アルコール依存症の定義と「ICD-10診断ガイドライン」による診断基準

更新日:2016/12/09 公開日:2015/07/30

アルコール依存症

長い間、日常生活の中で大量に飲酒を続けるとアルコール依存症に陥る可能性があります。ここではアルコール依存症とはどのような病気なのか、またWHOが定めたアルコール依存症を診断するガイドライン“ICD-10”について紹介します。

長年にわたり大量飲酒を続けていると、アルコールなしでは生活できないアルコール依存症になってしまう恐れがあります。アルコール依存症の具体的な症状や、WHOにより定められている診断基準について解説します。

アルコール依存症とは

大量のお酒を長い期間に渡って飲み続けることで、お酒が無いと居てもたってもいられなくなる状態になってしまうことがあります。この状態をアルコール依存症といいます。アルコール依存症患者は、体内からアルコールが抜けると、頭痛や吐き気、イライラ感や手の震え、発汗や動悸などの離脱症状が現れます。症状を抑えるためにお酒を飲み、また離脱症状が現れる……という悪循環を長期にわたってくりかえしてしまうのです。その結果、仕事ができなくなるなど社会生活に支障をきたしてしまいます。

また、アルコール依存症患者は、自分の症状を認めたがらないことが多くあります。断酒に成功しても、その後再び飲酒すると、またすぐに元の状態に戻ってしまうのも特徴です。

ICD-10診断ガイドラインによる診断基準

アルコール依存症であるかどうかを診断する基準として、世界保健機関(WHO)が定めた“ICD-10”という診断基準があります。米国精神神経学会が作成した診断基準(DSM-Ⅳ-TR)もありますが、主にはICD-10が採用されています。

ICD-10アルコール依存症の診断基準〉

過去1年間に以下の6項目のうち3項目以上を同時に1か月以上経験するか、くりかえした場合、アルコール依存症と診断されます。

1. 激しい飲酒渇望

例:常にお酒を飲みたいという願望が強く、家にお酒を常備しておかないと落ちつかない。

2. 飲酒コントロールの喪失

例:飲酒する前には「今日はお酒を控えよう」や「1坏だけにしておこう」と決めていても、飲み始めると抑制できなくなり大量に飲んでしまう。医師から止められていても禁酒を守ることができない。

3. 離脱症状

例:禁酒した時やお酒を控えた時に、手の震えやイライラ感、動悸や不眠などが現れる。

4. 耐性の証拠

例:これまでのお酒の量では酔っぱらわなくなり、飲酒のたびにどんどん量が増えてしまう。

5. 飲酒中心の生活

例:日常生活の中でお酒を飲んでいる時間が長くなり、仕事や家庭が疎かになってしまう。

6. 問題があるにもかかわらず飲酒

例:持病を抱えていたり、飲酒での暴力やうつ症状などのトラブルを抱えているにも関わらず、お酒を飲んでしまう。

診断は基本的に医師により行われます。

アルコール依存症は、早期に治療を始めるほど治療効果も出やすい病気です。アルコール依存症が疑われる場合は、早めに医療機関に相談しましょう。

この病気・症状の初診に向いている科 心療内科