皮膚の腫瘍「粉瘤(アテローム)」の症状と原因

更新日:2016/12/15

粉瘤の原因と治療

ニキビだと思っていたら、なかなか治らず、どんどん大きくなってきた…・・・それは、皮膚の腫瘍「粉瘤(アテローム)」かもしれません。粉瘤とはいったいどういったものか、その症状や原因について、ドクター監修の記事で解説します。

谷祐子先生

この記事の監修ドクター

広尾プライム皮膚科 医師
谷祐子先生

顔やお尻、背中、耳の後ろなどにできる、ニキビのような、おできのようなもの。なかなか治らない、大きくなってきたとしたら、それは、ニキビではなく、粉瘤(アテローム)の可能性があります。粉瘤(アテローム)とは、どのようなものなのでしょうか。

「粉瘤(アテローム)」とは

粉瘤(ふんりゅう)はアテローム(またはアテローマ)とも呼ばれる、皮膚の良性腫瘍のひとつ。なんらかの原因で、皮膚の下(表皮)に嚢胞(のうほう)と呼ばれる袋状の構造物ができ、その中に、本来はターンオーバー(肌の新陳代謝)によって剥がれ落ちるはずの古い角質が溜まってしまった状態です。

医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」と呼ばれ、頭部にできることが多い「外毛根鞘性嚢腫(がいもうこんしょうせいのうしゅ)」や、小さな粉瘤が同じ場所に多数できる「多発性毛包嚢腫」などもあります。

粉瘤ができやすい場所

皮膚がある場所であれば、身体中どこにでもできます。なかでも、顔や頭、首、耳、背中、お尻にできやすい傾向があります。

粉瘤の特徴・症状

ドーム状(半球状)に盛り上がったしこりで、数mmから数cm、巨大化すると数十cmになることもあります。ごく初期は皮膚表面にはまだ盛り上がりはなく、触れるとこりこりと感じられる程度です。しかし、袋の中で角質や皮脂がどんどん溜まっていくので、時間の経過とともに大きくなっていきます。徐々に、または急に大きくなり、盛り上がった部分が黒や青や黄色っぽく変色してくることもあります。

また、粉瘤の特徴として、盛り上がりの中央に黒い点(「ヘソ」と呼びます)ができることがあります。これは皮膚に開いた小さな穴(開口部)で、この周囲を強く圧迫すると、臭くてどろりとした中身がでてくることがあります。

通常は触っても痛みやかゆみはありませんが、細菌が侵入して感染すると膿がたまって赤く腫れ上がり、痛みを伴います。このような状態になった粉瘤は炎症性粉瘤と呼ばれます。

「粉瘤(アテローム)」ができる原因

外傷が原因となってできることもありますが、多くの粉瘤の原因は不明です。一部では、毛根を構成する組織の一部である毛漏斗が原因であるとも考えられています。毛包上部の毛漏斗部(もうろうとぶ)と呼ばれる毛穴の出口付近の皮膚がめくりかえって袋ができてしまったというものです。

しかし、毛穴のない手の平や足の裏に粉瘤ができることもあります。これは、小さな傷によって皮膚の一部が皮膚の下にめくり込まれることによって袋状のものができるとされており、外傷性表皮嚢腫と呼ばれます。

粉瘤が多発する場合は、生まれながらの体質が原因のこともあります。

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