EPA・DHAのアレルギーに対する働き

更新日:2016/12/09 公開日:2015/08/27

DHA・EPAの効果

青魚に多く含まれるEPAとDHAは、アレルギーの予防・改善にも効果的であることがわかっています。アレルギーは身近な病気であり、悩む人も多い症状です。ドクター監修のもと、アレルギーに対するEPAとDHAの働きについてご紹介します。

アレルギー人口の増加には食生活が大きく影響している

昔に比べると「アレルギー」という言葉を聞く機会が多くなりました。実際、アレルギーを持つ日本人は増加傾向にあります。これには、主に3つの原因が考えられています。ひとつは、ハウスダスト、ペット、スギ花粉など、アレルギーの原因物質(アレルゲン)の増加です。特に、ハウスダストは建物の構造変化やエアコンの使用により、近年著しく増えているとされています。

もうひとつが、増悪因子の増加です。特に、大気汚染はぜんそくや花粉症の増悪因子となります。また、ストレスはアレルギー性皮膚炎の増悪因子になるとされています。

最後のひとつが、食生活の変化です。例えば、動物性タンパク質である牛乳や卵の過剰摂取は、牛乳アレルギーや卵アレルギーの発症頻度を高めます。また、マーガリンや精製油などに含まれるオメガ6系と呼ばれる脂質を摂りすぎると、体の中の炎症反応が起きやすくなるといわれています。反対に、青魚に多く含まれるEPA・DHAなどのオメガ3系の脂質には、体の中の炎症反応を抑制する働きがあるとされます。

元来、日本人は魚を好んで食べていましたが、食生活が欧米化することで肉類が中心となり、また、コンビニやファストフードが多くできたことから質の悪い油を多く摂取するようになりました。こうした食生活の変化が、アレルギーの増加に大きく影響しているのではと考えられています。

EPA・DHAのアレルギー抑制メカニズム

それでは、EPAやDHAなどのオメガ3系脂質が持つアレルギーの抑制効果について、さらに詳しく見ていきましょう。

EPA

EPAには、炎症の原因となる物質「プロスタグランジン」の合成に使われる、シクロオキシゲナーゼやリポキシゲナーゼなどの酵素を抑制する働きがあります。すると、損傷を受けた炎症部位や組織に入り込んだ白血球から放出される生理活性物質(さまざまな生体反応を制御する化学物質)も抑えられます。この作用から、アレルギー反応を促す酵素の阻害効果が期待できると考えられています。

DHA

DHAには、「プロスタグランジン」と「オリコトリエントPAF(パフ)」という「サイトカイン」の産生を抑える働きがあります。プロスタグランジンとサイトカインは、どちらも炎症の原因となる物質なので、これらを抑制することでアレルギーの緩和が期待できるとされています。実際に、DHAを含んだ石けんの使用で乾癬(慢性の皮膚角化疾患)が改善したり、DHAの投与により花粉症の改善が見られたという報告もあります。

このように、EPAとDHAには健康維持効果や脳の活性効果だけでなく、アレルギーの抑制・緩和効果もあることがわかっています。EPAとDHAが多く含まれる青魚を積極的に食べるよう意識したり、サプリメントで摂取することも大切です。

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