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免疫力を高める食べ物・食材と効果的な摂取方法

更新日:2018/04/12 公開日:2015/08/14

免疫力を高める方法

「免疫力を高めれば病気になりにくくなる」というのはよく知られています。では、免疫力を高めるためにはどんな食生活を送ればいいでしょうか。ここでは「免疫力を高める」とはどういうことなのか、何をどう食べればいいのかについて、ドクター監修のもと説明します。

「免疫力を高める」ってどういうこと?

免疫は、細菌やウイルスなどの病原体をやっつける身体のシステムだということは、多くの方がご存知だと思います。また、体内にできたがん細胞を殺すのも免疫の役割だということも聞いたことがあるのではないでしょうか。免疫システムを担っているのは白血球に代表される免疫細胞で、まるで軍隊のように「自分でないもの」(病原体やがん細胞)を探し出し、撃退してくれる体内のシステムです。

この軍隊は多くの種類の細胞で構成されており、一糸乱れぬ働きをするよう制御されていますが、ときどき暴走することがあります。例えば、本来は無視するはずの花粉を「敵」と認識して攻撃することで花粉症(季節性アレルギー性鼻炎)が起きたり、自分の関節を構成する物質を「異物」と勘違いして破壊してしまう関節リウマチのような自己免疫疾患になってしまったりします。

このように、免疫システムは働かなさ過ぎても、異常に働き過ぎても問題が起こりますので、ちょうどよい塩梅に調節されていることが重要です。ここでは、免疫システムがうまく制御されており、病気になりにくい健康的な体を維持できる状態になることを「免疫力を高める」と呼ぶことにします。

「免疫力を高める」食べ方ってどんなもの?

免疫システムを担う免疫細胞は、細胞ですので、きちんと働くためには栄養が必要です。免疫細胞にはさまざまな種類があり、色々な武器を作り出して応戦するためには多様な栄養が必要になります。そのため、免疫力を高めるための理想的な食事のあり方とは、多くの種類の食品をバランスよく摂れるような食べ方です。

バランスのよい食事とは、主食(ごはん、パン、麺)、副菜(野菜、きのこ、いも、海藻)、主菜(肉、魚、卵、大豆)、牛乳・乳製品、果物を組み合わせた食事のことです。この後、免疫力を高める食べ物(食材)を紹介しますが、これらだけをたくさん食べていればよいということではなく、バランスのよい食事を前提としてうまく取り入れることが大事であることをご理解ください。

なお、バランスのよい食事について詳しくは、厚生労働省と農林水産省が共同で作成した『食事バランスガイド』『毎日の食生活チェックブック』を参照してください。

「免疫力を高める」食べ物

前置きが長くなりましたが、ここからは免疫力を高めることが期待されている食べ物を紹介していきます。乳酸菌、多糖類、脂肪酸、ビタミン、ミネラルなどは免疫細胞を活性化し、感染への抵抗力を高めたり、アレルギーの発症を予防したりするなどの効果が期待されています[1]。

乳酸菌

免疫細胞は外界と接しているところに多く配置されています。人間の身体の中で外界と接している場所として、皮膚はすぐに分かると思いますが、消化管もその一つです。口から肛門までつながる長い管は、食べ物などの外界の物質にさらされる場所ですから、ここにも免疫細胞が多く存在し、細菌などの異物が身体の中に入ってこないか見張っているのです。特に腸には、腸内細菌が100兆個以上も生息していると言われており、免疫細胞も多く配置されています。

腸内の細菌により免疫細胞は影響を受けます。腸内細菌の中でも善玉と呼ばれる乳酸菌は、免疫細胞を成長(分化)・活性化させたり、ウイルスと戦うための武器(サイトカインなど)を作り出すのをサポートしたりする作用があると言われています。また、腸内細菌の一部が作り出す多糖類には、行き過ぎた免疫反応を制御する機能もあるそうです。実際に、人を対象とした臨床試験において、乳酸菌の摂取によりインフルエンザの予防やアレルギー症状の改善などが見られたと報告されています[1][2]。

乳酸菌を摂取するには、乳酸菌が含まれた乳製品(ヨーグルトなど)があります。乳製品が苦手な人は、乳酸菌を配合したタブレットやドリンク、お菓子なども販売されています。また、きな粉やバナナ、はちみつなどと一緒にとるのもおすすめです。これらには、乳酸菌のエサとなるオリゴ糖が含まれているので、腸内の善玉菌増加に効果的です。

ビタミンA(βカロテン)

ビタミンAは脂質の酸化を防ぎ、細胞の健康を保つ「抗酸化作用」を持ちます。また、粘膜を丈夫にして、ウイルスなどが侵入してくるのを防ぎます。さらに、その粘膜で働くIgA抗体を増やして感染防御に働いたり、免疫を調節する機能をもつ細胞を増やすとも言われています。

ビタミンAは脂溶性のビタミンなので、油と一緒に摂ることで吸収力が高まります。ビタミンAは、ニンジン、ホウレンソウ、コマツナ、ニラなど、緑黄色野菜に多く含まれます。ホウレンソウ、コマツナ、ニラはビタミンCやEも豊富です。

ビタミンC

抗酸化作用のほか、免疫力の主体である白血球の働きもサポートします。ただし、一度にたくさん摂っても、余った分は排出されてしまうため、3回の食事ごとにしっかり摂る必要があります。ビタミンCを多く含む食材は、レモン、キウイ、水菜、ブロッコリー、キャベツ、ジャガイモ、カブ、ダイコン、レンコンなど。なお、ブロッコリー・水菜・キウイ・ダイコンの葉には、ビタミンAやビタミンEも豊富です。

ビタミンE

ビタミンEも抗酸化作用が強いビタミンです。ビタミンEを多く含む食材は、アーモンド、モロヘイヤ、アボカド、カボチャ、卵、植物油、抹茶など。なお、カボチャやモロヘイヤには、抗酸化力の強いビタミンAやビタミンCも豊富、抹茶はビタミンA・C・E、亜鉛、カテキンと抗酸化成分の宝庫です。

ビタミンD

ビタミンDは免疫システムを調整する機能があります。鮭やサンマ、ちりめんじゃこ、きくらげなどに多く含まれますが、肌を紫外線に当てることでも体内で作り出すことができます。

n-3系脂肪酸

脂肪にはさまざまな種類がありますが、なかでもn-3系脂肪酸に分類されるものは炎症を抑える働きがあると考えられています。具体的には、植物油(特にアマニ油やえごま油)に含まれるα-リノレン酸や、青魚に多く含まれるDHAやEPAがn-3系脂肪酸に分類されます。これらは中性脂肪や高血圧の低下、血栓の防止などにもよい作用があると言われているため、積極的に摂りたい食品です。

亜鉛

ミネラル不足になると、細胞が生きるために必要な酵素などがうまく働かなくなります。免疫に関しては、特に亜鉛不足がよくないと言われています。亜鉛を多く含む食品は、牡蛎、豚レバー、赤身肉、納豆などです。

マグネシウム

マグネシウムは、ウイルスに感染した細胞を攻撃する際に重要なミネラルです。アーモンドや蕎麦、大豆、ほうれん草などに多く含まれています。

これらのほか、免疫を活性化するβグルカン(キノコに含まれる多糖類)やフコイダン(海藻に含まれる多糖類)などや、抗酸化作用を持つと言われるリコピン(トマト)やカテキン(緑茶)、アントシアニン(ブルーベリー)、ケルセチン(タマネギ、リンゴ)、ポリフェノール(赤ワイン、バナナ、カカオ)など、「免疫力を高める」とされている食べ物は多くあります。

前半でも解説した通り、免疫システムは複雑な制御のもとに動いているものですから、どれか特定の食べ物ばかりを食べていればよいということにはなりません。これらの食品をバランスよく食事に取り入れることが重要です。

参考文献

  1. 1. 田中沙智. 食品成分による免疫制御メカニズム. 信州大学農学部紀要 2015: 51; 1-8
  2. 2. Sakata K,et al. Preventive effect of Lactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805 yogurt intake on influenza infection among schoolchildren. Health,9:756-762,2017

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