体への負担が少ないとオススメの有酸素運動とは

更新日:2017/03/21

有酸素運動の基礎知識

運動には、大きく分けて「有酸素運動」と「無酸素運動」があります。ドクター監修のもと、有酸素運動とはどのような運動なのか、また、有酸素運動を行う際のポイントや、ダイエットへの効果などについてお伝えします。

古川美佳

この記事の監修専門家

インストラクター
古川美佳

運動は、大きく「有酸素運動」と「無酸素運動」に分けられます。ここでは、健康維持やダイエットに有効とされる有酸素運動の種類と行う際のポイントについて解説します。

有酸素運動とは

有酸素運動とは、酸素を使って炭水化物(糖)からエネルギーを得る運動で、長時間続けることが可能な軽度から中程度の負荷がかかるものをいいます。代表的なものには、ウォーキングやジョギング、水泳、縄跳び、サイクリングなどがあります。これらは、深い呼吸で酸素をたっぷりとり入れながら、ゆっくりエネルギーを燃やす運動で、主に体内に蓄えられている糖や体脂肪をエネルギー源とします。

無酸素運動との違い

一方の無酸素運動は、呼吸をほとんど止めた状態で瞬発的に行う、負荷の高い運動のことを指します。瞬発力を求められる短距離走や筋力トレーニングなどが、これにあたります。ただし、「無酸素」といっても酸素を使っていないわけではなく、一定量以上の酸素は使われています。

有酸素運動が体にもたらすメリット

酸素を取り込みながら体の中の糖や脂肪を燃焼させる有酸素運動が体にもたらす効果には、主に以下のものがあります。

  • 心肺機能の改善(心臓・呼吸筋の強化が期待)
  • 血管の柔軟性の改善(高血圧・冠動脈疾患の緩和が期待)
  • 脳への刺激(アイデアがひらめきやすくなるなど)
  • 骨の強化(骨粗鬆症の予防が期待)
  • 基礎代謝量の向上(新陳代謝が促進、ダイエット効果も期待)
  • 体脂肪の燃焼(血中のLDLコレステロール・中性脂肪の減少が期待)
  • ストレスの緩和・発散(不安や抑うつ感の軽減などが期待)

有酸素運動というとダイエット目的で行う方も少なくないですが、上記のように健康維持のためにもぜひ行いたい運動なのです。

有酸素運動を行う際のポイント

有酸素運動の効果をしっかり得るためには、適した強度、時間、頻度で行うことが大切です。自分に適した強度は、心拍数で測ることができます。計算式にのっとり目標心拍数を出し、それを保つことで効果的な強度で運動できるというわけです。

目標心拍数を出すには、まず自分の最大心拍数を以下の計算式で推測しましょう。

・最大心拍数=220-年齢

計算によって出た最大心拍数から、以下の計算式で目標心拍数を出すことができます。

・目標心拍数=(最大心拍数-安静時心拍数)×0.4~0.6※+安静時心拍数

※数値に幅があるのは、体力によって違いがあるためです。これから始める方、体力がない方は0.4、減量や生活習慣病予防を目的とする場合は0.5、体力のある方は0.6の数値で計算しましょう。詳しくは、『有酸素運動ダイエット成功の秘訣!脂肪燃焼に効果的な心拍数とは?』をご覧ください。

効果を得るためにも、20分以上続けましょう

有酸素運動の効果を十分に得るためには、20分以上続けるのが理想とされています。20分続けるのがきつい場合は5分~10分から始めて、慣れてきたら少しずつ時間を増やしていくとよいでしょう。単発の時間を積み重ねても効果は変わらないとされるので、5分、10分を3~4回など、休憩をはさみながら行う方法もあります。

また、1日の消費カロリー量を決めて、そのカロリーを消費できる時間だけ行うという方法もあります。たとえば、1か月で体脂肪を1kg減らしたい場合は、7,200kcalを消費する必要があります。トータルのカロリーを日数で割ると、1日の平均消費カロリーが約300kcalになります。100kcal消費するには、ウォーキングで20~30分、ランニングで10分ほど。つまり、300kcal消費するためには、1日にウォーキングを60~90分、ランニングを30分行う、といった具合になります。

※詳しくは、『どれぐらい続ければいい?有酸素運動の効果を得られる時間』をご覧ください。

無理のない範囲で続けることが大切

頻度は、できるだけ毎日行うことが理想的ですが、これまで運動習慣のなかった人は1日置きの週に3回程度から始めるとよいでしょう。疲れていたり体調のよくないときは無理をしないで休むことも大切です。体のために行うことで逆に体を害してしまっては、本末転倒です。無理のない範囲で運動することを心がけてください。

目的に合わせた有酸素運動の進め方

目的に合わせて、自分に合った有酸素運動を行ってみましょう。

健康維持・増進のためには

  • 1日1時間半(およそ8km、あるいは10,000歩)のウォーキングを行う
  • 水泳や踏み台昇降運動など、「ややきつい」と感じる強度で10分以上継続できる全身運動を行う
  • 1回20分以上(5分、10分の細切れ時間の積み重ねでも可)を、週に2~3回程度できる全身運動(ラジオ体操、ストレッチなど)を行う

内臓脂肪を減らすためには

  • 基本のウォーキング(10,000歩)に、3,000歩をプラスする
  • 「ややきつい」と感じる強度の運動を30分以上(5分、10分の細切れ時間の積み重ねでも可)、週5日以上続ける

ウォーキングの時間や歩数を変えずにエネルギーの消費量を増やしたい場合は、歩幅を広げて股関節をしっかりと動かすことで骨盤に刺激をいれながら歩いてみましょう。消費量がおよそ30%増加するとされています。

しばらく運動をしていなかった方は、強度の低いところから始め、慣れてきたら少しずつ強度を上げたり、運動時間を増やすようにしてください。ケガなどのトラブルを防ぐためにも、無理のない範囲で行いましょう。

ジムなどで時間をかけて運動するのもひとつの方法ですが、普段の生活の中でできる有酸素運動については、『生活の中でできる有酸素運動の種類と目的別の方法』で、また、室内で簡単にできる有酸素運動の種類については、『室内でできる有酸素運動の種類と方法』でも紹介していますので、あわせてご覧ください。

有酸素運動にダイエット効果はある?

有酸素運動のように酸素を多く取り込み、強度も適度な運動は、脂肪が効率よく燃焼するため、ダイエットに効果が期待できます。しかし、有酸素運動では、運動した分だけエネルギーを消費することができますが、摂取したエネルギーを有酸素運動だけで消費するには、かなりの時間が必要となり、即効性という面では期待はできません。

また、筋肉をつけることで基礎代謝量を上げる無酸素運動と違って、有酸素運動は基礎代謝量も上がらないため、運動をしていないときに余分なエネルギーが消費されることもありません。

ダイエットするなら、有酸素運動に筋トレをプラス

有効なのは、無酸素運動である筋トレをプラスすることです。筋肉は、安静時でも多くのエネルギーを消費しています。筋トレで、筋肉量を増やすことで、基礎代謝量もアップし、睡眠時や安静時など、運動していないときでもエネルギーを消費できる、痩せやすい体をつくることができます。また、筋トレには、体重はさほど変わらなくても、体のシルエットをすっきりスマートに見せてくれる効果も期待できます。

有酸素運動に筋トレを組み合わせるときは、筋トレ(無酸素運動)の後に有酸素運動を行うのがおすすめです。

有酸素運動に筋トレをプラスする際の注意点

さっそく、筋トレプラス有酸素運動でダイエットしようと思った方もいるかもしれませんが、しばらく運動の習慣がなかった人の場合、いきなり有酸素運動に加えて筋トレも行うと、体に負担がかかりやすく、疲れて三日坊主になってしまうこともあります。まずは有酸素運動だけ行って体を慣らしてから、少しずつ筋トレをプラスしていくとよいでしょう。

まとめ:有酸素運動を続けるために気をつけたいこと

運動強度が低いからといって油断すると、思わぬケガなどのトラブルを招く可能性があります。例え、どんなに強度の低い運動であっても、行う前にはストレッチなどの準備運動を行い、しっかりと体をほぐしましょう。

また、空腹時の運動は避けてください。事前に軽い食事などでエネルギーを確保してから始めるようにしましょう。反対に、食後すぐの運動は腹痛などのトラブルの原因になるので、しっかり食事をとった場合は、30分以上あけてから運動するようにしてください。