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遺伝の可能性も?重度のチック症「トゥレット症候群」の原因と症状

更新日:2017/09/14 公開日:2015/09/28

チック症(トゥーレット症候群)の基礎知識

チック症を重症度で分類した際のひとつに「トゥレット症候群」があります。ここでは、どのようなチック症状が現れた場合、トゥレット症候群と分類されるのか、その詳しい症状や、トゥレット症候群の原因、多くみられる合併症などについて解説していきます。

子どもの1~2割に発症するとされているチック症。そのチック症を重症度で分類した際のひとつが「トゥレット症候群」(トゥレット症、トゥレット障害とも言う)です。「トゥレット症候群」とは、どのような状態のものを言うのでしょうか。

トゥレット症候群とは

「トゥレット症候群」とは、首振りや顔をしかめるなどの「運動性チック」と、咳払いや汚い言語を発言する「音声チック」の両方が、同時に存在するとは限らないものの、疾患のある時期に存在したことがある、などを診断基準とする精神神経疾患です。1885年にフランスの神経科医ジル・ド・ラ・トゥレットによって報告されたことから、トゥレット症候群と名付けられました。

トゥレット症候群の原因

原因は完全には解明できていませんが、トゥレット症候群の65~90%に家系発症がみられることから、遺伝的要因があると考えられています。また、一卵性双生児の場合、一致率が53%と顕著に高く、二卵性双生児の場合は8%というデータも報告されています。さらに、原因として、大脳基底核のドーパミン神経受容体の異常が示唆されています。ドーパミン神経とは情動、注意、意欲、報償、依存、歩行運動などをつかさどる重要な神経です。このドーパミン神経系の活性低下にともなう受容体の過活動が、トゥレット症候群を引き起こすと考えられています。

トゥレット症候群の症状

まばたきや首振りといった多彩な運動チックと咳払いや発声といった音声チック1つ以上が疾患のある時期に発症し、1年以上症状が続きます。チックの頻度は増減する場合があり、ひとつの症状がなくなることもありますが、新たな症状が現れることもあります。多くは、6歳頃から単純運動チックで始まり、10歳頃からは複雑チックが現れます。

単純チック、複雑チックの症状については『チック症とは?原因と症状の現れ方』をご覧ください。

合併症が見られることも多い

トゥレット症候群にはしばしば合併症がみられます。合併症として多いものには以下のものがあります。

強迫性障害

不安障害のひとつで、不合理であると理解している考えやイメージが自分の意に反してくりかえし浮かび、不安や恐怖を感じます。そして、その不安や恐怖を和らげる行為をくりかえし行ってしまう障害です。

注意欠陥・多動性障害(ADHD)

発達障害のひとつで、年齢に見合わない不注意さや多動性、衝動性が原因で日常に支障をきたす状態のことを指します。具体的な行動としては、思いついたことを深く考えず行動に移してしまう、好きなこと以外には関心を示さない、などがあげられます。

学習障害(LD)

知的発達の遅延や身体的な障害はないものの、読む、書く、計算するなどの学習知識のいずれかが低く、学習に困難を示す子どもの状態を指します。

不登校

心になんらかの葛藤を抱えているために、登校ができない子どものことを指します。これらの子どもは、自らが動く力や、周囲と関係を構築していく力がやや低い傾向にあります。

中でも、小児期には注意欠陥・多動性障害が、10歳以降には強迫性障害が、合併症として多く見られます。上記以外にも、衝動性・攻撃性の高まり、自傷・他害行為、睡眠障害、二足歩行が上手に行えないなどの障害が見られることもあります。

トゥレット症候群の確かな治療方法は確立されていませんが、症状の早期診断、年齢に応じた環境の調整、疾患に対する本人と周囲の理解が大切です。

この病気・症状の初診に向いている科 精神科

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