妊娠初期の頻尿の原因と対処法

更新日:2017/10/30 公開日:2015/09/28

女性の頻尿の原因と対策

妊娠初期は身体に変化が起こる時期です。頻尿の症状もそのひとつですが、妊娠するとトイレが近くなるのはなぜなのでしょうか?ドクター監修のもと、妊娠初期の頻尿の原因とその対策法を紹介します。

板東浩先生

この記事の監修ドクター

医師
板東浩先生

妊娠中はいろいろな変化が身体に起こります。トイレが近くなる頻尿もそのひとつ。これまでなかった症状に不安やストレスを感じてしまうこともあるかもしれません。妊娠中における頻尿の原因を知って、上手に対処していきましょう。

妊娠で尿が多く作られるように

トイレに行ったばかりなのに、すぐにまた行きたくなる。妊娠初期には、こんな頻尿の症状が出やすくなります。ちょっとした瞬間に漏れてしまった、などという尿にまつわる悩みを抱える妊婦の方は、少なくありません。

妊娠すると、腎臓で尿を盛んにつくるような変化が起きます。妊娠したことで血流が高まるなどして、腎機能が活発になります。妊娠の中期にかけて尿の量の増加は続き、尿の濃度も薄まります。これらが、トイレが近くなる原因のひとつになります[1][2][3]。

子宮が急に大きくなることが妊娠初期の頻尿の原因

妊娠5週目くらいから、子宮は赤ちゃんの成長にともなってひと回り大きくなります。この子宮が、すぐ前方に位置する膀胱を圧迫するため、頻尿の症状が現れやすくなります。大きくなった子宮は常に膀胱を圧迫しているので、膀胱に少ししか尿がたまっていなくても、尿意をもよおしたり、尿意を感じてから我慢できる時間が短くなったりするのです[1][2][3]。

また黄体ホルモンが高値で維持されるため、骨盤底筋がゆるんでしまうのも、頻尿や尿漏れの原因のひとつです。しかし、妊娠初期の方全員が子宮の圧迫で頻尿になるわけではありません。膀胱や子宮の大きさや骨盤底筋の状態は、個々人で違うためです。

妊娠中の頻尿は、生理現象のひとつです。頻尿は妊娠4か月頃までありますが、さらに子宮が大きくなってお腹の上にせり上がってくる妊娠中期になるとその症状は和らぎ、妊娠後期になると再び現れる傾向にあります。あまり深刻にならず、全ての症状は、出産とともに改善するので、必ず終わりがあると考えるだけで気持ちが楽になるかもしれません。もし、排尿時の痛みや残尿感がある場合は、膀胱炎の可能性が高いので、クリニックを受診するようにしてください[1]。

妊娠初期の頻尿対策

妊娠時の頻尿は生理現象であるゆえに、直接的な解決策はありません。しかし、日常のちょっとした対処で症状を緩和させることは可能です。まずは、水分の摂り過ぎや、利尿作用のあるカフェインを含んだ飲み物などは控えましょう。就寝中のトイレが近くて困っている場合は、夕方以降の水分摂取を控えめにしてみてください。

身体の冷えも尿意をもよおす原因です。冷たい飲み物を避けることはもちろんですが、靴下を履くようにしたり、湯船に浸かって温まったり、生姜など身体を温める食材を活用するなどの冷え対策を行いましょう。

また「トイレが近いから水分を摂らない」というのも、尿路感染症の可能性が高まるのでよくありません。1日1~2リットルは、水分を摂取しましょう。排尿回数は、妊娠していない時は、4~8回くらいが正常ですが、妊娠中は、10回~12回くらいになることがあります。この程度の排尿回数の増加は、気にしなくて構いません。出産後は、1日排尿回数が、4~8回になるように排尿回数をコントロールしましょう。

参考文献

  1. [1]池ノ上克ほか編, NEWエッセンシャル産科学・婦人科学 第3版. 医歯薬出版 2015; 301
  2. [2]Pregnancy Wellness. "Pregnancy Symptoms — Early Signs Of Pregnancy" American Pregnancy Association. http://americanpregnancy.org/getting-pregnant/early-pregnancy-symptoms/ (参照2017-10-25)
  3. [3]Pregnancy Wellness. "Pregnancy Symptom Alternatives" American Pregnancy Association. http://americanpregnancy.org/getting-pregnant/pregnancy-symptom-alternatives/ (参照2017-10-25)

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