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チックは無理に止めないで!チック症の幼児に対する対応法

更新日:2018/03/28 公開日:2015/09/28

チック症(トゥーレット症候群)の基礎知識

頻繁なまばたきや首振り、発声などの症状が現れるチック症。3~4歳の幼児期から発症がみられますが、このほとんどは特に治療しなくても自然に治っていくと言われています。治るまで、家族や周囲の人はどのように対応すべきでしょうか。ドクター監修のもと解説します。

チック症は女児より男児に多くみられ、軽症例を含めると子どもの5~10人に1人はある時期に一時的になるといわれている身近な病気です。発症者は3~4歳から増え始め、特に6~7歳の学童期に多くみられ、12歳ごろから少なくなっていきます。大人になるにつれて改善に転じる方が60~90%とされています。

チック症では意味のないまばたきや咳払い、奇声をあげるなどの行動が起こり、周りの人がびっくりして心配しますが、チック症の95%は治療せずとも自然に治っていくと言われています[1]。ここでは、チック症が治るまでの幼児に対して家族や周りの人はどのように捉えて対応すべきか解説します。

チック症ではどのような症状が出る?

チック症の95%は「一過性チック障害」と呼ばれ、症状は1年未満でおさまるものです。一過性チック障害では、特に単純運動チックが多いと言われています。

単純運動チックでは、下記のような動きを突然行ったり、繰り返したりしてしまいます。この動きは本人が意識的に行っているのではなく、無意識で勝手に身体が動いてしまうのです。

  • まばたき
  • 顔をしかめる
  • 首をふる
  • 肩をすくめる など

この他にも、チックの症状として下記のようなものがあります。

  • 複雑運動チック(表情を変える、飛び跳ねる、臭いをかぐ、物に触る、など)
  • 単純音声チック(咳払いをする、鼻を鳴らす、奇声、など)
  • 複雑音声チック(状況に合わない言葉や汚い言葉を言う、など)

なお、まれにチック症が長引いて、学童~青年期にかけて運動チックに加え音声チックも増えていく「トゥレット症」と診断されることもあります。

家族や周囲はどう対応すればいい?

まずお伝えしたいことは、「チック症やトゥレット症はストレスや本人の性格、周りの育て方によって起こる病気ではない」ということです。現在では、生まれつきの素因があってチックの症状が出る時期があると考えられています。決して両親の育て方に問題があるわけではありませんので、まずそのことを理解してください。

冒頭でも述べた通り、チック症のほとんどが1年以内に自然に治ります。チック症状が現れたからといって本人を叱ったり、無理に行動を辞めさせたりするようなことは避けてください。意識してしまって余計にチック症状が増えてしまうこともあり、逆効果になります。このことを家族はもちろん、親戚や周りの人、幼稚園や学校の先生が理解して接することができるよう、環境を整えてあげてください。チックを本人の特徴の1つとして受け入れることを勧めたり、本人が成長していく過程で本人なりに自己コントロールができるように支援してあげてください。

なお、チック症は、強い緊張が解けたとき、緊張・興奮したときなどに症状が強くなることがあります。こんなときも、周りの人はなるべく症状に注意を向けず、本人がチック症を気にせずに通常通り日常生活を送れるようにしてあげることが大切です。

とはいえ、あまりにもチック症状が激しい場合や、1年以上長引いて症状が増える/重くなるようであれば、病院の児童精神科、メンタルクリニックなどを受診してください。必要に応じて薬による治療が行われます。

参考文献

  1. [1]青木省三. “チック症(障害)、トゥレット症(障害)” 標準精神医学 第6版. 野村総一郎ほか監修. 医学書院 2015; 363-364
  2. [2]金生由紀子. “チック症候群” 精神科研修ノート 第2版. 永井良三ほか監編. 診断と治療社 2016; 522-524

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