妊娠したい人の基礎知識(12)高齢妊娠の正しい知識

更新日:2016/12/09

妊娠したい人の基礎知識

今や5人に1人が高齢妊娠・出産をしている時代ともいわれていますが、だからこそ、そのリスクについてはあまり知られていません。ドクター監修のもと、高齢妊娠・出産の定義と、危険性や注意点について解説します。母体と胎児に及ぼす影響について正しく理解したうえで、妊娠・出産に臨みましょう。

今や5人に1人が高齢妊娠・出産といわれる現代の日本。しかし、母体と胎児に及ぼす影響について正しく認識している人は、それほど多くないでしょう。高齢妊娠・出産の定義と、そのリスクについて解説します。

何歳から高齢妊娠・出産になる?

日本産婦人科学会では、35歳以上の初産婦を高齢出産(初産)と定義づけています。高齢妊娠も、同様と考えられます。1992年までは30歳以上を高齢出産としていましたが、30歳を超えて妊娠・出産する女性が増えたこと、WHO(世界保健機関)をはじめ、諸外国で35歳以上との定義を採用していることなどから、日本でも1993年から35歳以上へ変更されました。現在では、日本人女性の5人に1人が高齢出産・妊娠といわれています。

また、50歳以上の妊娠・出産は超高齢出産と呼ばれ、自然妊娠はほとんど不可能とされています。事例がないわけではありませんが、非常に稀なケースとなります。

高齢妊娠・出産のリスク

自然妊娠に限った場合、生物学的に妊娠に適した年齢は20歳~35歳とされています。妊娠力は20代をピークに徐々に低下していき、35歳を過ぎると急激に衰えるためです(その理由については、『妊娠したい人の基礎知識(1)年齢とともに妊娠力が低下する理由』をご参照ください)。

また、年齢を重ねるごとに卵巣の機能や血管の弾力性は弱まるため、たとえ妊娠が成立したとしても、若い頃に比べて母体と胎児へのリスクは高くなります。たとえば、流産や妊娠高血圧症候群、早産、乳児の先天性異常などが起こりやすくなります。特に、高齢出産であればあるほど染色体の異常が起こりやすくなるため、ダウン症児の出生率が高くなるといわれています。事実、20代では0.1%程度なのに対し、40代ではおよそ1%にまで確率が上がるとのデータもあります。

出産に関しても、やはりリスクがともないます。子宮口や産道が伸縮しにくくなっているうえ、お産に耐えられる体力も低下しているため、難産になりやすいとされます。また、産後の回復にも時間がかかる傾向にあります。さらに、高血圧や糖尿病などの持病を潜在的に持っていた場合は、妊娠を機に発症、悪化する可能性もあります。

高齢妊娠・出産で注意したいポイント

高齢妊娠・出産にはリスクが多くなるため、若い頃に産むのにこしたことはありません。とはいえ、事情によって高齢妊娠・出産にならざるを得ない方も少なくないでしょう。産めないわけではないので、望む方は妊娠中と産後に下記のようなことに気をつけ、できるだけリスクを減らしましょう。

・体重管理をより意識的に行う

・ストレスをためないよう意識する

・疲れたときには決して無理をせず、体をしっかり休める

・異常の早期発見・治療のためにも、定期健診にはきちんと通う

若い頃にくらべてリスクが高くなるのは事実ですが、現代の日本は医療の進歩が目覚ましく、栄養状態も悪いわけではありません。正常に妊娠ができていれば、必要以上に心配することはないでしょう。心配しすぎるとストレスになることもあるので、赤ちゃんを授かったことに感謝し、楽しい妊娠生活を送りましょう。

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