肝臓の機能をサポート!オルニチンの働きと効果

更新日:2016/12/09 公開日:2015/10/27

アミノ酸の種類と働き・効果

二日酔いに効果があるとしてよく知られているオルニチン。実はそれだけではなく、疲労回復や、運動のパフォーマンスを高めてくれる働きもあるのです。ここでは、医師監修のもと、オルニチンの知られざる効果について解説します。

「ついつい昨夜は飲み過ぎでしまった……。」こんな二日酔いの時には、オルニチンが豊富なシジミの味噌汁を飲むようにしている。そんな人も多いのでは?しかし、オルニチンに秘められたパワーは二日酔い対策だけではありません。

オルニチンとは

オルニチンは、肝臓の健康をサポートする遊離アミノ酸の一種です。解毒、代謝、栄養素の分解といった肝機能をバックアップし、スムーズな流れを導きます。

遊離アミノ酸とは、身体をつくるタンパク質を構成する以外の働きをしてくれているアミノ酸のことです。遊離アミノ酸は、肝臓や筋肉だけでなく血液の中にも存在し、「遊離」と名前がつく通り、タンパク質と結合せずに単体で体内を循環しています。

たとえば、体内のどこかでアミノ酸が足りなくなると、血中の遊離アミノ酸が取り入れられてタンパク質の材料として使われます。反対に、組織の中の遊離アミノ酸が多くなった場合は血中に放出され、全体の均衡を保ちます。このように、アミノ酸の貯蔵庫のような働きをし、体全体のアミノ酸のバランスを保っています。

オルニチンってどんな成分?

肝臓には、体内に溜まったアンモニアを尿素に変えて身体の解毒をスムーズに行う働きがあります。ここで活躍するのがオルニチンです。肝臓内で、オルニチンからシトルリン、そしてアルギニンと別のアミノ酸になりながら、肝臓に取り込まれたアンモニアを尿素に変換させるサポートを行います。

そして、最終的には再びオルニチンに戻ります。この回路は「オルニチンサイクル」と呼ばれています。このオルニチンサイクルが活性化すると、細胞に存在するミトコンドリアがエネルギーをつくり出す助けにもなり、肝臓自体の機能アップにも期待が持てます。オルニチンは、肝機能全体を維持する頼もしい存在です。

オルニチンサイクルによって生成されるアルギニンとシトルリン

オルニチンサイクルの途中で生成されるアルギニンは成長ホルモンの合成にかかわる成分で、脂肪燃焼に効果的といわれています。体脂肪の多い人に成長ホルモンを投与すると、1時間後には体脂肪の分解が急激に進んだという実験結果も報告されています。つまり、成長ホルモンは体脂肪の分解を刺激し、促すカギになる物質だということです。

また、成長ホルモンには食欲をコントロールする働きの他、脂肪の代謝分解を促進し、筋肉の量を増やす働きもあります。このことから、成長ホルモンの分泌を促進させる効果のあるアルギニンは、体脂肪を落とすことに活用できるひとつの成分と言えるのではないでしょうか。

シトルリンは、血液の流れをスムーズに整える働きを担っています。血管を広げることで血流を促し、動脈硬化の予防、冷えやむくみの予防など。肌にしっかり栄養を運び、ターンオーバーを促すことから、美容面でもサポートしてくれるアミノ酸です。

オルニチンの効果

オルニチンにあるさまざまな働きを紹介します。

アルコールによる疲れをやわらげる

アルコールとの関わりにおいても重要な働きをします。オルニチンは、悪酔いの原因となるアセトアルデヒドの代謝に関わっていて、血中アルコール濃度の上昇をコントロールし、アルコールによる疲れを和らげることが動物実験の結果で明らかになっています。

疲労回復効果

オルニチンの疲労回復効果は、アルコールが原因のもの以外の疲労にも効果があるとされ、運動による疲労や日常的な疲れなどにも効果的に働いてくれることに期待がもてます。これに関しても、オルニチンを摂取したことで体のだるさや朝の目覚めなどに効果があったという実験結果が出ています。そのうえ、オルニチンは運動のパフォーマンスをキープし、持久力アップにも効果的といわれています。

ダイエット効果

最近になって、オルニチンには脂肪を燃焼させる力があり、それに伴って筋肉の強化も期待できるとされ、サプリメントなどにも活用されるようになってきました。しかし本格的な研究は始まったばかりで、人間の脂肪燃焼を促進できるかどうか、まだ学術的な証明はできていない状態です。

実際、オルニチンを摂った後に運動をして脂肪の量を測定した研究でも、ごくわずかな減少しか確認できていないようです。今もさまざまな研究機関で、オルニチンの効果について研究が続けられています。近い将来には疲労回復や脂肪燃焼だけではなく、新たな効果も発見されるかもしれません。

オルニチンを含む食べ物

オルニチンを豊富に含んでいる代表的な食べ物といえばしじみ。他にもエノキダケ、マグロ、チーズなどがあります。しかし、しじみとエノキダケ以外はオルニチンの含有量はとても少なく、食品からの摂取はなかなか難しいため、サプリメントなどをうまく活用するとよいでしょう。

オルニチンの効果的な摂取方法

オルニチンは二日酔いの解消に効果的とされています。二日酔いのときにオルニチンを摂取するのなら、しじみの味噌汁がおすすめです。味噌にはコリンという二日酔いによいとされる栄養素が含まれているため、しじみの栄養素と一緒に食すことで、より二日酔いの症状の緩和が期待できます。

さらに、しじみには肝機能のサポートとなるタウリンも含まれています。タウリンは、煮る・焼くなどの加熱調理によって外に溶け出してしまい、食品中のタウリン量が減少しやすい成分。しじみのお味噌汁など、煮汁ごと食べられる方法であれば、あますことなく摂取することができます。

ちなみに、しじみのオルニチン含有量は温度によって変化し、冷たければ冷たいほど増えるのだそうです。もっとも含有用が増えるのは、マイナス4度といわれ、冷蔵庫で徐々に冷やしていくのがポイントです。実際に、韓国や台湾では、しじみを一度凍らせてから食べる慣習があるそうです。

オルニチンの効果は二日酔いのみならず、疲労回復やダイエット、脂肪燃焼までにも期待されはじめています。また、オルニチンサイクルで生成されるアルギニンやシトルリンにも脂肪燃焼や美肌効果が見込めます。日常生活の中にうまくオルニチンを摂取する習慣を取り入れてみてください。