二日酔いの原因と予防法、なってしまったときの対処法

更新日:2017/12/01 公開日:2015/03/03

二日酔いの原因と基本的な対処法

頭痛、吐き気など、さまざまな症状を引き起こす二日酔い。つい飲みすぎて二日酔いになってしまったときは、どのように対処すべきなのでしょうか。ドクターの監修のもと、二日酔いのメカニズムや予防法、対処法についてご紹介します。

頭痛や吐き気などをともなう二日酔い。できる限りなりたくないものです。今回は、二日酔いの予防法や対処法について解説します。正しい知識をもとに、二日酔いにならないお酒の飲み方を身につけましょう。

二日酔いとは

二日酔いの症状は、よく知られているように、頭痛、胃腸症状(悪心、嘔吐など)、睡眠障害、感覚や認知の障害、うつ気分、自律神経症状など、さまざまです[1]。

二日酔いの原因は、当然ながらお酒の飲みすぎですが、それを引き起こすメカニズムはまだよくわかっていません。二日酔いのメカニズムとして、アルコールの軽度の離脱症状(依存性のある物質の使用を中止することから起こる病的な症状)のほか、ホルモン分泌の変化による利尿・脱水・低血糖、体液が酸性に傾くこと、炎症反応の亢進、生体リズムの不調、胃腸障害、アセトアルデヒド、メタノール、酒に含まれる不純物など、さまざまな要因があげられています。これらの要因が複雑にからみあって二日酔いが引き起こされると考えられています[1]。

また、以下のようなことがあると二日酔いの症状が重くなりやすいとされています[2]。

  • 大量にお酒を飲んだ
  • 食事をせずにお酒を飲んだ
  • 睡眠不足だった
  • お酒を飲んでいるときにたくさん運動した
  • 脱水傾向にあった
  • 健康状態が悪かった

二日酔いの予防法

二日酔いにならないために、どのような予防法があるのでしょうか。

節度ある適度な飲酒を心がける

二日酔いを予防するには、何よりも飲み過ぎないことが一番です。「節度ある適度な飲酒量」は成人男性で1日あたりビール 500ml または日本酒 1 合弱(アルコール20g)以下とされています。女性や高齢者、飲酒して顔が赤くなる(お酒を分解する力が弱い)人は、より少ない量にするよう推奨されています。なお、男性でビール 1000ml または日本酒約 2 合(アルコール40g)以上、女性でビール 500ml または日本酒1 合弱(アルコール20g)以上では、生活習慣病のリスクを高めると言われています[3]。

アルコールの摂取量を減らす

アルコールの摂取量を減らすために、さまざまな工夫が考えられます[4]。次のうち、取り組みやすいことから始めてみましょう。

  • 飲酒する時間や飲酒量の上限を決める
  • アルコール度数の低い酒に変える、水で割って薄める、合間に水を飲む
  • のどが乾いた時やお腹のすいた時に飲酒しない
  • 小さいコップでゆっくり飲む
  • 1 口飲んだら、コップは必ずテーブルにおく
  • 飲酒前にノンアルコールドリンクを飲む
  • まず料理を食べておなかをいっぱいにする
  • 飲酒中に、飲んだ酒量をチェックする
  • お酒を飲みすぎてしまう相手と場所を避ける
  • 周りの人に目標を宣言して協力してもらう
  • 大量飲酒は健康を害することを思い出す

寝る前に水分を補給

お酒を飲んだ後は、アルコールの利尿作用のために脱水症状を起こしやすくなっていますので、寝る前に水を1杯飲む習慣を付けましょう。水分の吸収を高めたり、低血糖に対応するという点では、スポーツドリンクもおすすめできます。

二日酔いの対処法

二日酔いにならないような飲み方をするのが一番ですが、もし二日酔いになってしまった場合はこれから紹介するような対処法をとっていきましょう。

まずは水分補給が重要

残念ながら、二日酔いに特効薬はありません。飲み過ぎたことを反省しつつ、水分をたくさん摂りましょう。アルコールで失われた水分を補給でき、アルコールの血中濃度を多少は下げることができます[5]。スポーツドリンクは体内への吸収がよく、尿として排泄されてしまったナトリウムやカリウムなどの電解質を補給できます。

なお、嘔吐(おうと)した際は、アルコールとともに胃液も食道を通ります。この胃液で食道の粘液が溶けてしまい、一過性の逆流性食道炎が起きることがあります。この症状を軽くするには、水を飲んで粘膜に付着した消化液を洗い流すことが有効です。

水を受けつけないほどの吐き気がある場合は、横になって身体を休めるようにしましょう。

二日酔いの症状によいといわれる食べ物

グレープフルーツや柿などの果物に含まれる果糖はアルコールの分解をいくらか助ける効果があります[5]。また、二日酔いの頭痛にはコーヒーに含まれるカフェインが有効といわれています[6]。

二日酔いのときはほとんど胃が動いていません。胃腸薬で胃を刺激することでもたれやむかつきを抑えることが期待できます[5]。症状が落ち着いてきて食べられるようになったら、少しでも二日酔いを早く治すような物を摂りたいと思うのは誰しも考えるでしょう。一般的に、しじみ、あさり、トマト、ウコン、ゴマ、大豆などが二日酔いに良いと言われていますが、二日酔いからの回復を早めるという治療効果については科学的検証がしっかりなされているものは少ないのが現状です[2]。

なお、英国プリマス大学医学部のPittler氏らが二日酔いに対する治療効果が期待される5つの健康食品について調べたところ、科学的に検証された食品としてγ-リノレン酸を見出しました[7]。このγ-リノレン酸はうずら卵やピータン、青魚(いわし、さば、さんま)などに多く含まれています。

二日酔いに明らかに効果のある治療法は今のところ存在しません[2]。お酒と正しく付き合うことが、いちばんの二日酔い予防になります。

参考文献

  1. [1]樋口進. “二日酔いのメカニズム” e-ヘルスネット. https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/alcohol/a-03-005.html(参照2017-06-11)
  2. [2]樋口進. ”二日酔いの科学” 第197回アルコール関連問題予防研究会
  3. http://al-yobouken.com/pdf/H21/PREVENTION_NO197.pdf(参照2017-06-11)
  4. [3]長徹二. “市民のためのお酒とアルコール依存症を理解するためのガイドライン.平成27年度厚生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業(障害者政策総合研究事業(精神障害分野))” 三重県
  5. http://www.pref.mie.lg.jp/common/content/000646195.pdf(参照2017-06-11)
  6. [4]国立病院機構 久里浜医療センター. “飲酒量を減らす方法. 酒量を減らすための介入ツール” 国立病院機構 久里浜医療センター. http://www.kurihama-med.jp/info_box/al_4_4_6.pdf(参照2017-06-11)
  7. [5]松下幸生. “宴席での飲酒―飲む前にしっておいてほしいこと” アルコール健康医学協会NEWS&REPORTS,No.2(平成24年11月号). http://www.arukenkyo.or.jp/book/all/pdf_nr/nr_18_02.pdf(参照2017-06-11)
  8. [6]全日本コーヒー協会. “Q.9 コーヒーは二日酔いに効くの?コーヒーと健康” 全日本コーヒー協会. http://coffee.ajca.or.jp/webmagazine/health/health_qanda/q-9(参照2017-06-11)
  9. [7]Pittler MH, et al. Interventions for preventing or treating alcohol hangover: systematic review of randomised controlled trials, BMJ. 2005; 331(7531): 1515-1518

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