成長ホルモンとは?子供の身長と睡眠、成長ホルモンとの関係

更新日:2016/12/09

子供の身長の悩み

最近の子供は睡眠時間が短いといわれています。また、夜型の幼児が増えていることも問題になっています。なぜ、睡眠が注目されるのでしょうか。専門ドクター監修のもと、子供の身長と睡眠の関係について解説します。

大人にとって睡眠とは、一日の疲れをとるために必要なものですが、子供にとっては、疲労回復だけでなく、体の成長にも影響を与えます。この記事では身長に大きく影響を及ぼす、成長ホルモンについて詳しく解説します。

成長ホルモンとは

成長ホルモンとは、脳の下垂体から分泌されるホルモンです。小児期には、骨・筋肉・各器官を発達させ、思春期には、身体的な成熟を促進する子供の成長にとって欠かせない物質のひとつです。

睡眠と身長にはどんな関係がある?

「寝る子は育つ」ということわざがありますが、実はこれは科学的にも証明されている事実です。

身長は、乳幼児期と思春期(第二次性徴)に大きく伸びます。身長の伸びに重要な役割を果たすのが、成長ホルモンという物質です。よって、身長を伸ばすには、この時期に成長ホルモンの分泌を促し、骨の成長を促進させることが大切なのです。成長ホルモンには、身長を伸ばすほかにも、筋肉を強くしたり代謝をコントールするなどの働きがあります。

成長ホルモンがもっとも盛んに分泌されるのが睡眠時です。特に、眠り始めてから2時間までの一番深く眠っているときに大量に分泌されます。逆に、生活習慣の乱れなどによって眠りが浅くなると成長ホルモンは分泌されにくくなってしまいます。

身長を伸ばしたい!成長ホルモンの分泌を促す睡眠方法とは

では、身長を伸ばすためにはどのような睡眠をとればよいのかを見ていきましょう。

十分な睡眠

最近の子供たちは、習い事やゲームなどによって睡眠時間が以前よりも短くなっています。2000年に行われた国民生活時間調査によると、小学校中高学年で8時間43分、中学生で7時間51分、高校生で6時間54分が平均的な睡眠時間となっています。理想的な睡眠時間は、小・中学生で9時間くらい、高校生で8時間くらいです。睡眠時間が足りないと成長ホルモンの分泌量が少なくなるため、身長の伸びに影響が出ます。

質の高い睡眠

睡眠時間だけでなく睡眠の質も身長の伸びに大きく関係します。成長を妨げないためには、子供が深く眠れるよう、落ち着いた環境を作ることも大切です。肌に接する布団や枕、シーツなどは心地よい素材のものを選び、清潔さを保ちましょう。また、寝る直前に食べると、消化されていない食べ物が胃に残った状態で寝ることになり、深い眠りを妨げてしまいます。食事は就寝の2時間前までに済ませるようにし、寝る直前の間食もなくすようにしましょう。

早寝早起き

同じ睡眠時間でも、早い時間に寝て早く起きるのと遅い時間に寝て遅く起きるのとでは、成長ホルモンの分泌量が変わってきます。遅く寝るほど成長ホルモンの分泌量は減少するので、早寝早起きのリズムを作りましょう。

成長ホルモンの分泌が不足してしまう原因とは

成長ホルモンの分泌が不足してしまう原因には、特発性のもの(特にこれといった原因がないもの)と、器質的なもの(なんらかの疾患や障害によるもの)があります。

器質的なものでは、下垂体やその付近にできる腫瘍(頭蓋咽頭腫や肺芽腫など)、事故などによる頭部への外傷、遺伝子の異常や奇形などの先天的なもの、出産時の骨盤位分娩や仮死などの異常があげられます。

6~17歳までの発症頻度は、1万人あたりに男児が2.14人、女児が0.71人で、特発性は男児に多く見られると報告されています。

低身長を引き起こす!成長ホルモン分泌不全性低身長とは

小児の時期に成長ホルモンの分泌が不足すると、骨が十分に成長せず、低身長を引き起こすことがあります。これが、成長ホルモン分泌不全性低身長です。

特発性の成長ホルモン分泌不全性低身長は、生まれた時にはほぼ標準で、1歳頃から平均より低めとなり、2歳以降に低身長の目安となる数値を下回るというように、徐々に平均身長との差が出てきます。

脳腫瘍などが原因の器質性の場合は、病気の発症をきっかけに急に身長が伸びなくなるという特徴があります。

成長ホルモン分泌不全性低身長かを自分で確かめる方法とは?

成長ホルモン分泌不全性低身長であるかどうかは医療機関で検査をしてみなければわかりませんが、自分で確認できる第一段階の目安として「成長曲線」を付ける方法があります。成長曲線は、生まれた時からの成長の変化を折れ線グラフにするもので、書き込む用紙は医療機関でもらったり、ネットの専門サイトからダウンロードすることができます。

用紙にはあらかじめ標準的な身長の折れ線グラフが印刷されています。そこに子供の身長を書き入れた際に、標準身長と子供の身長との差が-2SD以上あると、医学的に「低身長」と認められます。SDとは「Standard Deviation」の略で、標準偏差のことです。

もしかして?と思ったら医療機関を受診しましょう

少しでも低身長症が疑われる場合は、早めに医療機関を受診することをおすすめします。医療機関では初診時に問診や診察、身体測定、血液検査、レントゲン撮影などを行い、基本的な要素をひと通りチェックします。そのうえで、成長ホルモン分泌不全性低身長が疑われる場合は、後日さらに詳しい精密検査を行います。

精密検査の内容や、検査を受けらる時期は?

精密検査では、成長ホルモン分泌刺激試験を実施します。成長ホルモンを促す薬を投与した後、一定時間ごとに採血し、成長ホルモンが正常に分泌されているかどうかを調べます。検査は長時間にわたるため、数日に分けて外来で行ったり、入院して行う医療機関もあります。検査の結果、成長ホルモン分泌不全性低身長と診断された場合は、成長ホルモン治療が行われます(脳腫瘍などが疑われる場合は、疾病の治療が優先されます)。

成長ホルモン治療は、3歳から行うことができます。できるだけ早い段階から始め、骨の成長が止まるまで継続するのが効果的です。これにより、思春期が終わる頃には標準身長まで回復するケースも多く見られます。

成長ホルモンと子供の身長には、大きな関係があることがわかりました。身長をより伸ばすためにも睡眠時間はたっぷりとり、朝は早く起きて日中は体を動かし、夜は早めにぐっすり眠る生活を心がけましょう。

また、低身長が疑われる場合は早めに医療機関を受診し、その原因になっている病気が隠れていないか検査してもらいましょう。検査の結果、成長ホルモンの分泌不全によって身長の伸びに影響がでていると分かった場合は、ホルモンを投与する治療によって低身長の改善が期待できます。

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