便秘で1週間お通じがない時の正しい対処法

更新日:2017/02/26 公開日:2015/03/31

頑固な便秘の原因と解消法

便秘に慣れてしまうと、1週間以上お通じがなくても放置してしまう人が少なくないようです。しかし、長引く便秘は時に命の危険につながることも。お通じの正しいリズムを取り戻す方法を、ドクター監修の記事でご紹介します。

苦しさを感じないから、慣れてしまったからなどの理由で、1週間以上お通じがなくても何の対処もしていないという方はいませんか?便秘が長引くと、思わぬ大きな病気を招く可能性もあります。お通じのリズムを取り戻すさまざまな改善方法と、長引く便秘の危険性について、詳しくお伝えします。

正常なお通じの基本は健康的な生活習慣

軽めであろうが頑固であろうが、便秘を解消させる基本は同じです。「食事療法」と「生活習慣の改善」により、「腸内環境を整えること」以外にありません。

食事療法による改善

腸内環境を整えるためには、まず便のもととなる食事を見直すことが大切です。以下に、意識したい食生活についてまとめました。

  • 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく摂る。
  • 善玉菌を増やすよう、発酵食品、ビフィズス菌などの乳酸菌、オリゴ糖などを積極的に摂る。
  • 便が出やすくなるよう、量をしっかり食べて便のかさを増やす。
  • 腸は朝に動きが活発になるので、朝食を抜かない。
  • 便を柔らかくするために、毎日2リットルを目安とした水分を摂る。

※便秘を予防・解消する食生活について、詳しくは『苦しい時はこれ!頑固な便秘に効く食べ物』をご覧ください。

生活習慣の改善

ストレスや不規則な生活も、腸内環境を悪化させる要因となります。以下のようなことに気をつけて生活しましょう。

時間はかかりますが、以上のことを続けるうちに少しずつ便秘は解消されていきます。ただし、お通じがなくてつらい場合や、自然に出るまで待てないほど苦しい場合は、下剤や浣腸の力を借りて排便させるのも選択肢のひとつです。下剤は依存性が高いものなので、できれば浣腸を使用することをおすすめします。直腸に直接刺激を与えるので即効性があり、頑固な便秘にもよく効きます。

長期間の便秘は要注意!命の危険も

排便は毎日あるのが正常とされています。しかし、3日に1回でも色や形、量が正常で問題なければ便秘とは呼びません。逆に、毎日出ていても固い、量が少ないなどの問題があれば便秘と言えます。

では、慢性的な便秘とはどのような状態を指すのでしょうか? 明確な定義はありませんが、排便が週2回以下で3か月以上続く状態を「慢性便秘」と呼ぶことが多いようです。たかが便秘と思っている方も多いかもしれませんが、便秘を放っておくと大変なことになります。腸に長く留まった便は水分が吸収されるので、乾燥して硬くなります。新しい便がその後に留まることで、便はどんどん溜まっていきます。そうして溜まった便のことを「糞塊埋伏(ふんかいまいふく)」と言います。糞塊埋伏になると、本来であれば毎日便とともに体外に排出されるはずの毒素が腸内に留まるため、動脈硬化や大腸がんなどの重篤な病気に発展することがあります。

1週間以上出ない、排便時に痛みや違和感がある、おなかが張る、便やおならが異様にくさい、などの症状がある場合は、放っておかずに医師の診断を仰ぐようにしましょう。

その便秘は、肌荒れや体調不良と関係があるかも?

肌荒れ

近年では、便秘と肌荒れの関係性への注目が高まっています。便秘の解消は肌荒れの改善に繋がりますし、便秘が長期化すればその分肌の状態も悪化していきます。だからこそ、腸内環境を整えることが大切です。

※便秘と肌荒れの関係については、『便秘と肌荒れの関係性』をご参照ください。

腰痛

腰と腸は近い位置にあるため、腰痛と便秘は密接な関係にあります。便秘が思わぬ病気の症状として現れる場合もあれば、生活習慣など同じ原因で腰痛と便秘が発生している場合もあります。

※便秘と腰痛の関係については、『便秘と腰痛の関係性』をご参照ください。

胃痛

「胃腸」と一括りにして呼ばれることも多くあるとおり、胃と腸は密接な関係にあります。体調やストレスによって、機能が低下してしまうという意味でもよく似た器官であるため、胃痛と便秘が同時に起きている場合、根本的な原因が同じだとういことは少なくありません。

※便秘と胃痛の関係については、『便秘と胃痛の関係性』をご参照ください。

偏頭痛

偏頭痛は、頭の片側半分にだけ起こる周期性のある頭痛です。脈打つような痛みを覚えたり、吐き気やめまいをともなったり、耳鳴りがしたり…と、その症状は非常につらいものです。一方で、自律神経の乱れは便秘を引き起こす原因の1つでもあり、便秘と偏頭痛が自律神経の乱れによって発生している場合は、自律神経を整えることでいずれも解決できます。

※便秘と偏頭痛の関係については、『便秘と偏頭痛の関係性』をご参照ください。

便秘の種類

「便秘」と一口にいっても、その原因や症状、対処法は多種多様です。生活習慣の乱れに起因するものから、命に関わる重大な病気が潜んでいるものまでがあるので、「たかが便秘」と勝手な判断で対処するのは危険をともないます。便秘対策をする前に、便秘の種類とそれぞれの特徴を知り、適切に対処するようにしましょう。

便秘は、まず機能性便秘と器質性便秘の2種類に大別することができ、さらに機能性便秘はより細かく分類することができます。

機能性便秘

機能性便秘は、日常の食生活や生活習慣などが原因となって起こる便秘の総称です。直接的な要因としては大腸の機能の低下があげられますが、病気に由来するものではないことが最大の特徴と言えます。

  1. 弛緩性(しかんせい)便秘
  2. 弛緩性(しかんせい)便秘はもっとも代表的な便秘で、大腸の筋肉のゆるみが直接的な原因です。便を押し出す力が足りずに便秘状態となるもので、女性や高齢者によく見られます。

  3. 痙攣(けいれん)性便秘
  4. 痙攣(けいれん)性便秘はストレスに起因することの多い便秘で、自律神経の乱れから大腸が正常に働かなくなり、便を押し出すための運動が激しくなりすぎて、痙攣したような状態となるものです。

    便秘と下痢を交互にくりかえすのが代表的な症状です。ほか、強烈な下腹部痛も痙攣性便秘の特徴です。

  5. 器質性(きしつせい)便秘
  6. 器質性(きしつせい)便秘は、腸や胃、肛門といったほかの器官の疾患に由来する便秘です。機能性便秘のような生活習慣によるものではないため、長期化すると命に危険がおよぶ場合もあります。

    ※疾患(しっかん)とはいわゆる病気のことです

症状は、原因となっている病気によって異なりますが、便秘に伴って血便や嘔吐、激烈な腹痛などが発生します。これらの症状が見られる場合には、一刻も早く病院へ行って診察してもらう必要があります。

慢性便秘と急性便秘

便秘を期間の長さで分類すると、旅行や病気等で起こる一過性の急性便秘と、1か月以上続く慢性便秘に分けられます。

  1. 慢性便秘
  2. 単に「便秘」といった場合は、この慢性便秘のことを指すのが普通です。医学的に厳密な定義はありませんが、排便が週2回以下で3か月以上続く状態が、慢性便秘だとされます。

    一般的に「便秘」というと慢性便秘のことで、さらに慢性便秘は基本的に機能性便秘のことを指します。

  3. 急性便秘
  4. 急性便秘は一過性便秘とも呼ばれ、旅行や生活環境の変化などでごく短期間だけ便秘の症状が現れます。便秘の原因が他の疾患の場合、器質性便秘のことを指します。

慢性的な便秘が治らない原因は

食事療法や生活習慣の改善、運動などを取り入れてみても、慢性的な便秘が治らない。そんな人は、腸そのものに問題があるかもしれません。頑固な便秘が治らない人にみられる3つの原因は以下のとおりです。

  1. 便が出にくくなる「ねじれ腸」
  2. 本来、大腸はまっすぐの管ですが、それがなんらかの原因でねじまがってしまっているのが「ねじれ腸」です。近年の調査結果では、便秘で悩む人の8割がこのねじれ腸であることがわかっています。

    ねじれ腸は遺伝的な要因が大きいため、根治させるのは難しいとされています。ただし、ねじれた腸をほぐすようにマッサージをして、便が流れやすくしてあげることで便秘の解消が期待できます。

  3. 便意を感じなくなる「鈍感腸」
  4. 「排便したい」という欲求は、腸の神経細胞によってもたらされています。鈍感腸とは、この腸にある神経細胞が変形してしまった腸のことです。鈍感腸の人の神経細胞は便秘でない人に比べて7~10倍も大きくなったり、長くなったりしています。神経細胞が鈍くなることによって、直腸に便があっても反応しなくなり、便が溜まってしまう状態になるのです。

    鈍感腸を解消するには、自律神経の乱れを正すことが大切です。規則正しい生活、十分な睡眠などで体と精神をリラックスさせ、副交感神経の働きを活性化させてあげましょう。

  5. 便を出す能力が衰える「下剤依存症」
  6. 下剤は腸を刺激し、無理やり排便させる薬です。日常的に使用していると、腸に本来備わっている便を出す能力が衰え、ますます便秘がひどくなっていきます。

    下剤なしには排便できない「下剤依存症」に陥る前に下剤の使用を中止し、食生活の改善で腸の働きを取り戻すことが大切です。下剤依存症がすでに進行してしまっている方は、自分の力では便秘を解消できません。早めに便秘外来などに行くことをおすすめします。

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