医師が教える「手汗」対策

更新日:2016/12/09

手汗・手掌多汗症

手汗はさまざまなシチュエーションで生活に影響を与えるので、お困りの方も多いでしょう。そこで、ドクター監修のもと、正しい手汗対策についてお伝えします。手汗をかかないために必要なことや治療法、間違った対策について知っておきましょう。

手汗が多いと、なにかと不便を強いられることが多いです。ここでは、医師がすすめる正しい手汗対策をご紹介します。

手汗は気にしないのが1番

「手に汗握る」という言い方があるように、緊張や興奮をしているときは手汗が出るもの。これは、「精神性発汗」による汗で、手のひらや足の裏など局部的にみられるのが特徴です。通常、精神性発汗は気持ちが落ち着けば自然にひいていくものですが、いつまでも手汗がおさまらなかったり、したたり落ちるほど異常にかいたりする場合は、発汗を促している交感神経が過剰に働きすぎている可能性があります。

自律神経には、活動的なときに優位になる交感神経と、リラックスしているときに優位になる副交感神経があります。それぞれがアクセルとブレーキのように正反対の役割を担っており、バランスよく働くことで体を調整しているのです。このうち、発汗を促しているのは交感神経です。交感神経は、緊張や興奮、ストレスなどによって刺激されてしまいます。そのため、手汗を気にしたり早く汗をとめようと焦ると、交感神経への刺激はさらに強まり、余計に汗をかくという悪循環に陥ってしまいます。手汗を抑えるためには交感神経を鎮める必要があるため、手汗のことをあまり気にせず、リラックスすることが大切です。

手汗をかかないために水分摂取は控えたほうがいいの?

手汗をかかないように水分摂取を控える方がいますが、これは意味がないどころか、危険なのでやめておきましょう。

発汗には、「上がりすぎた体温を下げる」という重要な役割があります。ですから、たとえ水分をとらなくても、体温調節の必要があれば汗は分泌されるのです。つまり、水分摂取を控えてしまうと、脱水症状を起こしてしまう恐れがあります。また、水分をたくさんとったとしても、体に不要な分は汗ではなく尿として排泄されるので、汗の量はあまり変わりません。

治療による手汗対策

手汗がひどい場合は、病院で「多汗症」の治療を受けるという方法もあります。代表的な治療法をご紹介しましょう。

塩化アルミニウム外用制汗剤

汗腺を塞ぐ作用がある「塩化アルミニウム水溶液」を、夜寝る前に手のひらに塗り、朝起きたら洗い流すという治療法です。治療費が比較的安く、自宅でも簡単にできるのが特徴です。手袋を利用した「密閉療法」が効果的ですが、塩化アルミニウムは刺激が強いので、人によっては皮膚炎を起こす可能性があります。

イオントフォレーシス

微弱な電流を流した水に手のひらを20分ほど浸すことで、汗腺にダメージを与えて汗を減らす治療法です。治療費が安く、手を浸すだけという簡単な方法ですが、定期的に行う必要があるので通院の手間がかかります。自宅でもできますが、行うためには専用の機器を購入しなくてはなりません。

ボツリヌス注射

手のひらに直接注射することで神経をブロックし、汗を減らす治療法です。効果が高く、1回の注射で3~6か月ほどの持続が期待できます。ただし、保険が適用されないので治療費は高くなります。注射の強い痛みや副作用にも注意が必要です。

自分に合った対策で、手汗の悩みを解消しましょう。

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