妊娠中に歯が痛いと感じるのはなぜ?妊婦と歯痛の関係

更新日:2017/03/24 公開日:2015/10/27

歯痛の基礎知識

妊娠すると、女性の身体にはさまざまな変化が現れます。妊娠中特有の原因によって、歯が痛いと感じることもあるようです。なぜ、妊娠すると歯が痛むのでしょうか。専門ドクター監修のもと、妊婦と歯痛の関係について解説します。

妊娠中は、虫歯になったり歯痛が起きやすいといわれています。妊娠するとなぜ歯が痛むのでしょうか。妊婦と歯痛の関係を解説します。

妊娠中は虫歯や歯肉炎になりやすい

妊娠して、つわりを経験する女性は多くいます。つわりがあると、胃酸が逆流するため、唾液の状態が酸性に傾きます。通常、虫歯菌は繁殖しながら酸を出しますが、唾液によってある程度中和されるので、虫歯にまで発展することはあまりありません。しかし、妊娠中は中和する力が弱くなるため、酸が歯を溶かしてしまい、虫歯になりやすくなってしまいます。

また、つわりがある妊娠初期は、気分が悪くなることが多く、歯磨きがおっくうになりやすいものです。ブラッシング不足は、当然、虫歯や歯肉炎の原因になります。

虫歯以外の妊娠中の歯の痛みの原因

妊娠中の歯の痛みの原因は、虫歯だけではありません。妊娠中特有の歯の痛みがいくつか考えられます。どのような原因があるのか、見ていきましょう。

妊娠性歯肉炎

妊娠中に増加する女性ホルモンにより、歯周病菌の発育が促進され、歯肉炎のリスクが高くなります。口腔内を清潔にし、歯科医院でクリーニングを受診すれば、自然と治ります。

妊娠性歯肉炎については『妊娠中に起こりやすい「妊娠性歯肉炎」とは』で詳しく解説しています。

妊娠性エプーリス

これは、ホルモンバランスの影響で歯肉が膨らんでこぶのようになる病気です。妊娠3か月以降で見られる良性の腫瘍で、出産後は小さくなることが多いため、心配はありません。

妊娠性歯肉炎は、口腔内に汚れが残っていると発症しますが、清潔にしていれば発症を防ぐことができます。また、妊娠エプーリスも妊娠したことが原因で現れますが、食事の邪魔になる場合や、出産後に縮小しない場合は、外科的な処置を行って取り除くことがあります。

妊娠中の歯周病が胎児に与える影響

重い歯周病によって発生産になり、低体重児出産の原因になるといわれています。また、お母さんが妊娠中に歯周病した歯茎の炎症物質は、子宮を収縮させ陣痛を促進する物質の分泌を促します。すると、早に罹患していた場合、生まれた赤ちゃんもむし歯に罹患しやすく、進行も早くなるという研究結果も出ています。実際に、低体重児出産の母親には歯周病罹患者が多く、早産の可能性が7~7.5倍も高まるともいわれています。

妊娠中の口腔ケア

妊娠中はつわりや体調の変化があるため、歯ブラシを持つのもつらい、という方も多くいるでしょう。しかし、適切なケアによって清潔な口腔内環境を保っていれば、虫歯や歯周病を予防し、発症したとしても軽症で済ませることが可能です。

歯ブラシを口に入れるのもやっと、という方は、大人用ではなく子供用のヘッドの小さなブラシを使うのも有効です。また、歯磨き粉は無理に使用しなくても構いません。どうしても歯磨きを行うのが難しい場合は、洗口液を利用したり、キシリトール配合のガムやタブレットで唾液の分泌を促し、口腔内を清潔に保つのも手です。

無理のない時間帯、無理のない範囲で心がけていきましょう。

赤ちゃんのためにも、口腔内環境を整えよう

このように、妊娠中はさまざまな原因で歯が痛むため、安定期に入ったら歯科検診を受けて口腔内を整えることをおすすめします。歯が痛いと感じたら、歯医者で妊娠していることを告げ、無理のない治療、処置を受けるようにしましょう。

また、妊活中の方は、妊娠前に歯の治療を終わらせておきましょう。妊娠中に服用できる薬は少なく、仰向けの体勢で治療を受けるのも困難になります。

赤ちゃんの口腔内は母親に似るといわれています。出産までにできるだけ治療を終了し、清潔な口腔内環境で赤ちゃんとたくさんのスキンシップをしましょう。

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