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お通じが悪いときの改善方法|食事と生活習慣から便秘解消へ

更新日:2018.10.31
公開日:2015.03.31
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この記事の監修者
銀座禅クリニック 院長 コッツフォード 良枝

便秘に慣れてしまうと、1週間以上お通じがなくても放置してしまう人が少なくないようです。しかし、長引く便秘は時に命の危険につながることも。お通じの正しいリズムを取り戻す方法を、ドクター監修の記事でご紹介します。

お通じで悩んでいる女性

苦しさを感じないから、慣れてしまったからなどの理由で、1週間以上、お通じがなくても何の対処もしていないという方はいませんか?便秘が長引くと、思わぬ大きな病気を招く可能性もあります。

ここでは、お通じのリズムを取り戻すさまざまな改善方法と、長引く便秘の危険性について、詳しく見てみましょう。

お通じ(便通)が悪いときに正常にする改善方法

軽めであろうが頑固であろうが、便秘を解消させる方法は基本的に同じです。

  • 食事療法
  • 生活習慣の改善

により、腸内環境を整えること以外にありません。

食事療法による改善

腸内環境を整えるためには、まず便のもととなる食事を見直すことが大切です。以下に、意識したい食生活についてまとめました。

  • 水溶性食物繊維と不溶性食物繊維をバランスよく摂る
  • 善玉菌を増やすために、発酵食品・ビフィズス菌などの乳酸菌・オリゴ糖などを摂る
  • 便が出やすくなるよう、量をしっかり食べて便のかさを増やす
  • 腸は朝に動きが活発になるので、朝食を抜かない
  • 便を柔らかくするために、毎日2リットルを目安とした水分を摂る

※便秘を予防・解消する食生活について、詳しくは『苦しい時はこれ!頑固な便秘に効果的な食べ物』をご覧ください。

生活習慣の改善

ストレスや不規則な生活も、腸内環境を悪化させる要因となります。以下のようなことに気をつけて生活しましょう。

  • 十分な睡眠をとる
  • 好きなことを楽しんでストレスを解消するよう心がける

マッサージやツボによる改善

時間はかかりますが、以下のようなマッサージ・ストレッチやツボ押しを続けることで、便秘の解消が期待できます。

  • マッサージや半身浴などを行い、冷えを防いで血流を促進する
  • 便秘に効果的なツボを刺激する

※便秘を改善・解消するストレッチ・ヨガなどは、『便秘に効果的なストレッチ』『便秘に効果的な体操とは』などをご覧ください。

※便秘改善・解消のためのマッサージについては、『マッサージで便秘は解消する?』で紹介しています。

※便秘を解消するためのツボ押しや注意点については『便秘に効果的なツボとは?』で紹介しています。

下剤や浣腸による改善

お通じがなくてつらい場合や、自然に出るまで待てないほど苦しい場合は、下剤や浣腸の力を借りて排便させるのも選択肢のひとつです。下剤は依存性が高いものなので、できれば浣腸を使用することをおすすめします。

直腸に直接刺激を与えるので即効性があり、頑固な便秘にも効果が期待できます。ただし、市販の浣腸は、使用方法を間違えると肛門や腸などを傷つけることもあるため、病院で行うことをおすすめします。

長期間の慢性便秘には要注意

学会によって違いがありますが、日本消化器学会のウェブサイトでは、便秘とは、排便の回数が減ることとしています。

いまの排便習慣が苦痛でなければ便秘ではない

排便の回数については、1日2~3回の人から2~3日に1回位の幅からはずれている場合は一応異常かもしれないと考えますが、1日3~4回でもあるいは3~4日 に1回でもそれが長年の排便習慣で、全く苦痛がなければ便秘と考えなくてもよいとしています[1]。

慢性便秘の定義とは

では、慢性的な便秘とはどのような状態を指すのでしょうか。明確な定義はありませんが、排便が週2回以下で3か月以上続く状態を「慢性便秘」と呼ぶことが多いようです。たかが便秘と思っている方も多いかもしれませんが、便秘は大腸がんなどの重大な病気のサインであることがあります。

  • 1週間以上出ない
  • 排便時に痛みや違和感がある
  • おなかが張る
  • 便やおならが異様にくさい

などの症状がある場合は、放っておかずに病院を受診し、医師の診断を仰ぐようにしましょう。

肌荒れや体調不良と便秘の関係

便秘が引き起こす可能性のある症状について紹介します。

肌荒れ

近年では、便秘と肌荒れの関係性への注目が高まっています。便秘の解消は肌荒れの改善に繋がるとされ、便秘が長期化すればその分肌の状態も悪化していきます。だからこそ、腸内環境を整えることが大切です。

※便秘と肌荒れの関係については、『便秘と肌荒れの関係性』をご参照ください。

胃痛

「胃腸」と一括りにして呼ばれることも多くあるとおり、胃と腸は密接な関係にあります。体調やストレスによって、機能が低下してしまうという意味でもよく似た器官であるため、胃痛と便秘が同時に起きている場合、根本的な原因が同じだとういことは少なくありません。

※便秘と胃痛の関係については、『便秘と胃痛の関係性』をご参照ください。

偏頭痛

偏頭痛は、頭の片側半分にだけ起こる周期性のある頭痛です。脈打つような痛みを覚えたり、吐き気やめまいをともなったり、耳鳴りがしたり…と、その症状は非常につらいものです。一方で、自律神経の乱れは便秘を引き起こす原因の1つでもあり、便秘と偏頭痛が自律神経の乱れによって発生している場合は、自律神経を整えることでいずれも解決できます。

便秘の種類

「便秘」と一口にいっても、その原因や症状、対処法は多種多様です。生活習慣の乱れに起因するものから、命に関わる重大な病気が潜んでいるものまでがあります。便秘対策や受診する前に、便秘の種類とそれぞれの特徴を知っておきましょう。

便秘は、まず腸管機能の異常による機能性便秘と、腸管の疾病による器質性便秘の2種類に大別することができ、さらに機能性便秘は弛緩性便秘・痙攣性便秘・直腸性便秘の3つに分類することができます[2]。

弛緩性(しかんせい)便秘

弛緩性(しかんせい)便秘はもっとも代表的な便秘で、大腸の筋肉のゆるみが直接的な原因です。便を押し出す力が足りずに便秘状態となるもので、女性や高齢者によく見られます。

痙攣性(けいれんせい)便秘

痙攣(けいれん)性便秘はストレスに起因することの多い便秘で、自律神経の乱れから大腸が正常に働かなくなり、便を押し出すための運動が激しくなりすぎて、痙攣したような状態となるものです。

便秘と下痢を交互にくりかえすのが代表的な症状です。ほか、強烈な下腹部痛も痙攣性便秘の特徴です。

直腸性便秘

直腸の神経が鈍くなったために便意を感じにくくなり、大腸の蠕動運動が起こらないことから便秘になるタイプです。便意を我慢したり、高齢者や病気などで全身が衰弱している人、浣腸をくりかえしている人が起こりやすくなります[3]。

器質性便秘

器質性便秘は、腸や胃、肛門といったほかの器官の疾患に由来する便秘です。機能性便秘のような生活習慣によるものではないため、長期化すると命に危険がおよぶ場合もあります。

症状は、原因となっている病気によって異なりますが、便秘にともなって

  • 血便
  • 嘔吐
  • 激烈な腹痛

などが発生します。これらの症状が見られる場合には、一刻も早く病院へ行って診察してもらう必要があります。

慢性便秘と急性便秘の違い

便秘を期間の長さで分類すると、旅行や病気等で起こる一過性の急性便秘と、1か月以上続く慢性便秘に分けられます。

慢性便秘

単に「便秘」といった場合は、この慢性便秘のことを指すのが普通です。医学的に厳密な定義はありませんが、排便が週2回以下で3か月以上続く状態が、慢性便秘だとされます。一般的に「便秘」というと慢性便秘のことで、さらに慢性便秘は基本的に機能性便秘のことを指します。

急性便秘

急性便秘は一過性便秘とも呼ばれ、旅行や生活環境の変化などでごく短期間だけ便秘の症状が現れます。便秘の原因が他の疾患の場合、器質性便秘のことを指します。

受診時に医師に伝えること

問診結果と検査結果から、医師は便秘の原因と治療法を判断します。日本臨床内科医会の冊子では、正確な診断の一助として、受診時に下記の項目を伝えることをすすめています[4]。

  • 便秘が始まったのはいつごろか
  • 排便の頻度
  • 便の状態(量や色、硬さ、かたちなど)
  • 便秘以外に、腹痛や発熱はないか
  • 肛門の違和感、異常を感じたことはないか (かゆみや痛み、出血、脱出など)
  • 残便感の有無
  • 温水洗浄便座を使っているか
  • 市販の下剤や浣腸を使っているか
  • 治療中の病気、服用中の薬
  • 手術や放射線治療を受けたことはないか
  • 利用している健康食品
  • その他、思い当たること

ご自身・ご家庭でいわゆるマッサージや指圧(ツボ押し)などをする際の注意点

  1. 1.マッサージや指圧などは身体に影響を及ぼす行為です。ご自身・ご家庭で行う場合は、部位の把握や力の加減が難しく、身体への影響には個人差があります。
  2. 2.病気やケガ、痛みがある場合は、マッサージや指圧などをするまえに医師の診断やアドバイスを受けましょう。
  3. 3.食後、飲酒時、妊娠中など、普段と異なる体調の際は、自己判断によるマッサージや指圧などは避けましょう。
  4. 4.マッサージや指圧などをしたことで体調が悪くなったり、痛みなどが出た場合は、すぐに医師に相談しましょう。また、症状が改善しなかったり悪化したりするようなら、医療機関を受診しましょう。

参考文献

  1. [1]中村孝司. “下痢と便秘” 日本消化器病学会. http://www.jsge.or.jp/citizen/senmon/geri.html(参照2017-07-07)
  2. [2]羽場亮太. “便秘と食事” e-ヘルスネット.https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-010.html(参照2017-07-07)
  3. [3]伊藤誠紀. “糖尿病ワンポイントアドバイス”  国立病院機構三重病院. https://www.hosp.go.jp/~mieh/common/letter/nl_0912_03.pdf (参照2017-07-07)
  4. [4]日本臨床内科医会. ”わかりやすい便秘のはなしシリーズ49 便秘” 日本臨床内科医会. http://www.japha.jp/doc/byoki/049.pdf(参照2017-07-07)

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