ネバネバしてない?唾液の量とニオイで分かる身体のサイン

更新日:2016/12/09

歯周病(歯槽膿漏・歯肉炎)の予防と治療

抗菌物質やホルモン、酵素、抗酸化物質など、生命活動にとって重要な成分が含まれる唾液。唾液の質と量が低下すると、口臭はもちろん、太りやすくなる、老化が早まる、生活習慣病など、様々なトラブルの原因となります。ここでは、唾液の状態で分かる病気のサインと起こりがちな症状、唾液分泌を増やす方法について解説します。

あなたの唾液は正常?

唾液には、抗菌物質やホルモン、酵素、抗酸化物質など、生命活動にとって重要な様々な成分が含まれています。そのため、唾液の状態がよくないと、口が臭くなるのはもちろん、太りやすくなる、老化が早まる、生活習慣病など、様々なトラブルの原因となります。

あなたの唾液は健康でしょうか? 今回は、唾液の状態で分かる病気のサインと起こりがちな症状について解説します。

唾液に含まれる成分と働き

唾液の状態を確かめる前に、まずは唾液に含まれる成分と働きについて知りましょう。唾液には、以下のような成分が含まれており、それぞれ重要な働きをしています。

(1)抗菌成分

『日本訪問歯科協会』のホームページによると、口腔内には、300~700種類の細菌が存在し、その数は、よく歯を磨く人でも1000億個~2000億個にも及ぶと言われています。特に起床直後は細菌が多く、あるテレビ番組では、唾液1ccの中に大便10g位分くらいの細菌がいると報道し、大きな反響がありました。

唾液には、風邪薬や卵の白身に含まれる「リゾチーム」や「ラクトフェリン」、「免疫グロブリン(IgA)」などの抗菌成分が含まれ、上述のような口腔内の菌が増えるのを防止しています。唾液の分泌量や質が低下すると、当然ですが口腔内の菌は爆発的に増加します。

近年の研究から、歯周病や口内炎などによって血管に入りこんだ歯周病菌は、血管や内臓に付着して炎症を引き起こすことが判明しました。また、体内に入った歯周病菌を攻撃するため、免疫細胞がサイトカインなどの生理活性物質を放出します。血管や臓器の炎症、生理活性物質の大量放出は、高血圧や糖尿病、勃起不全、脳梗塞、心疾患、早産など、あらゆる深刻な病気や症状の原因となります。

(2)歯を補修・強化する成分

唾液に含まれるミネラルや、タンパク質の一種である「スタテリン」、「高プロリンタンパク」が歯の再石灰化や保護をしています。スタテリンや高プロリンタンパクは、歯の表面を覆い、歯からカルシウムやリンなどが溶け出すのを抑える「ペリクル」を形成しますが、唾液が減るとペクリルが形成されにくくなり、再石灰化も妨げられます。

(3)若返り・ダイエット成分

唾液には、「パロチン」と呼ばれる成長ホルモンや、「EGF」「NGF」などの成長因子が含まれます。成長ホルモンや成長因子は、全身の若返りや脂肪の分解を促す働きをしています。

(4)血糖値を安定させる酵素

唾液には、アミラーゼというデンプンを分解する酵素が含まれています。従来アミラーゼは、単に消化を助ける働きがあるとしか認識されていませんでしたが、近年の研究により、唾液中のアミラーゼには、血糖値を安定させる働きがあることが分かってきました。

あなたの唾液は大丈夫?

このように、大変重要な働きをしている唾液は、「質」と「量」が充実していることが重要です。あなたの唾液はいかがでしょうか? 以下のチェック方法を試し、唾液が健康かどうかを試してみましょう。

唾液の臭いを確認

手の甲を軽く舐め、半乾きにして臭いを嗅いでみましょう。かなり臭う場合は、唾液の質や量が落ち、菌が大量に繁殖している可能性が高いといえます。

分泌量は十分かを確認

クッキーやパンなど、乾いた食べ物を飲み物なしで問題なく食べられますか? もし食べづらい場合、唾液の分泌量が不足している可能性があります。また、口や喉に渇きを感じることが多い、唾液がネバネバしていると感じるのも、唾液不足のサインです。また、分泌量は加齢やストレスでも減少しやすくなります。

唾液の改善方法

もし唾液の量や質に問題がある場合、どのように対処すればいいのでしょうか。以下に唾液を改善する方法をご紹介します。

よく噛む

唾液は噛むことで分泌が促進されます。食事の時は、飲み物で流し込むのではなく、できるだけよく噛むようにしましょう。ガムを噛むのも効果的です。よく噛むと、唾液の分泌が促されるだけではなく、満腹中枢が刺激されて食べ過ぎを防ぐことができます。

「あいうべ」体操

噛むことと同様、舌を動かすことで唾液腺が刺激されます。なるべく大きく、「あー」「いー」「うー」と口を動かします。最後の「べー」は、舌をなるべく下方向に出すようにします。あいうべ体操は、口周りのたるみやほうれい線の予防・改善にも効果的です。

副交感神経を刺激する

「緊張すると口がかわく」と言いますが、唾液は副交感神経が優勢になり、リラックスしている時に分泌が多くなります。普段、ストレスが多い生活を送っている方は、それだけで唾液が少なくなりがちです。腹式呼吸や入浴、好きなことをするなど、意識的にリラックスする方法を実行しましょう。

耳周りと顎をマッサージ

唾液腺は、耳から顎にかけて存在します。耳周辺や顎の下を痛くない範囲で指圧したり、軽く円を描くようにマッサージすると、唾液の分泌を促すことができます。

タマネギを食べる

鶴見大学の斎藤一郎教授のチームが行った実験により、タマネギに多く含まれるポリフェノールの一種、「ケルセチン」が唾液量を増やすことが判明しました。この研究結果が掲載された米国の科学誌「PLOS ONE」によると、ケルセチンは、唾液をはじめとする水分泌障害の原因となる酸化ストレスや炎症反応を抑制することため、唾液の分泌を改善するとのことです。

健康な唾液で口臭も病気も予防!

唾液の量と質が改善されると、口臭の改善だけではなく、美容・健康上さまざまな良いことがあります。上にご紹介したことは、どれも比較的簡単にできることばかりです。ぜひ良い唾液をしっかり出して、美しく、健康に、そして口臭レスを目指しましょう。

しかし、努力をしても改善しない場合、「シェーグレン症候群」など、深刻な病気が原因の場合があります。口の渇きがひどく、日常に差し障るようなことが続く場合は、医師に相談するようにしてください。

参考文献

  • 今井一彰『免疫を高めて病気を治す口の体操「あいうべ」』(マキノ出版、2008年)
  • PLOS ONE『Evaluation of the Effects of Quercetin on Damaged Salivary Secretion』(January 28, 2015)

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