慢性疲労症候群とは

更新日:2017/02/15

慢性疲労症候群の基礎知識

日常生活に影響を及ぼすほどの疲労感が長期間にわたり続く慢性疲労症候群。風邪のような症状から始まり、その後ひどい疲労感や微熱、痛み、睡眠障害などの症状が現れます。ドクター監修のもと、慢性疲労症候群について詳しく説明します。

日常生活に影響を及ぼすほどの疲労感が6か月以上続く病気、慢性疲労症候群。慢性疲労症候群の原因と発症率、自覚症状について詳しくお伝えします。

慢性疲労症候群の原因と発症率

風邪のような症状から始まることが多い

慢性疲労症候群は、日常生活に影響を及ぼすほどの疲労感が長期間続く病気です。風邪のような病気から症状が始まることが多く、その後疲労感が6か月以上続きます。アメリカでは、最大で10万人につき38人の割合で慢性疲労症候群の症状を訴えています。また、近年では発症率がさらに増えていることが明らかになっています。慢性疲労症候群は主に20~50歳の人にみられ、男性より女性の方が約1.5倍多いといわれています。

原因の解明はこれから

はっきりとした原因は不明で、身体的なものか精神的なものかということも分かっていません。ある研究結果では、アレルギーやホルモンの異常、脳への血流の減少、ある種の栄養素不足などが原因と指摘されています。アレルギーについては、慢性疲労症候群患者のうち約65%が過去にアレルギーを起こしていることが分かっています。また、慢性疲労症候群患者の家族から発症する確率が高いということから、慢性疲労症候群は遺伝的要因があるとも考えられています。

他にも、ストレスが引き起こす身体の異常や、神経・内分泌・免疫の異常、病気の回復期に長期間にわたり安静状態を続けることを要因とする説など、慢性疲労症候群の原因は複数あると考えられています。

慢性疲労症候群の自覚症状

長期にわたる疲労感

慢性疲労症候群は日常生活に影響を及ぼすほどの疲労感が6か月以上続きます。疲労感は1日中続き、これは身体活動や心理的ストレスにより悪化します。風邪のような病気から症状が始まることが多いですが、この症状がなく疲労感が出始めることもあります。また、集中力の低下や不眠、頭痛、腹痛、のどの痛み、関節痛、筋肉痛などの症状が現れることもあります。

微熱や痛み、睡眠障害なども

疲労の原因に思いあたるものがない疲労感が起こった場合、慢性疲労症候群に当てはまる可能性が高いと言えます。その他の代表的な症状としては、微熱や痛み、睡眠障害、精神障害などがあげられます。平熱より1.5度程高い熱が半年以上にわたって続き、解熱鎮痛剤などを飲んでも熱が下がらない状態になるケースも起こります。のどの痛みや頭痛といった風邪のような症状や、動くことができないほどの筋肉痛になることもあるのです。

睡眠障害については、自律神経の異常から不眠や過眠などの症状が現れます。精神障害では神経伝達物質の低下などから、うつ病に似た症状が引き起こされます。うつ病は朝に憂うつ感が強いことが特徴ですが、慢性疲労症候群からくるうつ症状は午後になると憂うつ感が強まるという違いがあります。また、集中力や注意力の低下が見られ、認知症のような症状が出る場合もあります。

子供にも起きる慢性疲労症候群

慢性疲労症候群は大人だけに起こるものと思われがちですが、子供でも似たような症状が起こることがあります。子供に起こる慢性疲労症候群は「小児慢性疲労症候群」呼ばれており、原因はまだはっきりしていませんが、まじめな子供に症状が現れることが多く、その関係性が注目されています。

小児慢性疲労症候群については『子どもの疲労「小児慢性疲労症候群」とは』の記事をご覧ください。

慢性疲労症候群の治療について

今のところ、慢性疲労症候群の特効薬はまだ開発されていません。現時点での治療方法は、非薬理療法・薬物療法・心理療法が中心になっています。

非薬理療法とは、ビタミンCやコエンザイムQ10などを摂取する栄養療法やナチュラルホルモンを投与する治療法です。薬物療法では、免疫力を高める薬やうつ症状を改善する薬、漢方薬などが処方されます。心理療法は、カウンセリングによりストレスケアを行うことを目的とした治療方法です。

慢性疲労症候群の治療については『慢性疲労症候群の治療にはどのようなものがある?』の記事で詳しく解説しているので、ご覧になってください。