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背中にできた痛い粉瘤の特徴とケア方法

更新日:2018.04.20
公開日:2015.04.14
ドクター画像
この記事の監修者
広尾プライム皮膚科 医師 谷祐子

皮脂腺が多くニキビができやすい背中は、粉瘤(ふんりゅう)ができやすい場所でもあります。また、目が届かないため、気付きにくい面も。ドクター監修のもと、背中の粉瘤の特徴と手術以外のケア方法についてご紹介します。

背中、特に肩甲骨周りは皮脂腺が集中しているためニキビができやすい場所ですが、粉瘤(ふんりゅう)ができることも多いです。ニキビと同様に、皮脂腺が多いからできやすいのか、その理由はわかりませんが(粉瘤ができる原因は解明されていません)、背中にできた粉瘤に悩んでいる方は少なくありません。

背中にできた粉瘤の特徴

粉瘤は、アテローム、アテローマ、表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)とも呼ばれる皮膚の良性腫瘍です。なんらかの原因で皮膚の下に袋ができ、そこに老廃物が溜まることでドーム(半球)状のしこりができます。

※粉瘤ができるメカニズムについて、詳しくは『皮膚の腫瘍「粉瘤(アテローム)」の症状と原因』をご覧ください。

通常は痛みやかゆみもなく、背中の場合は自分で確認することができないため、発見するのが遅れがちです。袋の中に老廃物がどんどん溜まって大きくなり、細菌が入って炎症を起こしてからやっと気付くというケースも少なくありません。

炎症を起こすと粉瘤は赤く腫れ上がり、化膿が進むと強い痛みが生じます。粉瘤の中央に開いた穴(開口部)から膿などの内容物が出てくることもあります。このように、自然に膿が排出される状態を「自潰(じかい)」と呼びますが、粉瘤をこの状態になるまで放置してしまう人も少なくないようです。

膿が排出されると一時的に腫れや痛みが引くこともありますが、粉瘤の場合は中の袋を完全に取り除かない限り完治せず、再発する可能性があります。また、粉瘤が潰れるとさらに細菌が入りやすい状態となり、炎症が再発しやすくなります。

背中にできた痛い粉瘤(炎症性粉瘤)の自宅でのケア方法

粉瘤を完治させるには、皮膚科や形成外科での外来手術によって、袋まで完全に摘出するしかありません。しかし、炎症を起こした場合は、基本的に炎症が治まるまで手術はせず、まずは炎症を抑える治療を行います。炎症が軽い場合は抗炎症剤や抗生剤を処方してもらい、それを服用・塗布しながら自宅で症状が治まるのを待ちます。

膿がたまってパンパンに腫れ上がっている(炎症がひどい)場合は、医療機関でしっかりと排膿処置(自潰していない場合は小さく切開して膿を出す)をしてもらい、数か月間自宅で様子を見た後、炎症が鎮まったら改めて摘出手術を受けます。その間、粉瘤ができている部位は特に清潔に保つことを心がけましょう。細菌が入り込むと、また化膿することがあります。

炎症が治まり、一見粉瘤が治ったように見えても、袋が残っている限りは再発の可能性があります。炎症が治まっているうちに皮膚を切開して粉瘤を袋ごと摘出する根治手術を行うのが理想です。また、炎症がおきる前であれば皮膚切開を小さくして、手術を行う方法(小切開摘出術)も可能です。

※粉瘤の手術について、詳しくは『粉瘤の手術方法と術後の痛みは?ダウンタイムはあるの?』をご覧ください。

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