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知らないと危険!タトゥー除去治療の実態

更新日:2016/12/09

この記事の監修ドクター

六本木境クリニック 院長  境隆博先生

タトゥーの違法治療で医師が逮捕

2015年5月10日、違法なタトゥー(刺青・入墨)の除去治療や脱毛などを行ったとして、大阪市の某クリニックの院長とその妻が逮捕されました。報道によると、被害者のうち、レーザーを使った両腕のタトゥー除去の施術を約4万円の費用で受けた女性は、患部がケロイド状になるやけどを負ったということです。

なぜこのようなことが発生するのでしょうか。また、どうすれば、このような被害に遭わずに済むのでしょうか。今回は、タトゥー除去治療の実態と、失敗せずに治療を受けるための注意点について、六本木境クリニック院長、境隆博先生にお話を伺います。

六本木境クリニック院長、境隆博先生

境先生は、年間のべ300症例を超えるタトゥー除去の治療を行っており、タトゥー除去治療について深い知識と豊富なご経験をお持ちです。

なぜ違法な治療を行うクリニックが存在するのか

Q: 上述の通り、違法なレーザーによるタトゥー除去治療を行っていたクリニックの院長と、実際に施術を行っていた妻(准看護師)が逮捕されました。なぜこのようことが起こるのでしょうか。

境先生:美容医療を行うクリニックや医師の数が増え、過当競争・価格競争になっていることが背景にあります。値段を下げるには、数多くの患者さんの診療や施術を行わなければなりません。しかし、全ての施術を医師がしていたら、時間には限りがあるので、当然一定以上の治療は行えず、値段を下げたり、より利益を出すことはできません。そのため、今回逮捕されたクリニックのように、看護師などに施術をさせるところもあるようです。

また、レーザーを使った施術は、サロンなどでも行われていることから、患者さんも医師ではない人が施術をしても受け入れてしまいがちです。これがメスで切るような治療であれば、看護師など医師免許を持っていない人が行うと聞けば、患者さんも黙ってはいないでしょう。

レーザー治療でも気軽に受けてはいけない

Q: 確かに、レーザーを使った施術に対して、「医師でなくても大丈夫なのでは」という認識を持っている人は多いように思います。しかし、やはり危険なのでしょうか。

境先生:どのようなレーザー系の治療でも、やけどを起こす可能性はあり、完全に医療行為です。特に、皮膚内部の色素にレーザーを反応させるタトゥー除去治療では、程度の差はあれ、100%やけどを生じます。

違法な施術の被害者となった患者さんは、逮捕された看護師のレーザー照射により、腕にケロイド状のやけどができたようですが、レーザー治療といえども、医師免許を持たない人がやるのは明らかに間違いです。法律の解釈うんぬんと言った問題ではありません。

ご理解いただきたいのが、レーザー治療に限らず、医療行為とは、何かしらの危険を伴うものです。失敗すれば重大な後遺症を引き起こし、下手をすれば一生苦しむ可能性もあります。

※タトゥーのレーザー治療について詳しくは、『タトゥーのレーザー治療の効果・痛み・後遺症』をご覧ください。

医師であれば安心なのか

Q:これまで、タトゥーの除去治療について、レーザーに限らず、切除手術皮膚移植(植皮)削皮(アブレーション)についてお話をお伺いしましたが、医師免許を持った医師が治療を行った場合においても、トラブルは少なくないようです。それは何故なのでしょうか。

境先生:医師でもない素人が医療行為を行うのは論外ですが、医師だからと言って、その分野の経験が浅ければ、長い経験のある専門医と同様の治療を行うことは当然できません。

1つの分野でさえ、一人前の医師になるには、それなりの期間が必要です。私も研修医の頃、上司に付いているだけで何も分からない時代もありました。私は元々、形成外科、特に熱傷(やけど、やけど跡)が専門ですが、命が危ぶまれる患者さんも少なくない非常に厳しい医療現場で上司と一緒に様々な症例を診療しました。更に、そのような現場でキャリアを積み、責任者となって…と、合計10年以上の経験を積みました。そして、その時に身に着けた技術や知識を基に美容外科に転身し、美容外科医としてもキャリアを積んで、今に至ります。

医師免許や、医師の専門性というのは、そのくらい重いものです。しかし、前述の通り、現在は美容医療を行う医師が増え、近年では歯科医ですら、ボトックスやヒアルロン酸注入などによる顔のシワ取りの治療に参入する人もいると聞きます。

手術などと異なり、レーザーなどの照射系の治療や、ボトックスやヒアルロン酸などの注射系の治療は、経験が浅い医師や、場合によっては看護師などでも比較的容易に行うことができる治療です。医師免許のない人が医療行為を行うのは論外ですが、十分な経験や技術がない分野に安易に手を出す医師も少なくないことが、トラブルが多い大きな原因の1つだと思います。

適切な治療を受けるために

Q:それでは、どうしたら失敗せずに自分に合った適切な治療を受けることができるのでしょうか。

境先生:最も重要なことは、例えばタトゥー除去治療であれば「きれいに消せる」「傷跡が残らない」「低価格」など、耳触りの良いものに安易に飛びつかないことです。適切な判断ができるよう、ご自身のアンテナを高くして、よく情報収集してから決めるようにしましょう。

例えば、私のクリニックにタトゥー除去について相談にいらっしゃった患者さんで、「色々なクリニックでカウンセリングを受けましたが、医師の意見が極端に違い、何を信じて良いのか分からなくなりました。」と言っていた方がいました。

医師の中には、本当に適した治療は経験や技術不足によって行えないため、自分ができる範囲の治療方法を勧める人もいます。また、逮捕された医師のように利益を重視し、看護師にやらせることができるレーザーを推奨することだってありえるのです。

そのため、「5人の医師のうち、3人がこの施術を勧めたから」のように、多数決で治療方法を決めてはいけません。上述のような医師の意見は、当然ですが除外しなくてはいけません。

「誰が真実を言っていて、誰がウソをついているのか」の判断ができないと、不適切な治療を受けてしまうことになりかねません。刺青やタトゥーの除去治療に限って言えば、不適切な治療を受けると、目立つ傷跡や後遺症など、取り返しが付かないことになりがちです。

タトゥー除去をはじめ、美容医療の施術は、「治療をしないと命にかかわる」というものではありません。適切な判断ができない間は、「判断しない(治療を受けない)」という選択をし、十分時間をかけてリサーチしたり、よく考えるようにしましょう。そして、最終的に「治療しない」という選択枝もあるということを、心のどこかに必ず残しておいてください。

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