を支えている歯茎や骨などが、炎症によって徐々に侵されていく病気のことです。以前は、歯茎から膿が出るという症状から、「歯槽膿漏(しそうのうろう)」と呼ばれていましたが、ほかにもさまざまな症状があるので、正式名称が「歯周病」に改められました。

歯周病の進行過程

歯周病は、進行具合によって「歯肉炎」と「歯周炎」に分けることができます。

歯肉炎とは、歯肉が炎症を起こし、赤く腫れた状態のことです。この歯肉炎を放っておくと、歯と歯茎の間に「歯周ポケット」という深い溝ができ、そこにも、細菌が繁殖します。

細菌の毒素や酵素によって歯周ポケットが深くなると、やがて歯を支えている骨(歯槽骨)までが溶ける歯周炎へと進行していきます。

歯周炎になると歯肉が下がって歯の根元部分が見えるようになり、歯周ポケットから膿が出て、口臭もひどくなります。そして、歯槽骨がさらに溶けると、歯がグラグラするようになり、最終的には歯が抜け落ちてしまうのです。

歯周病の原因はプラークやバイオフィルムの細菌

「歯周病」は、細菌によって引き起こされる感染症です。歯磨きが不十分で口の中が不衛生だと、歯の周辺に「プラーク(歯垢)」というネバネバした物質がへばりついてしまいます。プラークは、細菌や細菌が生み出した代謝物が固まったもので、1mgに1億個もの細菌が存在し、500種類以上にも及ぶといわれています。

プラークをそのままにしていると、細菌が増殖して「バイオフィルム」という膜をつくります。台所やお風呂場の排水口を掃除しないでいると、ヌルヌルしたものがへばりつくことがありますが、これもバイオフィルムの1つです。バイオフィルムは細菌同士が寄り集まり、スクラムを組んでいるような状態なので、抗菌剤や抗生物質などの薬剤や体の免疫細胞である白血球でさえ、その中に入り込むことができません。また、強力な付着力を持ち、歯の周りにベッタリと張りついているのでなかなか落ちません。このため、バイオフィルムの中で細菌がどんどん増殖し、徐々に歯肉を蝕んでいくのです。

歯周病菌には2種類ある

プラークやバイオフィルムの中に棲んでいる細菌のうち、歯周病菌は30種類ほどいるといわれており、性質によって大きく2種類に分けることができます。

好気性菌

1つは、酸素を好む性質がある「好気性菌」といわれる細菌たち。好気性菌は酸素がないと生きていけないので、歯肉の表面にへばりついて歯肉を攻撃し、「歯肉炎」を起こす原因となります。

嫌気性菌

もう1つは、酸素を嫌う性質がある「嫌気性菌」といわれる細菌たち。嫌気性菌は、酸素が届かない歯と歯肉のすき間に潜り込んで毒素や酵素を分泌し、歯肉の内側や歯槽骨を攻撃して「歯周炎」を起こす原因になります。

歯周病菌の予防とプラークやバイオフィルムを取り除く方法

基本はブラッシング

歯周病を予防・改善するためには、歯周病菌の温床になっているプラークやバイオフィルムを取り除くことが重要です。でも前述のとおり、プラークやバイオフィルムは歯や歯肉にへばりついているので、うがいをした程度では洗い流すことができません。特に、バイオフィルムの場合は抗菌剤や抗生物質なども効かないので、とてもやっかいです。

では、一体どうすればよいのかというと、もっとも有効なのは「機械的に取り除く」こと。具体的には、毎日の歯磨きでこすって落とすことです。また、どんなにていねいに歯磨きをしても、歯と歯の間は歯ブラシが届きにくくプラークが残りがちですので、デンタルフロスも使うようにしましょう。

禁煙をこころがける

ニコチンや一酸化炭素、タールなどの有害物質が含まれています。二コチンや一酸化炭素は歯茎の血行を悪くして、歯周病菌に対する抵抗力を低下させます。また、タールはヤニとして歯に付着するので、そのうえにプラークを付着させやすくします。歯周病を予防するためには、禁煙するようにしましょう。

ストレスを溜めない生活

ストレスは、歯周病の発症や悪化の原因になります。趣味を楽しんだり、適度な運動で体を動かしたり、ゆっくりお風呂に入ってリラックスしたりするなど、ストレスを溜め込まない工夫が必要です。睡眠不足もストレスにつながるので、十分な睡眠をとり、心身を休めることも大切です。

鼻呼吸…口で呼吸をしていると口の中が乾燥して、歯周病菌が繁殖しやすくなります。口を閉じて、鼻で呼吸をする習慣を身につけましょう。

まとめ

ただし、どんなにていねいに歯磨きをしても、歯と歯肉のすき間の奥深くに付着したプラークやバイオフィルムは、取り除くことができません。嫌気性菌を除去できるように、歯科医院で、歯のクリーニング「PMTC」(Professional Mechanical Tooth Cleaning)をしてもらいましょう。バイオフィルムは一度取り除いても、3〜4か月ほどでまたできてくるといわれているので、半年に1回は定期的に歯科医院を受診することをおすすめします。

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