医師が指南!妊娠中のダイエットで守って欲しい食事法・運動法

更新日:2017/03/21 公開日:2015/04/15

妊娠中の食事・栄養

妊娠中に体重が増え続け、医師に告げられた目標体重をなかなか守れない方も多いのではないでしょうか?ドクター監修のもと、妊娠中の体重増加の目安や理想的な体重管理のために知っておきたい正しい食事法、運動法などを解説します。

ヘルスケア大学参画ドクター

この記事の監修ドクター


ヘルスケア大学参画ドクター

妊娠中の無理なダイエットは、赤ちゃんにとってもママにとっても危険なこと。妊娠中のダイエットがきっかけで低体重児になると、免疫力が弱い、身体の機能が未熟、感染症にかかりやすいなどのリスクを抱えてしまいます。逆に、太りすぎると産道に脂肪がつき、分娩に時間がかかるため難産になったり、さまざまな病気のリスクが高まります。

赤ちゃんのためにも、しっかりと栄養を取りながら上手に体重管理をしていきましょう。

妊娠すると、これだけは必ず増える!

ママのお腹の中で成長する赤ちゃんを守るため、出産直後には脂肪の他にも色々なものが備わります。赤ちゃんを守り育てるために必要な分としては、下記を目安とした体重が必然的に増えるのです。

胎児…約3kg

胎盤…約500~700g

羊水…約850g

循環血液量…約1kg

他にも、赤ちゃんを守るために子宮が大きくなる、母乳の準備で胸が一気に大きくなるなどの変化も出てきます。全てを合わせて7~8kgほどになり、この数字を下回ると妊娠中に痩せていることになるので気をつけましょう。

妊娠中の体重増加の目安って?

妊娠全期間を通して体重が増加する目安量は9~12kgです。ただし、妊娠前のBMI値によってもその幅は変わります。妊娠前のBMI値が「低体重(やせ)」の場合は9~12kg、「ふつう」の場合は7~12kgで、「肥満」の場合は医師から直接判断を受ける決まりになっています。妊娠して医師から体重増加量を命じられたら、その数字を守れるように努力しましょう。

太りすぎにより起こる妊娠・出産のリスク

「妊娠中はお腹の赤ちゃんのためにも、たくさん食べなきゃ」というママがいます。しかし、食べ過ぎなどによる過度な体重増加は赤ちゃんに悪い影響を与えることもあり、注意が必要です。

妊娠高血圧症候群になりやすくなる

妊娠高血圧症候群とは、妊娠20週以降から分娩後12週までに、妊婦に高血圧、または高血圧にともなうタンパク尿が見られるもので、悪化すると赤ちゃんの発育不全などにつながります。

妊娠糖尿病のリスクが高まる

妊娠中に血糖値が高くなる状態を妊娠糖尿病と言います。妊娠糖尿病は、妊娠高血圧症候群を引き起こすだけでなく、巨大児や流産、胎児死亡など赤ちゃんにも重大な影響を与えます。

そのほか、体重の増加により腰痛が起こりやすくなる、子宮の収縮する力が弱まり出産が長引きやくなる、といったトラブルの原因にもなります。

また、肥満の妊婦から生まれた子供は若年死亡のリスクが高まる、との論文も発表されており、肥満はお腹の赤ちゃんにとって大きな影響を与えると考えられます。

妊娠中の体重管理のためのダイエット

妊娠中に必要なダイエットとは、「美しくなるために痩せる」のではなく、「赤ちゃんがすこやかに育ち、生まれてくるために必要な環境を整える」ためのものです。毎日決まった時間に記録をして、無理のない体重管理を心がけましょう。

お腹の中で赤ちゃんが成長しているのですから、体重増加はごく自然なことですが、増えすぎなのはNGです。病気を招いたり、子宮や産道に脂肪がつきすぎることで難産になる場合もあるからです。そこで、妊娠中の体重管理における正しい食事法を見ていきましょう。

栄養バランスのよい食生活を

妊娠期の食事は主食、主菜、副菜をバランスよく、1日3回食べるようにしましょう。質・量のバランスが整った食事は、元気な赤ちゃんを産むために必要不可欠ですし、母乳への影響や、産後の身体をいち早く回復させることにもつながります。

主食では、炭水化物をしっかりと摂ってエネルギーを補給してください。玄米などの穀物を選べば食物繊維やミネラルも補給できます。主菜では、タンパク質を補うため、肉・魚・大豆などを上手に取り入れ、副菜は緑黄色野菜やきのこ、海藻などのローカロリーな材料を使って工夫をしましょう。温かい汁物なら身体が温まりますし、野菜不足を補うためにも野菜をたくさん入れたスープや味噌汁がおすすめです。塩分を摂りすぎないよう、薄味に仕上げてください。

また、糖分と脂肪は熱と力のもとになる大切なエネルギー源ですが、肥満の原因になるためとりすぎは禁物です。お菓子や果物などの甘いものは食べ過ぎないように心がけてください。

女性の1日の必要エネルギー量は、約2,000kcalです。高カロリーなものを食べ過ぎないよう外食をなるべく控え、自炊などで自らコントロールをしながら、栄養バランスのよい食事をとるようにしましょう。

妊娠中に特に必要とされる栄養素は、以下のとおりです。

  • 葉酸
  • 亜鉛
  • カルシウム

そのほか、マグネシウムやビタミンB6、ビタミンB12、DHAなども積極的に摂取するとよいでしょう。

妊婦に必要な栄養素や、食事ポイントについては、『妊婦に必要な栄養素とは?』でも解説していますので、あわせてご覧ください。

体重管理のために効果的なのは有酸素運動

体重管理のためにも、お産に向けて体力をつけるためにも、適度な運動はとても大切です。とは言え、妊娠中の身体に負担をかけるのはあまりよくないので、ウォーキングのような軽い有酸素運動がおすすめです。20~30分間続けて運動するのが効果的です。ウォーキングの他にもヨガやストレッチ、ピラティス、マタニティスイミングなど、適度な運動を行うことで筋肉をほぐしてあげましょう。運動は、血流の悪化防止にも効果的です。ただし、行うのは妊娠中期以降。ドクターの了解をもらって、調子のよいときに行ってください。

有酸素運動は代謝を促して脂肪を燃焼するだけでなく、効率的に酸素を取り込んでエネルギーに変換することができます。胎児に酸素を送ることはママにとっても赤ちゃんにとっても、とてもよいことですから、少しずつでもよいので毎日続けてみてくださいね。

ただし、お腹に力が入りすぎるような運動や激しい運動は、赤ちゃんの負担になってしまうのでやめておきましょう。

まとめ:ダイエットのしすぎは禁物!

妊娠中の体重管理は普段のダイエットと違い、出産に向けた大切な準備のひとつです。お母さんが栄養を摂らないと、胎児にも当然栄養は行き届きません。低出生体重児は合併症のリスクが高い上、発達が遅れる可能性も考えられますので、決して無理なダイエットや容姿目的に行う過度なダイエットはしないようにしましょう。

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