妊娠したい人の基礎知識(13)男女産み分けは可能?

更新日:2016/12/09 公開日:2015/09/28

妊娠したい人の基礎知識

「産み分け」という言葉をよく耳にするようになりましたが、男女の産み分けは本当にできるのでしょうか?ドクター監修のもと、日本においての男女産み分けへの考え方と、一般的に行われる方法について解説します。

子どもは天からの授かりもの。どちらが生まれてもあなたの可愛い子。そうは言っても「男の子が欲しい」「やっぱり女の子が良い」など、男女どちらかを希望している方も少なくないでしょう。このような場合、産み分けは可能なのでしょうか?その有無と方法について解説します。

男女の産み分けってできるの?

性別がどのようにして決まるのかは科学的に解明されているため、理論上では産み分けは可能とされています。事実、成功率もどんどん上がってきており、医療機関で産み分け指導を受けた人の場合、最近では男の子、女の子ともに約70%の成功率とのデータが出ています。ただし、その確率は100%ではありません。そのため、産み分けは、希望と異なる性別の子を授かっても「嬉しい」と思え、どのような結果になっても責任を持って育てられる心の余裕がある場合にのみ行うべきと言えるでしょう。

そもそも、日本産婦人科学会では「男女の産み分けは遺伝問題がある場合に限定する」と指導しており、女の子が欲しいなどの単純な希望による理由での産み分けは、原則認めないとしています。希望による産み分けに賛同し、これを実施している産婦人科も少なくありませんが、この場合も基本方針は「妊娠の延長線上での産み分け」としており、「希望に沿わない結果になったときに中絶を希望する人は断る」としているところがほとんどです。

研究による産み分けのメカニズム

子どもの性別は、受精する精子の染色体によって決まります。具体的には、精子の頭部に入っている23個の染色体のうち、性を決定づける23組目の染色体がXX染色体か、XY染色体化によって変わってきます。X染色体を持つ精子が卵子に入れば女の子、Y染色体を持つ精子が卵子に入れば男の子が生まれるというわけです。

研究の結果、Y染色体はアルカリ性、X染色体は酸性に強いという特徴があることがわかりました。これらの性質をもとに、男の子が欲しい場合は受精時に膣内をアルカリ性、女の子が欲しい場合は酸性の環境にするという方法がとられています。

ちなみに、Y染色体はX染色体の2倍の量があります。これは、通常の膣内は酸性の環境になっていることに関係します。膣は、雑菌の侵入を防ぐために、常に強力な酸性液で満たされているのです。酸性に弱いY染色体を2倍に増やすことで、卵子との結合可能性を同等にするという体のメカニズムと言えるでしょう。

一般的な産み分けの方法

それでは、上記の研究結果に基づく具体的な産み分け方法をご紹介しましょう。まずは、どのような方法にしても、妊娠するためには排卵日を正確に予測することが前提となります。排卵期に受精できるよう、タイミングを合わせておきましょう。

※排卵期(妊娠しやすい日)の予測方法については、『妊娠したい人の基礎知識(5)基礎体温と生理周期』をご覧ください。

タイミングを合わせたら、一般的には下記のような方法が試されます。

性交日を選ぶ

通常は酸性の環境になっている膣内ですが、排卵日が近づくにつれてアルカリ性になるという特徴があります。このことから、男の子を望む場合は排卵日までは性交渉を行わず、排卵日当日に行う、女の子を望む場合は排卵日の2日前に最後の性交渉を行い、その後1週間は行わないという方法がとられます。

産み分け用のゼリーを使用する

これは、膣内の酸性度をコントロールするためのものです。女の子が欲しいときは酸性のピンクゼリーを、男の子が欲しいときはアルカリ性のグリーンゼリーを膣の中に入れて、性交渉を行います。

リンカルを使用する

本来は、無脳児を産んだ女性が次の赤ちゃんのための予防として飲んでいた天然カルシウムのサプリメントです。臨床実験により、服用後に出産した赤ちゃんがすべて男の子だったことから、男の子の出生率を上げるためにも利用されるようになりました。朝晩の2回、1日4錠を最低2か月以上服用するよう指導されます。

オルガスムスをコントロールする

「男の子が多い家の旦那さんはセックスが上手」という説を耳にしたことはありませんか?俗説のひとつにすぎませんが、根拠がまったくないとも言えません。というのも、女性がオルガスムスに達すると、子宮頸管から強いアルカリ性の液が分泌されるためです。つまり、膣内がアルカリ性に傾くため、男の子が生まれやすくなるというわけです。膣の酸性度には個人差があるため一概には言えませんが、女性のオルガスムスをコントロールするという方法も試してみる価値はあるでしょう。

ただし、これらの方法は多くの医療機関で一般的に行われている方法にすぎず、全国共通のものではありません。産み分けについては、各クリニックの医師が知識と経験をもとに行っているものなので、過度な情報に流されず、受診した病院の指導を受けることをおすすめします。また、自己判断での産み分けは推奨されていません。どうしても産み分けを望む場合は、必ず専門医に相談のうえ行いましょう。

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