アレルギー・花粉症と免疫力

更新日:2016/12/09 公開日:2015/08/14

免疫力の低下・異常

毎年、春先になると、花粉症のつらい症状に悩まされる人も多いでしょう。花粉症などのアレルギーには免疫機能が関係しているといわれています。ここでは、花粉症と免疫の関係について、ドクター監修の記事で詳しく解説します。

日本人の約25%が花粉症で、その割合は年々増加しているといわれています。

そしてこの花粉症には免疫が関係していることをご存知でしょうか?ここでは花粉症と免疫力との関わりや、さまざまな花粉症対策を紹介します。

花粉症と免疫力の関係

花粉症は、「季節性アレルギー性鼻炎」または「季節性アレルギー性結膜炎」とも呼ばれている、アレルギー症状を起こす病気のひとつです。スギやヒノキなど植物の花粉がアレルゲン(原因)です。

そのアレルゲンである花粉が体内に侵入しようとしたとき、取り除こうとする働きが「免疫力」です。免疫力の働きが過剰になるとアレルギー反応を起こします。

花粉は空中に漂っているわけですから、誰でも花粉に触れている状態ですが、花粉に触れてもすぐに花粉症になるわけではありません。

花粉が体内に入っても通常は無害なものです。しかし、免疫の司令塔であるヘルパーT細胞が誤って有害と認識し、B細胞に抗体をつくるよう指示することで「IgE抗体」をつくります。

抗体とは、異物が体内に侵入したとき、取り除こうとして出される物質です。IgE抗体は、花粉に触れるたびに大量に作られ、蓄積されます。IgE抗体ができたあと、再び花粉が体内に侵入すると、目や鼻の粘膜に存在する肥満細胞の表面のIgE抗体と結合します。すると、肥満細胞からヒスタミンなどの化学物質が出され、花粉をできるだけ身体の外へ出そうと働きます。その結果、洗い流すための鼻水、吹き飛ばすためのくしゃみ、侵入を防ぐ鼻づまり、といったいわゆるアレルギー症状が現れます。

免疫力の低下で花粉症にかかりやすくなる

近年、花粉症の人が増えている理由のひとつに、時代による環境の変化があります。

住環境の変化でダニやハウスダストが増え、アレルギー体質の人が増えた、車の排気ガスなどの大気汚染によりアレルギー体質の人が増えた、などがいわれています。

しかし、同じ環境に暮らす中でも、花粉症にかかりにくい人、かかりやすい人がいます。これに関係するのが免疫力の低下です。

花粉症を発症するそもそものきっかけは、ヘルパーT細胞が、本来無害である花粉を有害と誤って認識したことにあります。つまり、ヘルパーT細胞が正常に機能していれば、花粉症にかかることはないと言えるのです。ヘルパーT細胞が正常に働けないのは、免疫力の低下によるもの。ストレスやさまざまな生活環境が要因となって、徐々に免疫力が低下していくと、ヘルパーT細胞も正常な働きをできなくなってしまうのです。

免疫力が低下すると、感染症にかかりやすくなったり、がんになるリスクが上がりますが、アレルギーにも大きく関係します。免疫力を高めるには、睡眠をしっかりとる、栄養バランスを考えた食事を摂る、適度に運動する、ストレスをできるだけためないなど、生活からの見直しが大切になります。

マスクをする、帽子をかぶるといった、花粉を寄せつけない対策に加えて、こうした生活習慣の改善も心がけましょう。