あなたの「長寿度」を人生観からチェック

更新日:2015/06/18 公開日:2015/04/23

ビジネス・キャリア

これまでの常識では、「陽気で明るいポジティブシンキング」や「ストレスの少ないのんびりした生活」が長寿の秘訣と考えられていましたが、近年の大規模な調査により、どうもそうではないことが判明してきました。最新科学が明かす長寿の秘訣とあなたの長寿度について解説します。

人生で大切にしているものは?

あなたが人生で大切にしているものは何でしょうか? 人は誰にでも、人生において追及したいものや、重要視しているものがあります。そして実はその人生観が、あなたの「長生き度」に大きな影響を与えているという驚きのデータが存在します。

あなたが人生で大切にしているものは?

それでは早速、自分の人生観について考えてみましょう。以下の10個の項目のうち、大切だと思うものを重要な順に3つ選択してください。

  • 仕事
  • 家族
  • 健康
  • 友人
  • 金銭
  • 趣味
  • 名誉
  • 地位
  • 余暇
  • その他

5万人の回答結果

上記は、厚生労働科学研究費補助金の研究事業により、東北大学大学院医学系研究科公衆衛生学分野の教授である辻一郎氏が主任研究者となって行った調査の1つです。回答者51,253名(40歳から79歳)のそれぞれの回答結果は、以下の通りです。

【回答数と回答者の割合】

  • 仕事:20,200名(39.4%)
  • 家族:38,149名(74.4%)
  • 健康:45,617名(89.0%)
  • 友人:6,716名(13.1%)
  • 金銭:19,730名(38.5%)
  • 趣味:6,662名(13.0%)
  • 名誉:80名(0.2%)
  • 地位:124名(0.2%)
  • 余暇:3,230名(6.3%)
  • その他:421名(0.8%)

最も多かった回答は「健康」(45,617名、89%)、次に「家族」(38,149名、74%)、3位が「仕事」(20,200名、40%)でした。最も少なかったのは、「名誉」(80名)と「地位」(124名)です。

各回答の12年後の死亡率

この約5万人の回答者を12年間かけて追跡調査をした結果、12年間での死亡率が最も低かったのは「仕事」(10.5%)で、死亡率が高かったのが「名誉」(27.5%)と地位(24.2%)でした。つまり、死亡率に2倍以上の差があったのです。

【各項目の死亡数と死亡率】

  • 仕事:2,126名(10.5%)
  • 家族:5,045名(13.2%)
  • 健康:6,115名(13.4%)
  • 友人:1,018名(15.2%)
  • 金銭:2,744名(13.9%)
  • 趣味:1,078名(16.2%)
  • 名誉:22名(27.5%)
  • 地位:30名(24.2%)
  • 余暇:451名(14.0%)
  • その他:97名(23.0%)

「仕事好き」というと、ストレスや過労死といったものを想像する方は多いと思います。これまでの常識でも、「のんびりとストレスのない生活が長生きの秘訣」と言われていました。しかし、この調査の主任研究者である東北大学の辻一郎教授は、仕事を重要視している人が長生きする理由として、仕事で得られる「充実感」や「やりがい」という精神的な報酬が重要なのではないかと推測しています。

米国の研究結果

別の研究でも、同様の結果が出ています。スタンフォード大学のルイス・ターマン教授は、1921年より、0当時10歳前後の児童1528人を対象に性格を分析し、その後どのような人生を歩んでいくのかを5~10年おきにインタビューを行いました。そしてターマン教授の死後、カリフォルニア大学教授のハワード・S・フリードマン博士が対象者の追跡調査をし、80年間に渡る研究結果をまとめ、『The Longevity Project』という表題で2011年に発表しました。

フリードマン教授によれば、調査対象となった1528人の3分の2が70歳以上まで生き、『The Longevity Project』発表当時でも24人が90歳以上となっても元気に生活しているとのことです。

70歳以上生きた対象者の幼少期の性格を分析すると、「親からの信頼が厚い」、「間違ったことをしない」、「ルールを守る」など、真面目な印象をもたれる人の方が圧倒的に多く、「陽気で面白い」「人気者」タイプは少数でした。

また、『The Longevity Project』は労働と寿命の関係についても言及しており、「仕事で成功した人が、成功を実感していなかった人に比べて、平均で5年以上長生きしている。」という事実が記載されています。「仕事はほどほどにして、趣味を持つ」よりも、好きな仕事、やりがいを感じる仕事に精を出し、困難があっても逃げずに努力を続け、成功する体験をする方が長生きできるのです。

真面目さと社会から必要とされていることが長生きの秘訣

これまでの常識では、「陽気で明るいポジティブシンキング」や「ストレスの少ないのんびりした生活」「他人に愛されている実感」が長寿の秘訣と考えられていましたが、上述の通り、近年の大規模な調査により、どうもそうではないことが判明してきました。

フリードマン教授によると、「誰から愛されているという実感よりも、社会や家族から必要とされている実感が人を長生きにする。」とのことです。いつまでも真面目に仕事や家事、地域のボランティア活動などに励み、社会から必要とされている実感を持つ方が長生きできるというのは、人間が社会的な生き物であるが故なのかもしれません。

少子高齢化が進行する日本においては、なるべく多くの人が年齢を重ねても生産活動に参加し、元気に過ごすことが今後より必要になります。真面目に仕事などを頑張ることが長寿や健康につながるのであれば、社会のためにはもちろん、自分のためにも、社会貢献とやりがいや充足感の両立ができる人生テーマを見つけ、精を出すようにしていきたいものです。

参考文献

  • 『生活習慣・健診結果が生涯医療費に及ぼす影響に関する研究』(政策科学総合研究事業 総括研究報告書)
  • 辻 一郎『病気になりやすい「性格」 5万人調査からの報告』(2010年)
  • ・Howard S. Friedman and Leslie R. Martin『The Longevity Project』(2011年)

今すぐ読みたい